おしえて出口さん！──出口が見えるお悩み相談｜出口 治明｜寄せられた質問・相談と出口さんによる回答を再編集

今を生きるのがいっぱいいっぱいで未来の予想がつきにくいというのは僕も同じ。収入の不安や閉ざされた人間関係など僕の不安は病気を抱えるがゆえ普通の人より深刻だ。でも最近では開き直って仕方がないことは諦めて今を楽しく生きてやろうと思い始めていて、それで救われています。

孤独について考える

小さいときから、孤独について考えます。

他人と一緒にいると余計に孤独を感じてしまうのが、最近の悩みです。だからといって、一人でいるのが好きなのかと言われれば、それはそれで寂しさを感じているのです。孤独感でおかしくなりそうなときは、お世話になった人や親しい友人のことを思い出します。でも、自分の感情は自分しか感じることができないという事実を考えると、真の共感なんてないんじゃないか、と思います。 　ほかの人はこの孤独感にどう向き合って生きているのか、気になります。 　出口さんは孤独感について、どう考えていますか？ （おまこ、女性、 20 歳、学生）

人間は一人で生まれて一人で死んでいくので、本来人間は孤独なものだと思います。一人で生き一人で死ぬという、この当たり前のファクトがわかれば、一人であるという孤独感は人間の本性であり、人間が本来持っている本質的な悩みであることから、実は解決策がないということがわかりますよね。

みんなが一人で生まれて一人で死んでいく以上、誰も一緒にはつきあってくれませんから、孤独とつきあうことは人間の宿命だと言っても過言ではありません。そうした事実を踏まえた上で、同じ人生を生きるのであれば、楽しくて面白いパートナーや友人を見つけようとするのが普通の人生です。

でも、なかなかいいパートナーや友人が見つけられなかったとしても、いままではたまたまそういう巡り合わせだったのだと思えば、それでいいこと。そんなことにくよくよせずに、これからも仲のよい、あるいは価値観が似ていて一緒にいても疲れないパートナーや友人を一所懸命探すよう前向きに生きたほうが、人生は楽しいのではないでしょうか。