5つの臓器を老化から守れ｜長田昭二

2020年12月28日

年をとるといろいろガタがきて、臓器にも負担をかけることが多くなる。そうならないための事前の健康知識で立ち向かおう。人生100年時代、元気な臓器でハッピーに健康に。

心臓　アルコールも適度なら大丈夫

食事が最も重要です。肥満が心臓に負担をかけることは明らかなので、太らないための食生活が大切になります。ただ、瘦せることだけを目的に脂肪摂取量を極端に減らすのも危険です。心臓が休むことなく動き続けるための動力源は、アデノシン三リン酸という化合物で、これは主に脂肪酸から作られています。脂肪酸の元は中性脂肪。普段は肥満やメタボリックシンドロームの元凶のように言われている中性脂肪も、本来は人間の体にとって必要な物質。過剰に摂るから問題になるのです。まあ、脂肪タンパクに関しては、「摂りすぎない」という意識を持つ程度にしておきましょう。同様に過剰摂取に注意したいのが、塩分です。これは血管を傷めつける直截的な因子でもあり、なるべく減らすべきです。そもそも日本人は国際的な比較でも塩分摂取量が多く、「普通に食べている」だけでも摂り過ぎになります。こちらは少し積極的に減らすことをお勧めします。お酒については諸説あります。有名なのが、赤ワインに含まれるポリフェノールが動脈硬化予防に有効──というものですが、ポリフェノールならお茶でも摂れます。ワインだって飲み過ぎは禁物です。ただ、アルコールには「ストレス解消」の意味合いも含まれています。精神的なストレスは、動脈硬化に確実に影響します。もちろん、ストレスのはけ口をお酒だけに求めるのは危険だし、お酒に含まれるカロリーや、飲酒に伴う食べ過ぎなどのリスクに注意する必要もありますが、適量の範囲内なら問題ないでしょう。

お酒は適度なら大丈夫だが、何がいけないっておつまみがカロリーの高いものばかりで、つい食べ過ぎてしまうことが問題。飲酒に伴う食べ過ぎリスクはきちんと注意する必要がある。ストレスを溜めすぎない程度に飲酒を楽しみましょう。僕は10年前からお酒は断っていますが、特にストレスが溜まるわけでもなく至って健康です。やはり飲酒は習慣による部分が多くその習慣を改善すれば飲まなくても大丈夫になります。

肺　汚れた空気が最大の敵

肺の老化を進めるのは大気の汚ればかりではありません。最も直截的な要因といえば、喫煙です。どんなに空気のきれいな山村で暮らしていたとしても、タバコを吸ってしまったら何の意味もなくなるのです。タバコを吸いながら肺の老化を防ぐことはできません。タバコは吸わない、喫煙中の人に近づかない、の二点の順守を大前提として、「肺の老化防止策」を考えましょう。肺の機能向上とは、酸素化の効率を高めることでもあります。同じ量の空気を吸い込んだ時に、どれだけの量の酸素を全身に送ることができるのか──これが肺の機能の優劣を示すバロメーターといえます。マラソン選手などが行う高地トレーニングは、まさにこの酸素化の効率アップを目指した練習です。酸素の薄い、標高の高い場所で練習を重ねることで、酸素の少ない空気から無駄なく酸素を得て心臓や全身に送ることが目的なのです。これは間違いなく肺を鍛え、老化を遅らせることにつながりますが、マラソン選手でもない読者の皆さんにこれを薦めるのは現実的ではありません。では、皆さんができる肺の機能強化、老化防止策はないのかといえば、そんなことはありません。私が薦めるのは有酸素運動です。ジョギングや水泳、それができないなら散歩でも構いません。有酸素運動で肺の機能を高めるのはもちろん、それによって肥満を防ぐことは肺にとっても実は重要なのです。

タバコは百害あって一利なしなので、今すぐ止めることをお勧めします。タバコを止めれば日常的にかかるタバコ代から解放されます。そのお金を何か建設的なものに置き換えれば毎日が充実するはず。書籍の購入代金でも良いですし、様々なサブスクリプションサービスに入ったりしてもっと便利な生活がおくることだってできます。喫煙者が多くいる環境では止めるのは難しかったりする場合もあるので、思い切っていつもの喫煙可能な店を使うのは止め、全席禁煙のお店を使うことでもその禁煙の助けになります。周りに禁煙を宣言して周りの理解を求めるのも良いでしょう。タバコを吸うのがカッコいいとされていた僕らアラフォーの20代だった頃とは違い、どんどん肩身が狭くなっているのを感じている人は多いはず。肺のためにもこれを機に禁煙に挑んでみましょう。

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