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一流の学び方──知識&スキルを最速で身につけ稼ぎにつなげる大人の勉強法|清水 久三子

学校での勉強や受験勉強ではなくスキルや知識を身につけ仕事に役立てるビジネスパーソンのための学びの手法をレクチャー。

テクノロジーの革新が「学びの格差」を広げる

学び方も時代に合わせて進化する

テクノロジーが日々進化をつづけ、ビジネス環境が刻一刻と変化しているように、学びも不変ではありません。はじめて本書を世に送り出した十年前とくらべると、学び方は大きく変わってきています。

たとえば、 反転学習 はそのいい例でしょう。

これまでの学習指導の方法は、まず授業や講義を受け、そこで知識をインプットして、宿題や課題などで問題を解いてみて知識が定着しているかどうかを確認するというやり方が主流でした。

しかし、近年教育の現場で導入が始まっている反転学習の学びの流れはまったく逆です。講義を受ける前にスマートフォンやタブレットなどで解説動画を観てあらかじめ知識をインプットしておきます。そして、実際の講義ではそれをもとにディスカッションしたり、自分の考えを発表するなど、単に知識をインプットして定着するだけではなく、そこからもう一歩踏み込んで考える力を養います。

すでに学校教育にも取り入れられているこの反転学習は、企業研修においても 1 つのトレンドになりつつあります。

前提となる知識や情報は、あらかじめ受講者が空き時間にオンラインで視聴しておき、講義ではディスカッションして内容をより深く掘り下げたり、資料を作成して新しい視点を探るなど、より仕事に結びついた実践的な学びを行うようになっているのです。

反転学習により知識のインプットを受講者個人にまかせることで、限られた研修時間がより有効に使えるようになりました。しかし、こうした新しい学び方の恩恵を受ける人もいれば、一方で変化に対応できず、 新しい学びに取り残されている人 もいます。そしてその差は、今後広がっていく可能性が非常に高いのです。

今の子達はタブレットなどで自分の好きなように勉強を進めることができるので、できる子はどんどん先に進んでいって落ちこぼれは置いていかれる。もちろん落ちこぼれにもチャンスはあって、やる気さえあれば自分の苦手なところを克服するのにそれが役立ったりする。やる気が勉強の進捗を決める。

書籍は一度にまとめ買いをする

戦力の逐次投入は失敗する

CHAPTER 3 の続きとして本章では、アダルトラーニングにおける書籍の読み方について、そのノウハウやコツをご紹介していくことにします。

まずは、書籍の買い方です。

情報マップが出来上がったら、ピックアップした書籍を購入していくことになるのですが、このとき一度にまとめ買いすることがコツです。 20 ~ 30 冊の書籍をすべて購入してください。

何もこれらの書籍をすべて読破しなくていいのです。後で詳しくお話ししますが、 アダルトラーニングでは、必要だと思われる箇所だけ読めばいい のですから。

だから、「全部読めなかったらどうしよう」などと余計な心配はせず、「積ん読」に終わったらもったいないなんてケチなことも考えずに、必要な自己投資だと思って一括購入してください。

なかには、「とりあえず 2 ~ 3 冊買って、残りは順次買っていこう」と考える人もおられるでしょうが、そういう方法はあまりおススメしません。学ぶ意思を固めた最初の勢いで全部買ってしまうほうが、自分で自分に「これだけの投資をしたんだから、何が何でも効果を挙げねば」というプレッシャーをかけられます。 投資対効果の面から、まとめ買いが正解 と言えるでしょう。

売れている本=良本ではない

キャッチアップをすばやく確実にするうえで、本の選択はとても重要です。

しかし、最近とくに思うのは、本の二極化が進んでいるということです。つまり、本当に良書といえる本と、とくに読む必要がない本です。  たとえば、素人向けに書かれた『 1 時間でわかる〇〇』といったような本があります。知識の乏しい文字通り素人の人にとっては、まず専門知識への入り口としてこのような本が必要でしょうし、その手軽さが受けて、ベストセラーになっている本もあります。

それほど深い知識を必要としない場合には、こうした本で十分なこともあります。

しかし、素人向けの軽い読み物を否定するつもりはありませんが、こと学びを自分の力に換えるという観点から見ると、『1時間でわかる〇〇』のような本ばかり読んでも、なかなか自分の血肉にはなりません。

やわらかいものばかり食べていると、あごの力が弱くなってしまうように、嚙みごたえのある本を敬遠して、サラリと読める本ばかり読んでいると、物事を咀嚼して考える力が衰えてしまいます。

その分野での必読書があれば、たとえ難解で歯応えがある本でも、情報マップにラインナップし、目を通すようにしましょう。

どの本を選べばいいかわからない時、僕が指標にしているのは海外の翻訳本かどうか。翻訳本の多くは既に海外で一定の支持を集めたものなので、ハズレがないかと思います。書籍の題名なども大事で初心者向けに書かれたとわかるような題名の本は中身も薄っぺらいことが多いのでお勧めできません。結局深く掘り下げた書籍が必要となるので時間の無駄です。

時間を有効に使いたいビジネスパーソン向けの学びの手法がここに。限られた時間でスキルや知識を身につけるための方法論や具体的な行動を列挙。あなたの学びに一役買ってくれること間違いなし。

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