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なぜネギ1本が1万円で売れるのか?|清水 寅|ネギ界のダイソンを目指す!

数々の名店が唸る良質なブランドねぎを題材に「ブランド創り」「マーケティング」「営業の肝」「働き方」について考える。ネギ界のダイソンを目指すというのは他の農作物や商品でも一定の需要があるモノの売り方かと。

ブランドねぎを売るために

1960年代に本田技研工業がF1レースに参戦したとき、本田宗一郎さんはべつに「F1マシンを売りたい」なんて考えてはいなかったでしょう。彼が売りたかったのは、一般消費者向け乗用車のほうだったはず。

しかし、「ホンダの四輪」が有名になるのは1970年代以降。当時はまだ「ホンダってバイクの会社でしょ?

自動車なんて作っているの?」程度の認知度だったのです。もしF1レースで優勝して話題になれば、「F1で勝てるほどのエンジンが作れるのだから、普通の乗用車も性能がいいに違いない」と世界中に思ってもらえる。大きなビジネスにつながる。そう考えたのではないでしょうか。

そういう意味では、モナリザはホンダのF1マシンのような存在なのです。それ自体を主力商品にするつもりはないけれど、それが話題になることで、普及版が売れるようになる。狙いは別のところにある。 「この会社のネギ1本に1万円を出す人がいるってことは、普及版もおいしいに違いない。多少は高くても試してみようか」

消費者に、そう思ってほしかったのです。いま、ネギの平均的な価格は3本198円(秋冬。春夏は3本298円)ぐらいです。一方、うちの「寅ちゃんねぎ」は2本298円。少し高いものを思い切って買っていただくには、そのための説得材料が必要だった。

薄利多売の世の中ですが、高品質なものにはきちんと客がつきます。ブランド力があればそこにお金は集まりますし、あえて高いものをチョイスするマインドの消費者も意外と多い。売り込み方によっては未完成なものにもお金が集まる時代(デビュー前のアイドルやタレント、モデルにも)ブランド化するにはどうしたら良いかのヒントが詰まっています。

羊の世界を一歩も出るな

才能が0%でも100%の努力さえあれば成功するという信念は、いまも変わりません。しかし、努力の方向を間違えてしまうと、その努力は成果に結びつかない。魚のいない海に釣り糸を垂らしているのと同じで、どんなに釣り方を工夫しようが、何十時間粘ろうが、釣れるはずがないのです。

努力の方向を決めなきゃいけない立場になってみて、体操や卓球のときはコーチが、前の会社のときは会長が、ネギ栽培のときは師匠が、陰に陽に正しい方向へ誘導してくれていたのだと、いまさらながら思い知らされました。

いま振り返ってみれば、失敗の大半は、ある条件と関係しています。その条件があるため、どうしても焦りが生まれてしまうのです。

東北では、雪が積もっている間は農業ができない──。

この前提条件だけは動かしがたい。だから東北の農家は冬場だけ 杜氏 として、全国へ酒造りに出たりしてきた。青森では、冬でも地元で仕事がしたいと、名産であるニンニクの乾燥技術を発達させた。北国はどこも冬場は苦労しています。

うちはネギの成長がダントツに速いおかげで、山形県では珍しく7月にネギを出荷できるという話はしました。逆に言えば、2月から6月までは出荷がないわけです。売上ゼロです。それでも従業員の給料は払わないといけない。

これまで最高で183日間、入金なしでした。一年の半分です。 1年の半分、売上ゼロなんて会社があるでしょうか?

経営者としては、こんなに焦りを感じる状況はありません。

雪のなかで育てる、いわゆる寒中ネギを試したこともあるのです。しかし、雪をどけて収穫するのに、すさまじい労力がかかる。人件費が一日5万円にふくれ上がったりして、まったくペイしなかった。

いかにしてネギを出荷できない期間も売上を確保するか?

最初はネギ以外の野菜を作ることを考えました。次にネギを加工した食品で勝負しようとした。もう失敗の山です。ようやくたどり着いたのが、ネギ苗を売るビジネスなのです(有機肥料や微生物資材の販売も、農閑期を見すえたビジネスといえます)。 「6次産業化」という言葉がはやっていますが、すべての農家にあてはまることではない気がします。僕はまったくダメでした。だから僕は、悩める農家の人たちに「いまいる場所を離れるな!」と声を大にして言いたい。

最近でこそ一般的になったこだわり抜いた栽培方法でブランド化した農作物の数々。売れないからとすぐに諦めるのでなく探究心を持って一つのことに取り組む姿勢が大事だという。新たな品種開発は創薬と一緒で茨の道だが開発に成功したらリターンも大きいので、若い意欲あふれる人々が農業を始めるなんて話もちょくちょく聞くようになった。

ブランドねぎを作り売る農家の希望の星によるブランディングノウハウの詰まった書籍。発展途上だった農業も変わりつつあり、近頃はハイテクな栽培方法も出てきていてまさに戦国時代、生き抜く術を学びます。

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