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プラスサムゲーム|鹿子木宏明|ものづくりにおいて、AIで何ができるのか? 現場は、どう変わるのか?

ものづくりの現場でのAIの可能性を探る書籍。経営にプラスしてAIの専門家でもある著者が経験に基づき日本の製造業をAIにより組織変革させる鍵を教えてくれる。

AI研究がハイスピードで進む理由

AIの研究・開発では、そのアルゴリズムやプログラムの多くが研究用として無償で公開されています。従来の物理・化学・生物といった研究分野では、重要なノウハウ(例えば匠の技のような部分)を文章にして公開することが不可能なケースが多いことから、他の人の研究を自分の実験室で再現するのは、不可能ではないにせよ骨が折れる作業です。ところがAI研究の分野ではプログラムやデータセットが公開されています。そのため、公開されたプログラムとデータセットをそのまま用いることで、論文発表結果の再現実験を比較的容易に行うことができるのです。また、使用されているプログラムを変更する等して、他の研究者の研究成果をもとに、独自の研究をさらに進めることも可能です。

国際AI学会は、現状のところかなりオープンで理想的な研究環境を整備したといえます。これがAIの進歩が急速に進んだ理由の1つですが、それは偶然の産物ではなく、科学の発展を加速するために学会の意思として透明性を上げることを推奨したからです。筆者が国際AI学会で聴講していた発表の質疑応答のセッションにおいて、聴講者から「使用したAIプログラムは公開しているか?」という質問が出たことがあります。それを受けたプレゼンターは「今後、公開する」と答えましたが、場内からは失笑がもれました。「今後公開」ということが永遠に公開されないということと同義であることを、会場に居合わせた誰もが知っていたからです。プログラムを公開しないということは、その実験再現性が疑わしいと思われてしまう風土があるということです。

カテゴリ1におけるAIは、このようなオープンな学術学会で、ハイスピードで研究が進んでいるのが特徴です。

これは、日本の製造業に対してどのような影響を及ぼしているでしょうか? 一見、学問の進歩に対して望ましい環境に見え、日本の製造業にもプラスの影響があるように見えますが、筆者は逆に、日本の製造業が差別化要素を作るには不利な環境だと考えます。ノウハウがすべてオープンになっている環境においては、最先端の差別化要素を作るには数の論理がまかり通ります。つまりパワーとスピードです。パワーとスピードを持つ企業や国の場合、例えば100個のAIのアルゴリズムがあったとして、そのうちの中から有効なものを見つけたい、発展させて差別化要素を作りたいと思えば、その研究を人海戦術によって進め、良いものだけを選択するという手段を取ることができます。これは、現在の日本の製造業にとっては、かなりつらいグランドルールとなります。

最近ではさまざまなアプリでAIが導入されている。僕の場合だとよく使うのが『Adobe Photoshop』と『Adobe Firefly』の生成AI。メモアプリの『Notion』などでもAIが導入されており便利になっているようだがこれはまだ使いこなせていない。AIは使い方によって自分では苦手な分野の補完をしてくれるし、時短にもなり使いこなせば豊かな暮らしに。

サブスクリプションと成功確度

PoCによって価値を正確に測る方法が1つあります。製品・サービスをサブスクリプション形式のシステムに設計してPoCを実施する方法です。サブスクリプション形式のシステムとは、サービス(ソフトウェア)であればクラウドのSaaSプラットフォームを利用し、製品(ハードウェア)であればレンタルを利用するものです。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ型PoCでは、クラウドとレンタルを併用します。サブスクリプションによるPoCでは、最初の半年なり1年を無償期間としてクラウドを開放し、またレンタルによって機器を無償貸与し、PoCを進めます。そして次の期間には有償に切り替え想定価格を設定します。その際の継続率×サブスクリプション契約単価で、PoC製品・サービスの正確なエンドユーザー価値を測定することができます。

本当に価値のあるものであれば、PoCユーザーは継続を希望するでしょうし、お付き合いによるPoCであれば、金銭のやり取りが発生する時点で終了となるでしょう。想定価値が高すぎる等の知見も得ることができ、製品・サービスの実際の価値がどれくらいなのかが予想できます。

こういった厳密な価値測定は、PoC当事者にとってはなかなか厳しいものです。しかし実施者にとって、シビアな価値測定が事業化の基準となると最初から分かっていれば、生半可な企画は出せず、やる気のある企画のみが提案されるでしょう。一方、事業化を判断する側からすれば、顧客が対価を払ったという事実は、説得力のある判断材料としてはこれ以上のものはありません。

PoCをサブスクリプション型で行う利点は他にもあります。まずPoCに参加するエンドユーザー側も、少なからずの人がPoCを成功させたいとの思いを持っているはずです。そのような参加者には、製品・サービスと対価に関しての真剣なアイデアや提案が期待できます。これは、馴れ合いによる甘い評価を防ぐだけでなく、顧客を強く意識した真の価値作りに大きく貢献します。

現在の世界の製造業のビジネスモデルはモノ売りからコト売りに大きく変化しているのはご存じの通りです。最初からコト売りに対応しやすいサブスクリプションをベースにしたPoC設計を行うことは、プラスに働く効果は大きいと思われます。以上が、ビジネス提案の確度を上げるテクニカルな方法です。

サブスクリプション化がどんどん進む中、買い切りの商品やサービスも逆に脚光を浴びる要因に。日々進化を遂げる分野のサブスクはステイであまり進化が期待できない分野のものに関しては買い切りがお得なので解約を。

日本の製造業がAIによってどう変わるかを見ながらAIの可能性を見出す。新たにAIを導入した組織変革でゼロサムゲームからの脱却を!!

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