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コーチングが人を活かす|鈴木 義幸|最大のコーチングファームから生まれた最良の入門書

コーチングの意義は自発的行動を促進すること。そうしたコミュニケーション術を数多く教えてきた著者が語る周囲の人に「やらせる」のではなく、「やってみたいと思わせる」手法を紹介。

引き出す

コーチングの定義で「引きだす」とは、相手さえもまだ自分の内側に眠ることに気づいていない情報を引き上げ、新たな行動の指針となる知識に変えていくことです。あなたの部下や顧客は仕事をうまくいかせるための十分な情報を自らの中に持っているかもしれません。誰かが引きださなければ永遠に口にされることのない思いや考えが内側にあるかもしれません。真剣に引きだしてくれる人がひとりいるだけで、その人の人生はずっと豊かなものになるでしょう。

では、具体的にはどのようにすれば、人から引きだすことができるでしょうか。人と人が向かい合えば、たとえそれが親子であったとしても、ある種の摩擦が生じます。人は基本的に自分以外の人間に対して防衛を働かせているからです。厚いシャッターが下りたままでは、その向こう側にあるものを引きだすのは容易なことではありません。 引きだすための第一歩は、相手が下ろしているシャッターを少しでも上げることです。そしてシャッターを上げるには、常日頃から「通りがかりの一言」を大切にする必要があります。「おはよう」「ありがとう」そんな当たり前の一言にどれだけ気持ちをこめられるかで、シャッターの上がり下がりは変化します。向かい合ってからはじめて重く閉ざしたシャッターに手をかけるのでは遅すぎます。

その上で、引きだすために質問をします。そして、ひとつ答を受けとったら、受けとったことをちゃんと相手に伝えます。

「そうなんだね」「そんなふうに考えていたんだね」それからさらに相手を自由にします。「それで」「それから」「もっときかせてくれよ」話の細部に対して関心が生まれたら、また質問します。

そしてまた、受けとって、受けとったことを伝え、促し、質問する。この過程が繰り返されることによって、相手は引きだされたという実感を持ちます。 目の前の人の能力や気持ちや考えを引きだしてみよう、そう思つた瞬間に、あなたはその人にとっての、その瞬間における人生最大のパートナー(コーチ)となるのです。

Point ▼質問し、答を受けとったことを伝え、促し、相手のシャッターを上げる

地味だけれど絶大な効果があるのが閉ざしたシャッターを開けるという作業。普段からそうしたシャッターの鍵を得るべく人と接すればそれは解放されることに。相手の話したい、表現したいという欲求に働きかければより素直にシャッターが開くことになるでしょう。

広く多くのことを聞く

アメリカの大学院で臨床心理学を学んでいたころ、私はカウンセリングの達人になりたいと思っていました。学内の実習だけではあきたらず、週末はいろいろな心理療法のワークショップに通いました。

そのひとつがNLP(神経言語プログラミング)でした。私に指導してくれたのはロン・クラインという初老の男性。彼のデモンストレーションをはじめて見たときの鮮烈な驚きは忘れることができません。クライアントの問題の核心に一気に入りこみ、あっという間に相手のものの見かたを変えてしまいます。彼のようになりたい。何度もそう思いました。

コーチングはカウンセリングではありませんが、自分の中でのコーチングの達人像はロン・クラインでした。現状における問題を鋭く明らかにし、目標達成のためにとるべき行動を素早く引きだす。これが自分の目指すコーチングだったのです。とにかく核心、核心へと迫る。

ところが最近、この錐で穴をあけるようなコーチングもひとつの選択肢にすぎないと思うようになってきました。時として一カ所を深掘りするよりも、広く多くのことをききだすことが有効な場合があります。

ある保険会社の営業所長のコーチングをしていた際、所内でなにが起こっているかについて、とにかく広く浅くきいていきました。ひとつ質問をして答をきいては、また「他に気づいていることはないですか?」ときく。答に詰まったら、「部下はそのことについてどう思っていますかね?」「バイトの女性は毎日どんなことを考えながら仕事してますかね?」と、こちらからいくつかの切り口を与えてみる。

そうすると現状に対していろいろな角度から光が当たり、彼は複眼的に状況をとらえることができます。

広く多くのことをきくと、ある一点しか見ずに凝り固まっていた脳の緊張が和らぎ状況が見通せることがあります。逆にはじめから拡散しているような場合には、狭く深掘りをすることで意識を集中させていくほうがいいかもしれません。ぜひ場合によって使い分けてください。

Point ▼広く浅くさまざまな質問をして、いろいろな角度から状況に光を当てる

広く浅くさまざまなことを聞いてそこから突破口を開くこと。鍵穴を見つけたらそこに鍵を差し込んでやりましょう。状況はさまざまなので何が突破口になるかわかりませんので、広く浅く。そこから深掘りするスタイルも持っておきましょう。

コーチングに関するあれこれを学ぶための書籍。凝り固まった方法から抜け出せなくなったときこの書籍を読むとコーチングの方法論が多岐にわたることがわかるだろう。

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