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みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。|岩井俊憲|ちょっぴりドライで優しいリーダー論

リーダーは裁かない、正さない、引っ張らないでも良い。アドラー心理学に基づいたちょっと変わった優しいリーダー論とは?

人が不機嫌なのには「目的」がある

職場で仕事をしていると、キーボードを強く叩いたり、「はぁ」と大きなため息をついたり、会話の声がとげとげしていたり。職場には、イライラしている人、不機嫌な人がいます。

すると、「あれ、何か悪いことがあったのかな」とか「私のさっきの言い方がよくなかったのかな」などと、「原因」を探す人がいます。

しかし、このように人がイライラしているとき、不機嫌なとき、 アドラー心理学では、「原因」を考えるのではなく、「目的」を考えます。

「目的ってどう意味だろう?」と思った人もいるでしょう。 「イライラする」という態度をとることで、「達成したいこと」「伝えたいこと」(=目的)があると考えるのです。

たとえば、イライラしている人は、「イライラする」という態度を通して「自分は忙しいことをわかってほしい」とアピールする「目的」があります。

あるいは「ものごとがうまくいっていないことを伝えたい」という「目的」もありえます。

「不機嫌」という感情についてアドラーはこういう言葉を残しています。

「この子が社会的なつながりを取れないこと、その結果、不機嫌であることが彼女に残された活動のほんの数少ない領域の一つだということを示しています。不機嫌であることは、彼女の母親を拒む最良の手段でもあり、だからこそ、不機嫌であることを好んでいるのです」 『アドラーのケース・セミナー』

不機嫌の目的を探すと相手のことがよくわかる。イライラすることでわかって欲しい現状を伝える。でもこれってちょっと子供が駄々をこねるのと似ていますよね。子供っぽすぎやしませんか?そう思われても仕方がないと思います。なのでできるだけイライラを他人にぶつけないようアンガーマネジメントをきちんとすることをオススメします。

共同体感覚は、単に仲良くすることではない

セミナーや講演会などで、「共同体感覚をもちましょう」と言うと、人によっては「仲良くしましょう」と勘違いしてしまう人がいます。

もちろん、大きな意味では「仲良くすること」は間違いとはいえません。ですが、ビジネスの場面で共同体感覚というのは、

「信頼関係やパートナーシップがお互いにあるうえで、お互いの共通の目的のために、それぞれが『何ができるか』を考えること」  です。

サッカーの日本代表チームで考えてみるとわかりやすいでしょう。代表チームの選手たちは、「誰もがお互いにとても仲良し」といえるでしょうか。

違いますよね。別にそれぞれの選手同士が友だちのように仲良くある必要はありません。

しかし「勝利という共通の目的に向けて、お互いの力を信じ、お互いを尊敬し合い、協力し合うこと」は最重要です。

チームの中に苦手な選手、相性のよくない選手がいたとしても、そのことと「チームの勝利のために、自分は何ができるか」という観点とは別です。

チーム内の選手の能力を信頼し、どの選手もチームの勝利のために力を尽くしていることを信じて、それぞれが最大限できることをする。そして、「ここが自分の居場所だ」「このチームでなら戦える」という所属感がある。

これが共同体感覚です。

人はそれぞれ違って当たり前です。能力に違いもあります。個性もあります。

好きな人もいるし、なんとなく苦手な人もいる。合う人もいれば、合わない人もいる。それは当たり前です。

しかし、一人ひとり違う人が集まる共同体の中で、そこにいる仲間に信頼感をもち、「自分の役割は何か」「共同体のためにどうすべきか」という貢献感をもつことが重要なのです。

そして、「自分の居場所はここだ」「ここにいれば安心だ」と所属感をもつことで、自分の力をより発揮しやすくなるのです。

共同体感覚をきちんと保つことは組織においてみんな同じ方向を向いて仕事をするために必要なこと。共有できることを共有しきちんと自分の役割を果たす。貢献感を持つことが大事。あなたはその組織において何ができるのかきちんと考え行動することを忘れないでください。

チームで仕事をする上で大切なことをまとめて、組織の中の個の在り方を論じた書籍。みんな違ってそれでいい、しかしそこには最低限必要なことが!

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