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一流研究機関による心理・行動実験から学ぶモチベーションの科学

〝モチベーション〟それは一体どんなものだろうか?その正体を突き止めるべく、研究者たちが実験によって解き明かした心理・行動パターンを身近に感じるよう要点を整理し、著者の解釈を添えたコレクション。見えないところで私たちを動かしている不思議な力の正体を知ることでその気になって、なんでもできる自分に近付こう。

ゴールを間近に感じさせる。(目標勾配)

あるコーヒーショップで、スタンプカードを使った実験をしました。

Aパターン コーヒー10杯飲むと、1杯無料になる。

Bパターン コーヒー12杯飲むと、1杯無料になる。ただしスタンプは最初から2個押してある。

結果 Bパターンのスタンプカードを渡された人たちは、Aパターンのスタンプカードを渡された人よりもはるかに多く、無料の1杯を手に入れた。

(参考 コロンビア大学ビジネススクールの研究)

‥‥つまりいまゴールにどれくらい近づいているか、フィードバックを与えるだけで、達成度が上がる。

僕たちはゴールに近づけば近づくほどモチベーションが上がるということ。ゴールが提示されると、ゴールまでの距離を意識し始め、その距離が同じであっても、「スタンプカードを全て埋めるにはあと10個」よりも、すでに2個スタンプををしてある、「もう6分の1も進んでいる」方を好む。1杯無料というゴールを目指して、来店頻度が上がる被験者が高くなったそうです。

来店頻度を上げようとする施策では、スタバの1杯無料レシート(Webでアンケートに答えると暗証番号が表示されそれをレシートに書き込んで、来店の際に提示すれば一杯無料になるもの)などがある。通い始めて少し経ったとき、やたらと1杯無料レシートが当たった時期があった。(計8回)内情は知らないが、これはもっと来店頻度を上げるための餌ではないかと疑ってしまう。僕は頑なに週2回ペースを崩さないので最近は当たらなくなった。この客はサービスしても毎日は来ない客とカウントされたと理解している。余談だが複数回当たった経験から、朝一番乗りの客は当たりやすいような気がする。この頃はお気に入りの場所に席を取ってからレジに並ぶのでそのせいで当たる確率が落ちているのかも?謎だ。

行動を叱り、存在をほめる。(道徳的行動)

ビー玉で遊んでいる子どもたち何人かにお願いして、友だちにビー玉を分けてもらいました。

Aチームの子どもには‥‥

「きみはいいことをした。素晴らしいことだ。人の役に立つことをした」と行動をほめます。

Bチームの子どもには‥‥

「きみは友だちを喜ばせた。素晴らしい子だ。人の役に立てる子だ」と人柄をほめます。

2週間後、Aチームのうち10%がBチームのうち45%が入院をしている子どもを元気づけるためのプレゼントをした。

(参考 心理学者ジョアン・グルーセックの実験)

‥‥つまり人柄をほめると、道徳的なおこないを増やしてくれる。

人を褒めたり叱ったりするときには、それぞれポイントがある。ある人が良いおこないをしたとき、「いいことをしましたね」と行動に結びつけて褒めるより、「やっぱりあなたはさすがだね」などと存在に結びつけて褒めた方が意識の深いところに届きます。「いつもおしゃれですね」などと相手のセンスを褒めるのも、その人自身を褒めることになる。

逆に対象者が悪い行いをしたときは「何やってるの!」「なんでそんなこともできないんだ!」と人格に結びつけて叱るより、「やり方がまずかったね、次はこうしてみよう!」と行動や環境と結びつけて叱る方が、行動を直してくれやすい。「行動を叱り、存在を褒める」これがモチベーションを上げさせる上で重要な叱り方、褒め方です。

全員にミッションを与える。(社会的手抜き)

1人から2人、3人‥‥8人まで人数を変えて、被験者たちに全力でロープを引っ張ってもらいました。

結果 1人でロープを引いた場合‥‥63キロ

3人でロープを引いた場合‥‥1人あたり53キロ

8人でロープを引いた場合‥‥1人あたり31キロ の力が加わりました。

(参考 農業工業学者マックス・リンゲルマンの実験)

‥‥つまり大勢の人間が一緒だと、他の人に結果をゆだねやすく、他の誰かがやってくれるだろうという心理が働く。

一人ひとりに「手を抜いている」自覚がなくとも、無意識のうちに手加減するという現象が起きます。チームでの作業の場合、仕事にあたる前に一人ひとりの責任範囲を明確にしておくと、このような手抜きが起きにくいでしょう。一人ひとりに責任を割り振ることで誰が結果を出して、誰が手を抜いたのかが、わかるようになり個人は本来の力を発揮します。全員にミッションを与えるという手法は最近ではメジャーになっていますが、新しい業務に当たる際は必ず責任者を決めることがスムーズな仕事運びに必要な条件と言えるでしょう。

こんな風に一流研究機関による様々な実験から、モチベーションを上げるためのメソッドを100紹介。今すぐ使えるものも多数あり、自分のモチベーションはもちろん、部下やお子さんのモチベーションを上げる施策までを網羅。なんだか最近やる気が出ないと思っている方や、部下が思うように仕事に取り組んでくれないと悩む上司の方にも読んで欲しい一冊です。

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