60歳からしておきたいこと｜坂東眞理子

2020年12月28日

僕の場合エンディングノートを書くにはまだ早いが、死ぬ時どのような形で死にたいかというのはよく考える。死ぬ間際まで目に見えた体調不良は感じずに密かにガンが進行してて一ヶ月ぐらい入院して息を引き取るぐらいがちょうどいいかなとか思ってみたり。どんな死に方をするかは選べないのでなんとも言えないのですが。

老前整理は元気なうちに

自分へのご褒美に買った服やアクセサリーはもったいないとためこまず日常でどんどん使う。タオルや食品などのいただきものも実用品は早目に仕分けて、新しく喜ばれるうちに処分するにかぎります。ブランド物のスカーフやアクセサリーの類いは、娘や孫だと将来は自分のものになると思っているので、あげても喜んでくれません。ところが、たまに会う姪や従兄弟、あるいは親しい後輩は好みがあえば喜んでくれます。それは、期待していないからだと思います。期待していない人に、その人の好みにあったモノをプレゼントするのがいちばん上手なあげ方かもしれません。「それ、いいわね」とほめてくれる人に、できるだけプレゼントしましょう。若い友達や甥や姪であれば、もらってくれるのではないでしょうか。プレゼントするほうも、「あなたの活躍を期待してるわよ」「感謝してるわよ」ということを形で示すことにもなります。

僕は買ったものはとことん使い倒す派なので、ブランドものであろうとそうでなかろうと関係ない。せっかく買ったのに気に入らなかったもので、僕が使っているサービスを使って売れるものはすぐさまお金に変えていくというマインドで売却します。メルカリとかは使ったことないけどやってることは値付けが自分か相手かという違いだけ。自分で値付けしない分比較的買い叩かれますが。

趣味はほどほどに

本気で趣味に没入するなら、「林住期」はプロとして通用する水準を目指すべきです。たとえば、蕎麦打ちをはじめて、家族や友達に、「俺が打った蕎麦は美味しいから、さあ食べろよ」とふるまう人がいるようですが、それは２～３回が限度です。はじめる以上は店を開き、知らない人がお金を払ってでも食べに来てくれるような水準を目指すべきです。　社会人として仕事に励み、結婚し、子どもを育てた「家住期」はモーレツに働いて大変だったから、定年後、いきなり「遊行期」を志向する人も多いかもしれません。女性では子どもが独立した後、お茶やお花を習ったり、ゴルフをしてみたり、いわゆる習い事を楽しみたいと、あちこち手を出す人もいます。でも、手を広げて新しいことをするのは３カ月から半年は楽しいけど、１年も経つとひとつかふたつにしぼられてくるのではないでしょうか。

僕は趣味でも段階を踏まず最初からプロやハイアマチュア向けの道具を揃えます。最近ではAdobe Creative Cloudというサブスクリプションに課金しています。これ一つで写真からイラスト、動画からDTPまで様々なアプリケーションが扱えるようになります。動画をやって見たいという人には超おすすめです。使い方は難しいですが、YouTubeなどには使い方を撮影した動画も多数存在しますし、書籍も色々出ているので独学でも勉強できます。

バランスよく、ほどほどに、少し量を減らして食べる

70 歳では腹8分目、 80 歳では腹7分目、 90 歳を越せば腹6分目が健康にいいとあります。日野原先生の毎日の摂取カロリーは、約1300キロカロリー。食事の内容は、朝はオリーブオイルを大さじ1杯入れた果物ジュースと、牛乳に大豆レシチンを茶さじ3杯入れたもの。昼は180㏄の牛乳とクッキー2枚。夜はビタミンが豊富な野菜と魚を食べて、糖分の多いご飯は茶碗半分程度と少なめのようです。110歳までの予定が書ける手帳を片手に現役を続行中なだけに、日野原先生の健康法には説得力があります。なかなかそのとおりにはできなくても、できるだけ時間をかけてよく噛んで食べたり、食事の量を減らしたり、おかずは大皿から取らず、個人めいめいによそっておかわりはしないなど、できることからはじめましょう。アメリカのウィスコンシン大学では、1989年から人に近い霊長類であるアカゲザルを使ってカロリー制限の研究を行っています。20 年にわたって行われた研究の結果、糖尿病やガン、心血管疾患の老化関連病による死亡率は、自由摂食グループが 50 パーセントであったのに対し、摂取カロリーを3割減らしたグループでは 20 パーセントまで減少したと発表されています。最終結果が出るまでにはまだ時間がかかるようですが、カロリーを制限したほうが加齢と関係の深い病気になりにくいことは定説になりつつあります。

歳を取ってくると特にスポーツなどの体を動かす趣味がない僕のような人間はだんだん太ってきます。痩せるには運動も大事ですが、やはり食べる量をコントロールするのが一番ダイエットには効く。中年以降は気をつけておいた方が、その後の体型に変化が！

理想の終活って何だろうという疑問に答えてくれる書籍。僕は60歳にはまだ時間があるが、こうしたマインドを持っていると悔いのない生き方ができるのではと思った。

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