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あなたの「弱み」を売りなさい。 戦わずに売る 新しいブランド戦略|川上 徹也

小さな店が有名で大規模な店に戦わずに勝つための戦略を架空の国のレストランの寓話を通して学びます。ビジネスにも応用できるその考え方で大企業に立ち向かえ!!

星ヶ岡のチンパンジー

「で、キエさん。広告の件なんだけど」 「広告?」 キエは聞き返しました。 広告ということばは聞いたことがありましたが、自分に関係があるとは思っていなかったのです。 「喜んでよ!チラシと街での看板を合わせて一〇万ヤンでできるように交渉してきてあげたよ」 なんのことだかわかりませんでした。 「それってどういうことですか?」 「何言ってるの。せっかく安くしても、新しいメニューをつくっても、こんな丘の上の店、広告しなきゃ誰も気づかない。だからみんなに知らせるんですよ」 「一〇万ヤンで?」 「そう。安いでしょ?」 キエにとって一〇万ヤンは大金です。お店が繁盛していたころ、一ヵ月に一〇万ヤンもの利益を上げたときは、とても喜んだものです。その金額を広告に……? 「キエさん。これは先行投資だよ。これくらいの金額、あっという間に取り返せる。勝負かけなきゃダメだよ。ほら、もうチラシのデザインも考えてきてあげたんだよ」 ガリブはそう言うと、パソコンを操作して、ある画面を見せました。 それは、カラーで美しく彩られたキエの店の広告の見本でした。 『ヤサボノ新価格五〇〇ヤン!』と大きく書かれた文字。キエの写真も載っています。 たしかにこれを見たら、つられてお客さんはやってくるかもしれない。 そう思って、一〇万ヤンは大金だけれど、キエは払うことを決心しました。数日後、チラシが街でまかれました。キエは祈るような気持ちで待っていました。ガリブに言われたとおり、いつもの倍以上のヤサボノをつくって。 その日は、朝からいまにも雨が降り出しそうな曇り空でした。 こんな日はあまりお客さんが来ないのを経験上知っています。 ほんとうにこんなにたくさんのヤサボノをつくってだいじょうぶなんだろうか? 捨ててしまうことになるのではないだろうか? 不安は増すばかりです。開店時間になり、店を開けようとしたとき、太陽の光がすーっと差し込んできました。そして、信じられないような光景が目に飛び込んできたのです。

立地の悪い小規模店舗で広告によって売り上げを上げることの成功したわけだが、その先には大手チェーンのスケールメリットを利用した対抗策ですぐに売り上げは下降線へ。値段を下げる戦略も大量仕入れのできる大手と値下げ合戦をしてはかなうはずもなく惨敗。

マーケティングの基本

マーケティングの基本として、多くの教科書に出てくる概念に、「 マーケティングの4P」というものがあります。 商品やサービスが売れるために必要な、 Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の頭文字の4つのP です。 なかでも、製品そのものと価格は、商売の基本中の基本といっていいでしょう。 ただし、それらを決めるときに、売り手が自分側の視点だけで決めてしまってはいけません。そこで出てくるのが、もうひとつの基本、「 マーケティングの3C」です。 これは、 Company(自社)、 Customer(顧客)、 Competition(競合他社)の頭文字 をとったもので、マーケティングを考えるときには、この3つの視点から考えなければならないということです。値づけについて、自社の視点から見ると、自分の会社やお店の維持費や商品の原価を考慮して、獲得したい利益を上乗せして決めたくなります。 けれども、このとき、お客さんの視点も考えなければなりません。お客さんがその商品を買う場合にどこまでの金額であれば買おうと思うかという視点です。一般的には、お客さんは同じ商品であれば安いほど買おうと思うでしょう。 そして最後に、競合他社の視点です。同じような商品を扱っている会社やお店がどのような金額で売っているかということです。

商品を売る際に重要なことビジネスを始めるときはきちんとした戦略を持って挑まなければ、良い商品もへったくれもない。

三本の矢

わかりやすい独自化の手法としては、次の3つのワンのいずれかを実行することです。

★ファーストワン…「日本初」「業界初」のように、その分野で最初に導入された商品やサービスをいいます。

★ナンバーワン……「日本一」「業界一」のように、売上・規模・人気など、なにかしらで一番をとることができた商品やサービスをいいます。

★オンリーワン……「日本唯一」「業界唯一」のように、他のどこにもない商品・売り方・サービスをいいます。

このうちどれかひとつのワンがあれば、あなたの会社は他とは違う会社として独自化できやすくなります。 そして3本目の矢が「魅力的なエピソード」です。

先駆者であれ、一番であれ、そして唯一であれ。この三つのワンを覚えておくと起業したとき新しい事業展開をするとき武器になる。

小規模事業者が大手に立ち向かうには「弱み」をあえて売りにするぐらいの奇策が必要。中小企業の生き残り戦略を寓話でわかりやすく解説。最終的に生き残るには小さいこと、機動力を武器に戦うしかない。そんなビジネスの基本が学べる書籍。

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