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トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術|原マサヒコ|作業のムダを極限まで削り、生産性を高めていく

作業の無駄をとことん削り、生産性を高めるという文化がトヨタには根付いています。例えば勤務中の歩行速度などにも目を向けるぐらい無駄を嫌う。「時短」を究極まで意識した結果の生産性、驚くほど時間が増えるこれらの技術を公開!

頑張ることは汗をかくことではない

「頑張ることは汗を多くかくことではない」。この言葉こそ、「時短」を実現し、あなたの人生をより充実させていただくための、2つめの「時短ワード」です。

会社には仕事をしにきているわけですから、「成果」を出さなければいけません。トヨタの評価の軸は、汗の量でも、歩いた歩数でもないのです。

日本企業に多い考え方の1つに、「作業時間=仕事」というものがあります。 「毎日遅くまで頑張っているな!」「土日も出社してえらいね」……、こういった声かけに違和感を覚えない人は、考え方を改めてください。

日々の仕事のなかで「私は頑張っています」「人よりも多く働いています」などとアピールしている人も多いと思います。しかし、それはあくまで自己評価にすぎませんし、そんなアピールに力を入れても仕方ありません。  前述のとおり、仕事では成果を出さなければいけませんから、「成果につながる動き」こそが評価されるべきなのです。そして、 その「成果につながる動き」にどれだけ時間を使っているかどうかが大事なのです。極端なことをいえば、「成果につながらない動き」はすべてやめてしまうべきなのです。

本当に仕事ができる人は、ムダな汗をかきませんし、「いい汗かいたな」などと自分の汗に酔ったりもしません。

しかし、多くの人はやみくもに仕事を進めていくことでただただ忙しくなり、「いやあ、今日も頑張った」などと偽りの充実感を味わっているだけではないでしょうか。

会社は売り上げを上げ続けなければ存続できないのです。そう考えると、 着目しなければならないのは汗や作業の「量」ではなく、仕事の「質」でしょう。

先ほど例に挙げた山田さんは「間違った努力」で汗を流していないでしょうか?

そうだとしたら、その汗水はまさに水泡に帰すのです。

経営者は具体的な結果や成果を欲しています。仕事は部活や受験ではないのですから、結果が出せなかったときに「残念だったね。でもよく頑張ったから仕方ないよ」などと笑顔で終われる話ではありません。

ダラダラ仕事して終わらないので残業する。そんなことは許さないのがトヨタ式。今ではこんなことも当たり前になったが、テレワークなども進み、今一度注目したい仕事へのスタンス。いくらでもサボれる環境というのは人を怠惰にする。まあ結果が出ていれば良いのですが(笑)

考える時間を劇的に短縮する「三現主義」

三現主義とは、「現地・現物・現実」の頭文字をとった言葉で、「現地にいって」「現物を見て」「現実を知る」ということです。

企画や提案など、新しいアイデアをいかに短い時間で生み出すかということを考えるときも、やはり「現場」がキーになります。 「いやいや、そこはネットでしょ」と考える人も多いかもしれません。たしかにインターネットを使えば、あっという間に数多くの情報にアクセスできますが、現場を知らないような教科書的な企画や提案は、必ずといっていいほど却下されてしまうものです。

却下されたらまたインターネットで調べ直して再提出。しかし再び却下される……、このようなサイクルを繰り返すくらいなら、時間をかけてでも一度現場に足を運びましょう。いかなる仕事であっても、魅力的な提案をするためには、必ず現場の血が通った「生の声」を盛り込むべきだと思います。

「生の声」とは、たとえばお客様のリアルな声だったり、そこで働く従業員の声だったり、職種によってさまざまです。わざわざ大規模なアンケートを実施する必要はありませんが、自分自身で現場に存在する「3つの不」を中心に聞いてまわれば、いいアイデアが浮かんでくるはずです。 「3つの不」とは、「不満」「不安」「不便」のことです。

現場から漏れる「3つの不」をかき集め、それを解消する案を考え、現場の代弁者となって提案に盛り込んでいくのです。そうすることで、説得力のある提案になっていくはずです。

実際、トヨタの上層部の人たちは、「本当に重要な情報は現場にある」ということを強く認識しており、現場を直接見ること、そして現場にいる人に話を聞くことを重要視していました。

私は現場側の人間だったので、現場にやってきた上層部の人たちから何度となく質問を投げかけられていました。そうやって現場の人から情報を引き出すことで、先入観やこだわりをいったん横に置き、ニュートラルで客観的な発想につなげていたのだと思います。

組織において現場というのはいかに大事かを教えてくれる。サービス業に従事していると店舗が現場になる訳だが、そこそこ組織の長ともなると、まあ現場に来ない。これがスタンダードな中、現場を大事にするのは下々の士気を上げるのにも役立つ。現場を大事にする上司であれ。

やらないことを増やすと劇的に成果が上がる。トヨタ式時短の法則であなたの日常も生産性アップを狙っていきましょう。

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