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ニュートレーダー×リッチトレーダー 完全プラス期待システム|スティーヴ・バーンズ

値動きに敏感に反応して一喜一憂。暴落への恐怖心やもっと儲けたいという欲との戦い。不用意な注文で損失を被ることは日常茶飯事。あらかじめ決めていた取引のルールをなかなか守れない人は多いのでは?強い精神力で成功するための投資スタンスを伝授。

ゲームを維持するための精神管理術

「昨年は口座資金の 22%の運用益を出しました」と新米トレーダーは誇らしげに答えた。

金持ちトレーダーは失望の眼差しを向けた。

「運用益について聞いたんじゃない。どうだったか、と聞いたんだ。一年間の利益自体にはほとんど意味はないよ。純粋にランダムな結果かも知れないんだから。私が気にしているのは君自信だよ。君の規律、集中力、リスクマネージメント、ストレスコントロール、システム構築と運用スキルなどのことさ。それで、どうだったね?」と金持ちトレーダーはもう一度尋ねた。

「勉強勉強、また勉強という感じでしたね。現実に自分の資金を使って取引してみると、すでに自分自身について乗り越えたと思っていたことをまた目の当たりにするはめになりましたよ。失うことへの恐れ、大きく取引したいという欲望、相場を正しく当てたいというエゴですね。自分は市場の値動きに対してと言うよりも、むしろ自分のネガティブな感情に対して取引をしているような感じでした」と新米トレーダーは答えた。

「それこそ皆が通る道というものだ。教室から闘技場へと移動した新米トレーダーのね」

金持ちトレーダーは続けて言った。

「何かを証明したくて仕方ないわけだ。自分に対しても、他の誰かに対してもね。トレーダーにとってのゴールというのは、こうした衝動、だいたいは悪い判断につながるものだが、こうした衝動を抑えてその上のステージに行くことだ。それなのに、ほとんどのトレーダーは恐れや欲望、エゴに突き動かされ、彼らの資金はシンプルに価格変動に従う規範的なトレーダーの口座に移ってしまうことになる」

「まさにその通りですね! 取引をすればするほど思い知りましたけど、投資というのは数字のゲームというよりメンタルなゲームなんですね。自分で決めたはずのルールを書き換えようと、知らず知らずのうちに言い訳を作り上げてしまっていたこともありました。長い目で見ると結局は自分のパフォーマンスを損ねる障害でしかなかったですが」と新米トレーダー。

金持ちトレーダーは言った。

「優れたトレーダーになろうというのなら、そうした人々は取引時間外に調査と取引手法の改良に取り組んでいるものだ。逆にダメなトレーダーというのは、値下がりが続いてマイナスがかさんでいる時に、ただ居座ってなんとかプラマイゼロに戻したいと願っているような人だ。取引時間が終了したら、トレーダーであると同時にアナリストでもある君は、次に市場が開いた時にどうするかを決めなければならない。買うタイミング、売るタイミング、取引量の見極めなどは市場が閉まっている間に自分の中で決めておかなければならないことで、それは市場が開いている時に感じる恐れや欲望、エゴによる決定であってはならないんだ」

トレーダーに必要なことがこの取引時間外の分析。あらゆる市場の情報を集め分析し、取引プランを立てる。こればかりは経験がものを言う。どのように情報を得るかなどのノウハウは一足飛びには身につかない。そんな勉強したくないと言う人は大人しくS&P500を買っていれば良い。それも値動きに一喜一憂しないためにも長期積み立て投資で。過去のデータから見るとS&P500は堅実に上昇している。暴落によって一時的に値が下がることはあるが気にせず信じ続けていれば大丈夫。1年間我慢して毎月決まった額を積み立ててみれば大体どんな感じの値動きか掴めるだろう。一喜一憂も心の振れ幅が少なくなる。

トレーダー伝

〝私は口座資産を吹き飛ばした 数多 の連中と話をした。小さな損失を何度も繰り返してそれで口座残高がゼロになったなんて話をした者は一人としていなかったと思う。資産を吹き飛ばしたというストーリーには間違いなく不適切に大きなサイズの取引が絡むか、あるいは価格の劇的な変化か、時にはこの二つが複合して絡んでいる〟 ── D.R.バートン Jr.

新米トレーダーが金持ちトレーダーを訪ねたのは雨の降る風が強い水曜日だった。今回は彼は傘を持っていた。

二人はTVの前にくつろいでいたが、ニュース番組にはたいして注意を払っていなかった。

「君の取引が正しいという可能性がベストだと思える時は、その時はフルサイズで取引をするんだ。様々な市場環境における異なる取引設定がもたらす基本的な確率を理解しておくことは非常に有利だ。注目されている成長株が決算発表後に窓を開けて上昇する確率と、その月の3回目の抵抗線トライで過去最高値へ突破する確率は違う。インデックス指標が支持線で3度目の反発を見せた際に買いに入って成功する確率は、抵抗線を突破したあとの過去最高値への上昇を目指す確率とは異なる。異なるチャートパターンと異なる株式銘柄はそれぞれ個性を持っていて、トレーダーが十分宿題をしてこうした力学を理解しておくことは重要だ。君がしたいのは正しい時に最も大きいサイズで、間違っている時には最も小さいサイズで取引したいわけだ。これはそれぞれの参入ポイントが機能するかどうかの基本的な確率を知っているからこそできる」と金持ちトレーダーは言った。

取引額が小さいとやはりリターンも小さい。しかし信用取引でレバレッジをきかせて取引するのはちょっと待った方がいい。素人が手を出しても害しかない。自身の器を理解し適正な取引をした方が身のためだ。もし手持ちの資金が小さいなら毎月投資に回す資金を増やすため他の何かを節約していこう。ミニマルな生活をしてできるだけ投資資金を確保するのだ。そうやって毎月できる限りの定額を投資に回すことで早く経済的自立を成し遂げることができる。

この書籍にあるような金持ちトレーダーになるには近道なんてない。時間と複利が唯一の筋道。一年ごとに投資リターンに振れ幅があるようではなかなか成功するのは難しいだろう。多くのトレーダーが平均するとインデックスに勝てない事実を知っておくべきだ。

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