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『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』

豊かさが示すところは時代によって変わる。いま、価値を持ち始めているのは、人とのゆるやかなつながりや安心感など、貨幣的価値に還元できないもの。そして、これまでとは異なるライフスタイル、価値観、仕事、帰属意識が生み出されつつある。都市と農村のフラット化、新たなスタイルの自営業、進化する都市のものづくり、地場産業、地域経営、クラウドファンディングetc.いま、日本社会の底流で何が起きているのか――。現在の「ローカル志向」を解き明かすために、「地域」をベースにして、経済や消費、産業の領域から個人と社会の方向性について考える。

場所のフラット化

15年ほど前から、旧桜江町では単に田舎暮らしの場として住まいを提供するのではなく、働く場として新たに仕事を紹介し、Iターン者の定住を全面的にフォローアップしてきました。そのきっかけになったのは、1996年に島根大学が実施した人口推計調査です。そこで2023年に桜江町の人口はゼロになるという結果が出たのです。当時の町役場の担当者はこのデータにショックを受け、若者の定住対策に取り組む必要性を痛感し、定住政策を具体化していくことになります。定住者向けの公営住宅の設置に加え、増える空き家を積極活用するなど施策を行なった結果、定住者が徐々に増えていきました。全国では2014年度に「消滅可能性都市」が名指しされ激震が走りましたが、今よりも20年も前に、人口減少に手を打ち、成果を上げててきた自治体もあるのです。

首都圏でも、駅からバスで移動しなければならない地域などは、僕らが子供の頃こそ、若い人たちで溢れかえっていたものの、現在では若者たちが独立し、高齢化が進むマンション群も少なくない。不動産業界では駅から7分以上のマンションは一気に入居希望者が少なくなる傾向にあるのだという。自分たちの住む地域をいかにして魅力的な地域にしていくかは地方も首都圏も変わらない。魅力(働く場や生活に便利な場)の少ない地域はこれからの少子化に備え定住者の確保は急務だと言える。僕の最寄駅でも大学病院が新しいビルを建ててリニューアルしたり、駅前のいくつかの老朽化したビルは取り壊され新しく建て直してより利便性の高い町へと変貌しようとしている。町のブランド力を高める開発や定住者の確保は限られたパイの奪い合いの様相を見せているかのようだ。

「新たな自営」とローカル性の深まり

ふりかえると、1990年代後半には、通信手段としてインターネットが家庭に普及したことにより、テレワークやSOHO(Small Office Home Office)が流行しました。とくに在宅での起業に、育児中の女性や定年退職者が踏み出しました。現在では、このSOHOが発展し、シェアオフィス、コワーキングへと広がりをみせつつあります。空き物件をリノベーションし、デザイン性を生かして新たな事業を始める人が増える一方、ローカルに根ざしたカフェやバーなど「場の経営」への展開も盛んです。また、農業やものづくりなど手仕事の分野も旧来型の産業といったイメージを刷新し、若い世代に選択される職業のひとつになりつつありますが、このようにライフスタイルや文化的側面から自営業や起業が選択されているのは興味深い現象です。

思い返せば僕がMacに興味を持ったのもこの時期で当時、DTPやDTMが流行っていてMac関連の雑誌を開くとMacスクールの広告が載ったりしていました。その流れに乗っかって渋谷にあるMacスクールに仕事をしながら通ったのですが、仕事の合間合間に勉強するので、次第に他の生徒さんから遅れを取るようになり、一応一通り操作を覚えたがプロとしてやっていくには程遠いスキルしか身につきませんでした。

ひとりダイバーシティ

今後は環境変化に対応していきていくためにも、専門家した仕事や領分ではない柔軟な「百姓ライフ」=「ひとりダイバーシティ」が強みになっていくのではないかーー。上野氏は社会規範に左右されない女性の働き方や生き方からそう説いていますが、この「ひとりダイバーシティ」は今後、「新たな自営」のあり方や地域社会の関係性を考えるうえでもつうじるところが大きいようです。

百姓のような働き方は、必ずしも農業に限らないといいます。現在では仕事半分、残りの半分は地域での活動や趣味など、柔軟なステイルで働ける世の中になってきました。柔軟なスタイルでの働き方を選ぶ人は増え、収入はさほど多くなくとも自由な時間を好み、やりたいことを自分のやり方で追求する。お金より時間という考え方、も徐々に受け入れられているように思います。僕の場合、極端に少ない収入の代わりに有り余る時間が何にでも使えるといった自由を満喫しています。

ネットがあるから、Amazonでなんでも買えるし仕事も家で完遂してクラウド上にファイルをあげればそれで終了、という時代。最近では隙間時間に働くプチバイト(週1、1時間からでもOK)なども話題になっています。何に重きを置くかで働き方は無限大とも言える世の中に。とりあえず生きていくのに十分な収入さえあればそれでOK。

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