世界的トップトレーダーが口を揃えて言う、この本を読まずして投資をするべからず。世界のトップトレーダーがどのような手法で稼いでいるかが描かれた書籍。驚愕の成功を収めた秘密、裏側とは?
マイケル・スタインハルト
スタインハルトの優れたパフォーマンスは、多数のアプローチによって達成された。彼は長期の投資家であると同時に、短期のトレーダーでもある。また買いばかりでなく、空売りも好む。ベストの投資だと思えば、資金の大部分を財務省証券のようなものに振り向けることもある。
もちろん、スタインハルト・パートナーズの運用成績は一個人によって達成されたものではない。長年の間に、共同設立者以外にも、多数のトレーダーやアナリストを雇い入れている。しかし、スタインハルトがとり仕切っていたことは疑う余地がない。彼は会社のポートフォリオに日に何度も目を通す。スタインハルトはトレーダーたちに判断の自由を与えているが、彼がそのポジションを見てマズイと思ったときには、直ちに修正するように要求する。特に危ないと感じたときは、スタインハルト自身がトレーダーに代わってポジションを手仕舞ってしまう。
会社のポートフォリオをスタインハルトがあまりに厳しく精査し管理するため、仕えるには口うるさい男だという評判がたった。事実、多くのトレーダーがそれに耐えられず会社をやめていった。スタインハルトの机は船の軸先のように湾曲している。それを見たあるジャーナリストが、彼にエイハブ船長とあだ名をつけたのも無理はない。しかし、スタインハルトの厳しさは彼の仕事上の役割によるところが大きい。つまり、フットボールのコーチのように、多くのトレーダーをまとめていくためには厳しさは美徳なのかもしれない。
一人スタインハルトのような飛び抜けたトレーダーがいると会社のポートフォリオも優れたパフォーマンスを叩き出す。この本の特性上優れたパフォーマンスを出し続ける極めて稀なトレーダーたちを紹介するわけだが、自分にはそのような才能がないことに投資を始めて数年も経てば実感することだろう。たとえ最初の一年思惑通りに株価が推移し市場平均を上回ったとしてもそれは長く続くものではないことを悟るはずだ。デイトレードのように短期売買を行なっている場合は尚更だ。取引に関する手数料のおかげで手元の資金が少ないうちは儲けられるが肥大していく手元資金と手数料は馬鹿にならない。
もし自分にトレードのセンスがないと感じたならS&P500などを買って買ったことを忘れる。もしくは長期的にホールドすると同時に積み立てというもう一つの武器を投入する。頻繁なトレードで優れたパフォーマンスを出し続けるには運も必要で知識が豊富だからといって必ず稼げると言う類のものではないことを理解しよう。こう言う本を読むとなんだか気分が大きくなって自分は例外で本書のようなトレーダーのようなトレードができると勘違いしがち。普通の人にはまず無理なパフォーマンスであることを自覚しよう。
ウィリアム・オニール
オニールは、みずからの言葉を地で行った伝統的なアメリカのサクセス・ストーリーの生きた証明だ。大恐慌時代にオクラホマに生まれ、テキサスで育った。そして、彼は投資家として大儲けし、ビジネスマンとしても大成功するという二重の幸運を手にした。
彼は一九五八年にヘイドン・ストーン・アンド・カンパニーという証券会社に就職して、金融界でのスタートをきった。ここで彼は初めリサーチを行ったが、それが彼の投資戦略の核心の構築へつながった。オニールのトレーディング方法は当初から目ざましい成果を上げた。一九六二~六三年、三銘柄で構成される異例の組み合わせトレードで利益を積み上げた。それはコーベット株のショート、クライスラー株のロング、シンテックス株のロングであり、当初五〇〇〇ドルだった資金を二〇万ドルに増やした。
一九六四年、そのお金でニューヨーク証券取引所の会員権を取得し、ウィリアム・オニール社という機関投資家を対象としたリサーチを専門とする証券会社を設立した。彼の会社はコンピューターによる株式市場の総合的情報提供ではリーダー的存在で、現在米国内では最も評価の高い証券調査会社の一つである。ウィリアム・オニール社は五〇〇の主要な機関投資家と二万八〇〇〇の個人が購読する「デイリー・グラフ」というチャート・サービスを行っている。同社のデータベースは七五〇〇銘柄のそれぞれについて一二〇の統計値が整備されている。
オニールは大胆にも一九八三年、「ウォール・ストリート・ジャーナル」に対抗して、「インベスターズ・デイリー」を発刊した。彼は採算に乗るまで何年もかかることを承知の上で、自己資金を投入した。一九八四年、「ウォール・ストリート・ジャーナル」が二〇〇万部以上発行されているときに、三万部でスタートしたときには、周りの皆は懐疑的だった。一九八八年の半ばまでに「インベスターズ・デイリー」の購読者は一一万を超え、急速に部数を伸ばしていった。二〇万部と予想されていた採算点もそう遠くはないと思われる。オニールは最終的に「インベスターズ・デイリー」は八〇万部まで伸びると信じている。そのゆるぎない信念は、「インベスターズ・デイリー」には他紙にはない統計情報、一株当たり利益ランク、レラティブストレングス、ボリューム・パーセンテージなどを掲載しているという自信に基づいている(これらの指標については、インタビューで議論する)。
一九八八年、彼は自分の考えを『オニールの成長株発掘法』(パンローリング刊)という本にまとめた。この著書は明解かつ簡潔であり、優れた特別のトレードのアドバイスを提供している。その年、投資に関する本のベストセラーとなった。
成長株発掘は投資の醍醐味とも言えるだろう。短期的なトレードは手数料のボディーブローでだんだん体力を奪われていくので、こちらの方がお勧め。銘柄選びの時に必要な知識は社会に出ていれば役に立つこともあるし、経済の動向がわかれば仕事にも影響してくる。もちろん良い影響だ。
ひとえにマーケットの魔術師といっても色々なタイプの成功者がいることがわかる。これを読んで自分には才能があると信じ切れるか?それとも自分には無理なので堅実に長期積み立て投資で市場平均のリターンを目指していくか判断すると良いだろう。投資に対するパッションを沸き立たせる書籍。
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