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ハック思考 最短最速で世界が変わる方法論|須藤 憲司|どんなビジネスでも2ステップでハック

創業からわずか2年半で顧客の売り上げを240億円も増やしたグロースハッカー。そんな著者のどんなビジネスでも2ステップでハックし成果をあげる普遍的な思考法とは?

HOW?

そのビルの管理会社は、「ビルに設置されたエレベーターの待ち時間が長い」と借主から多くのクレームを受けていました。

困った担当者は、エレベーター・システムの設計の専門家を呼んで、実態を調べることにしました。

専門家たちは、詳細な分析を行った結果、下記の解決策を提案しました。

1)エレベーターの増設

2)より高速なエレベーターへの機種変更

3)新たに開発されたエレベーター制御装置の設置

要するに、専門家たちは、大幅なコストをかけない限り、クレームの解決は行えないことを明らかにしたわけです。

同時にその投資費用は、このビルの収入からすると大きすぎて回収できないことも発見し、この問題は、完全に「デッドロック」したかに見えました。

担当者は、部下を招集し、この事態について相談しました。

長時間の会議が開かれ、皆が疲れてきた頃、それまで口を開かなかった新人が、おずおずと一つの提案を行いました。

「各階のエレベーターの前に、大きな鏡を置きませんか?」

すると2週間後、エレベーターに対するクレームは、一件もなくなったのです。

さて、ここで皆さんに、考えていただきたいのです。

なぜ、「エレベーターの前に鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時間を減らす」という「問題」が「解決」したのか。

それは、「エレベーターの前に置いた鏡によって、エレベーターを待っている人が、そこを覗き込み、身だしなみを整えたり、後ろにいる魅力的な異性に目をやったりする時間が増えたから」です。

その結果として、「エレベーターの待ち時間」──正確に言うならば、「エレベーターの待ち時間として認識される時間」は、激減することになりました。

つまり、「鏡を置くこと」で、「エレベーターの待ち時間はまったく変わっていない」のにもかかわらず、その時間を「待ち時間」として認識しなくなった、ということになります。

かくして「問題」は解決されたというものです。

混雑するエレベーターばかりに目がいくと待ち時間を減らすためにはより高速なエレベーターを導入したり2機目を設置するなどコスト的に厳しい解決方法しか思いつかない。ところが鏡を置くコストはごく小さなもの。鏡というのはあるとついつい覗き込んでしまうという人間の習性を利用したハックだ。これで待ち時間が身だしなみを整える時間に変化したというわけだ。

Hack

例えば、匿名のストリートアーティストとして有名なバンクシー。

最近ではオークション中にあらかじめ額縁に仕込んでいたシュレッダーで、絵の下半分を細断するという演出で世界を驚かせましたが、彼が有名になったのは世界中の有名な美術館や博物館へ侵入して作品を盗むのではなく、自分の作品を置くという活動からでした。

実際に2005年5月大英博物館に侵入し、動物とショッピングカートを押している原始人が描かれた壁画を展示。

タイトルは「洞窟壁画」で、同作品の説明が書かれたキャプションも設置。

この作品はバンクシー自身がウェブサイトで公表するまでの3日間、全く気づかれませんでした。

その後、この作品は2018年8月30日に大英博物館が公式展示することを発表します。

次のURLは、大英博物館がその事実を発表したときのツイートです。

これは、まさに美術館や博物館のシステムの隙間をハックしたケースではないでしょうか? 「システム」は盗まれないようにするために存在していたが、持ち込まれることは想定していなくて、そこがスキマだったというわけです。

そうして有名になったバンクシーは、世界中のさまざまなストリートで風刺的なアートを仕掛ける事で、鮮烈なメッセージを発信し続けています。

まさにシステムの隙間をハックした事例と言えます。

まだ無名だったバンクシーのこの話は彼の作品を話題性と世間への風刺として世界中を席巻。今では知らない人がいないほどの有名人に。盗難ばかりに気を取られていた美術館の隙を突いたハック。

頭の体操になるハック思考を例を挙げて解説する書籍だが、これを読んだからといってこれらの優れた例のような素晴らしいアイデアが生まれるかといえばちょっと疑問が残る。しかし、何者にも囚われない思考回路を持とうと意識することで確実に殻は破れるだろう。

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