歴史的ベストセラー『人を動かす』『道は開ける』の著者として知られるカーネギーの輝かしいキャリアは、話し方教室の講師をつとめたことからはじまる。長年にわたる経験を土台に、カーネギーは深い人間洞察に根ざした独自のスピーチ術を編み出し、授業や講演の現場で磨いていった。話す前の心構えから、テーマの選び方、準備、始め方、終わり方まで、人の心をつかみ、自信を持って人前で話すためのノウハウを懇切に手ほどきする。
良い話し手になろうという一途な執念を持つことからはじめる
独学への執念をかき立ててください。この独学というものにどんな利点があるかを指折り数えてみることです。新たな自信を得、人前で説得力をもって話せるということが、あなたにとってどんな意味を持つのか。金銭面での可能性と、当然得られるだろう報酬について。一方、社会的にはどうでしょうか?友人の輪の広がり、より大きな影響力や指導力などなど。そして指導力発揮への最短距離を行こうと思うなら、これにまさるものはないのです。
出世のため、社会的に一目置かれるために誰にでも可能な一番の近道は、うまいスピーチをすることという人もいる。巨額の財を成したフィリップ・D・アーマーも、「私は大資本家であるよりも、大演説家でいたかった」と言っている。一定以上の富をなすと、今度は聴衆を魅了するスピーチができることがステータスとなるのだろう。良い話し手になろうという執念を、その話題の内容の熟知に当てると良い。十分に考え、構想を練り、内容を熟知していない限り、人を前にして心の平静を保つことはできない。
一にも練習、二にも練習
スピーチでの自信を養うための最初で最後、そして決して失敗することのない方法ーーそれは、とにかくスピーチする、ということです。これまでにあれこれ述べてきたことも、煎じつめればただ一つ。一にも練習、二にも練習。練習以外にありません。これこそ必須条件なのです。ルーズヴェルトはこんな警告もしています。「初心者は誰でも、〝バック熱〟にかかりやすい。これは狩猟の初心者が獲物を見たときに陥る神経の強度の興奮状態のことで、臆病さとはまったく無関係のものと思われる。はじめて雄鹿(バック)を見たり、戦いの初陣に望んだりする場合と同様に、大勢の聴衆の前ではじめて話をする人がこれに犯される可能性は十分ある。こういう人に必要なのは、勇気ではなく神経のコントロールと冷静さである。これは実践でしか身につかない。習慣と、自立の反復練習によって、神経を完全にコントロールできるようになること。これはほとんど性癖の問題といってもいい。すなわち、努力を積み重ね、強い意志で練習を繰り返す、という意味で。そうした素質を備えた人であれば、練習を繰り返すたびにぐんぐん成長するだろう」
話すのが苦手な僕のような人は、まず練習しないww 練習の段階でいまくいかないので心が折れるのだ。人前で話す前に色々な言葉を準備することならできるが、話すことには様々なハプニングが伴う。この場合スピーチなので、聴衆の反応ということになるが、うまく心を惹きつけられたとしても、そこから先が真っ白になることも。僕が務めていたゲーセンでは、定期的にゲーム大会などを催していたがここでマイクを持って司会進行をするという場面も。まだ若かったこともあり何も怖くなかったので苦手であった聴衆の前で話すこともこなすことができた。今では病気の影響もありすっかり引きこもりになってしまい、家族以外と話すことがない生活が10年くらい続いているので、すっかり話すのが苦手になってしまった。話し方の本を読んだところで、話は上手くならない。実践あるのみといったところか。
勝利への意志
ゴルフ、フランス語、スピーチーー何を習うにしても、進歩は漸進的なものではない。急発進と、急上昇の繰り返しだ。しかし、次の数週間は足踏みを強いられたり、すでに獲得したものを失うことさえある。心理学者はこの停滞期を、「学習曲線におけるプラトー(平坦部)」と呼んでいる。この「プラトー」が続く間は、長い期間努力を重ねても、そこを抜け出して再び上昇することはなかなかできない。こうした不思議な事実を知らずに、この段階で気力をなくし、何もかも放り出してしまう人もいる。実に惜しいことだ。粘り強く練習を続けたなら、いつの日か、飛行機のようにそこを飛び立ち、一夜にして長足の進歩を遂げた自分にある日突然気づいたに違いないからだ。
僕は若い頃から人前で話すのが苦手。仲良くなった人の前では大丈夫だが初対面やあまり会話をしたことのない人との会話は緊張する。それでも学生時代は、それなりに友達もいてその小さな輪の中では会話に困ることはなかった。職場でもサービス業だったので少しづつ会話の訓練を積むことでそれなりに話せるように。しかし、せっかく手にしたそのスキルも、10年以上にわたる闘病、引きこもり生活の中ですっかり使えないものになってしまった。
日常の短い会話すらままならない人にとってはちょっとハードルが高いが、一度に多くのトピックを盛り込まないで一つか二つの題材を選んで話してみるというのは実践できそうだ。コミュ障に向けた書籍ではないので、これを読んだからといっていきなり話し方が上手くなるといった魔法のようなことは起こらないが、読む価値はあると思った。
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