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からだとこころの健康学|稲葉 俊郎|“健康”を再定義せよ!私たちが思い描く“健康”は、間違っている?

健康に生きる心構えを「あたま」「からだ」「こころ」の3つのつながりから解説。普段意識していない自分の仕組みを知れば健康の概念が一変。医学の知識ゼロでも理解できる平易な言葉で書かれたレッスン。

頭の働き

私たちが「健康学」を考えるとき、はじめに知っておくべきことがあります。それは、「あたま・からだ・こころ」という三つの関係についてです。

健康に「からだ」と「こころ」が関係するのは誰もが納得されるでしょう。でも「あたま」も関係するの? と疑問に思う人がいるかもしれません。

実は、この「あたま」はなかなかのくせ者です。「からだ」や「こころ」の素直な反応を邪魔したり、気づかないふりをしたりする、巧妙な 小細工 に 長けている存在だからです。

過剰にスピードが重視される現代で、私たちの生活に最も影響を及ぼしているのは、「あたま」です。  例えば、どんなに疲れていても、どんなに気分が乗らなくても、「明日、この仕事をやらなければいけない」「絶対に休むわけにはいかない」という考えを優先し、無理をしてもっと頑張るように指示を出すのは、いつも「あたま」です。

このように、「~しなければいけない」と、強制的な表現(英語で言えばmustやshould)で無理をするのは、「あたま」の働きです。「からだ」と「こころ」の働きだけであれば、きっと迷うことなく、「今日はもう疲れているから、明日は無理せずにゆっくり休もう」とからだを休める方向に向かうでしょう。

私たちの「からだ」と「こころ」は、いろいろなシグナルを発しています。しかし、私たちの「あたま」は、自分だけの狭い価値観を優先してそのシグナルに耳を 塞いだり、思い込みで間違った受け取り方をすることがあります。この「あたま」の行動原理や行動パターンを知っておくだけでも、自分の「健康」についてイメージしやすくなります。

頭で考えることが体で表現できない、ついていかないことは多々ある。〜しなければならないという考え方は自分を苦しめるだけ。体のシグナルが出たらしっかり休みましょう。逆に体が万全なら多少の無理は効きます。自身の体と相談しながら最良のパフォーマンスができるよう自分をコントロールできれば仕事の効率化も図れます。

こころの構造

実は、「こころ」の捉え方は、西洋と東洋とで異なるようです。日本の臨床心理学の 礎 を作った 河合 隼 雄(一九二八~二〇〇七) は、西洋と東洋の考え方の違いは、そもそも「わたし」という「こころ」の構造の違いに由来していると指摘しています。

西洋では「自我(エゴ)」という意識活動を中心として「わたし」という全体像が作られています。それに対し、東洋では「自己(セルフ)」という意識活動と無意識活動の中心に、「わたし」という全体像が作られているのではないかというのです。

西洋の心理学は、西洋哲学から枝分かれするかたちで一九世紀ごろに生まれたため、意識の世界を中心として無意識の世界を探っていきました。それに対して東洋では、意識と無意識は一体のものであり、それらは複数の層構造になっていると理解してきました。

たとえば、仏教の思想の一つである「 唯識」は、四世紀ごろに 天竺(インド)から中国に伝えられた思想です。『西遊記』の 玄奘三蔵(三蔵法師)が一七年かけて中国へ持ち帰ったと言われています。 「唯識」では、「こころ」は「 八識」という八つに分かれた層で成り立っていると考えます。表層心に 五識(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)と意識の六層、その下の深層心に二層の無意識( 末那識、 阿頼耶識)があると説明します。そして、ヨーガなどの身体活動の実践を通して表層のこころの動きを鎮め、より深層のこころの動きに目を向けるスタイルをとっています。

このように、東洋の伝統では、意識は層のように積み重なって相互に連関しています。また、無意識も含めた全体像をこそ重視してきました。さらに、「からだ」の現実と「こころ」の現実とが分かちがたく結びついていることも説かれます。その結果、「からだ」の特殊な運用法が多くの知恵として伝えられているのです。

意識と無意識これを突き詰めて勉強しようとすると何冊か文献を当たらなくてはならないが、西洋心理学と東洋で違いがあるということだけわかっていれば読み進められるだろう。東洋の伝統では意識階層は相互に関連し、無意識もまた全体像を重視。身体と心も密接に結びついている。

からだとこころの健康を意識して普段の生活をより良いものにしていくための書籍。仕組みがわかればどこに不具合が出たのか自身で診断出来、からだやこころの不調を察知して休めることもできる。ストレスを感じたり不調を感じたら迷わず休んだり環境を変えましょう。

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