お金原論 ３０代で知っておきたい「お金の知性」の高め方｜泉 正人｜お金に縛られない自由でゆとりある人生

保険は月々の支払いで考えると少なく感じるが保険をかける期間と金額を掛け合わせると高額な買い物になる。補償を得るために月額で考えて払えそうだと思い加入してしまうと案外それに気がつかない。

ＳＮＳで信用は世界に共有される

現代は、ＳＮＳ（ソーシャル・ネットワーク・サービス）が発達し、日本中はおろか、海外にまでもすぐに情報が行き渡る時代だ。ＳＮＳによって共有され、波及していく情報は、何も写真や文章で飾られた日々の出来事だけではない。そこから推し量ることができるあなたという人物に対する信用の度合いについても、世界レベルで情報が共有されるということを意味する。今や、生保保険に加入するための審査でも、会社の採用試験の選考でも、ＳＮＳの情報がチェックされるのが当たり前の時代なのだ。

ある出来事があって、あなたが１人の知人から信用を失ったとする。あなたはよほど思うところがない限り、その事実をあえてＳＮＳに投稿することはないだろう。しかし、その相手が、何の気なしにその出来事をＳＮＳに投稿すれば、 10 人、１００人といった単位の人がそれを目にする。

友人関係もしかりだ。一緒に食事に行ったり、仕事をしたりといった出来事をＳＮＳに投稿する人は少なくない。しかしその相手が、その後、社会を揺るがすような事件を起こしたり、トラブルに巻き込まれたりしたらどうだろう。あなた自身は何もしていなくても、周りの人から見れば、あなた自身の「人を見る目」への信用がなくなる可能性は十分にある。

噓や言い訳がＳＮＳによって図らずもばれてしまうというケースも少なくない。たとえば、会社の上司や取引先から急な食事に誘われた。本来であれば参加すべきなのかもしれないが、学生時代の友人たちとの食事会があったため、「今日はどうしても体調がすぐれなくて……」と噓をついて断った。

そして、参加した食事会。無論、あなた自身はよほど迂闊でない限り、その様子をＳＮＳに投稿しないだろう。しかし、大勢の中の誰かがあなたが気づかないうちに写真を撮り、あなたの名前にタグ付けをして投稿したために、それを上司や取引先が見て、あなたの噓を知ってしまう可能性は十分にあるのだ。

以前であれば、せいぜい数人にしか影響しなかった出来事や明るみに出ることのなかった出来事が、ＳＮＳの発達によって、いとも簡単に露呈し、拡散してしまう時代なのだ。そして、悲しいかな、いったん発信されてしまった情報を自らの力で止め、信用を取り戻していくのは至難の業だ。

「あの人は信用できる」と思われるのと「あの人は信用できない」と思われるのとでは、あなたの人生には雲泥の差が出てくる。そして、信用できると思ってもらうまでには相当な努力が必要だが、一度信用を失ってしまうと、それを取り戻すのは非常に難しい。

しかし、だからこそ一度得た「信用」にはとてつもないパワーがある。

信用があると、生活のいろいろな面において融通が利き、快適になる。信用があると、キャリアを高めやすく、高い収入につながっていく。信用があると、同じように信用ある良い仲間が集まる。