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1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない

●ヤフーアカデミア学長にしてグロービス講師 孫社長にも一目置かれた伝説の「伝え方」! 
・プレゼンに限らず、人前に立って話をする、指示をする、伝える、ということが苦手な方はいるでしょう。著者の伊藤氏は、そのプレゼンを聞いたソフトバンクの孫社長から認められるほどの技術の持ち主であり、今はグロービスの講師として、ヤフーアカデミアの学長として、起業家からビジネスパーソンまで年間300人以上のプレゼンを指導し、ピッチコンテストなどでの優勝者を続々と輩出しています。本書では、「右脳と左脳」に働きかける伊藤氏独特のメソッドを紹介します。

●1分で話せない話は、どんなに長くても伝わらない
・「話が長い、手短に話せ」言われる方は少なくないでしょうが、伊藤氏の考えは「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」というもの。長いのは話がまとまっていない証拠でもあり、相手に伝わらない一番の原因。そこで本書では、伝わる伝え方の「型」の部分だけでなく、「結論の決め方」、「言い切れない」というメンタルの部分の話から、1分で記憶に残す方法など、誰でもできる方法を紹介します。

人はあなたの話の80%は聞いていない

まず、1つ気づいてほしいのは、そもそも、「人は、相手の話の80%は聞いていない」ということです。会議や朝礼など聞かざるをえない状況で、いやいやその場にいるかもしれない。たとえ最初は聞こうと思っていたとしても、いつの間にかぼんやりと違うことを考えてしまっているかもしれない(雨が降ってきて、「あ、洗濯物どうしたっけ」とか)。聞いている人の頭の中をのぞいて見ると、眠いとか、退屈とか、ちょっと寒いなとか、早く終わらないかなとか、いろんなことを考えていると思います。

自分の話を聞いてほしいなら、まず、みんな人の話は聞いていないという前提からスタートして、「1分で話せるように話を組み立て、伝える」努力をすること。この1分間でまとまらない話は、何時間かけたところで決して伝わるものではないということを理解する。たとえ1時間の時間を与えられたとしても、「1分で話せるように」話を組み立てるよう心がけましょう。これができれば、格段に「伝える力」は上がって行きます。

1分でその気になってもらう

どっちが伝わる?

A 静かな波の音が聞こえる作業スペースです。

B 想像してみてください。静かな波の音が聞こえる作業スペースです。

たとえ1分間の話でも、聞き手がイメージの中で自分の想像を膨らませはじめれば、内容は無限大に広がり、あとは放置していても、勝手にどんどん想像していきます。ではどのように、聞き手に想像を膨らませてもらうか。これは、聞き手の色々な経験を、自分が伝えたいイメージと組み合わせてもらい、想像を膨らませるのです。そのためには、直接、そのイメージに入ってくれるように、お願いするのが一番です。具体的には、「想像してみてください」「あなたがもしこの世界を経験するとしたらどうでしょう」と促す。そして、「素晴らしいと思いませんか」と方向感を伝える。これだけでよいのです。あとは勝手に、聞き手が自分の頭の中で想像を始めてくれるようになります。

この例の場合、自分の記憶の中にある、「静かな波の音のする空間」をイメージすることで想像が膨らみ、よりこの作業スペースが心地よいということを感じてもらえます。ただ単に波の音が聞こえる場所であることを伝えるより数段素晴らしい空間であることを演出できるでしょう。

「伝え方」のパターンを知っておこう

「今日は、皆さん禁煙をしましょう(結論)、という話をします。禁煙した方がいい理由は3点あります。1つめは、禁煙しないと健康に良くないということです(根拠1)。たとえば、喫煙者と非喫煙者で、平均寿命が〇年違うという調査があります。2つめは、禁煙すると、ご飯が美味しく感じられるようになるということです(根拠2)。3つめは、『 禁煙セラピー』を読めば、かなり簡単にやめられるからです(根拠3)」

ほかにも、プレゼンテーションのフレームワーク(枠組み)を調べてみると、SDS、PREPという2つの形がよくあげられます。SDSとは「Summary(まとめ)-Detail(詳細)-Summary」ということで、「詳細をまとめで挟み込め」ということですね。そしてPREPとは、「Point(主張)-Reason(根拠)-Example(例示)-Point」ということで、これは、要するに主張と根拠のピラミッドです。これらのフレームワークを使うと、プレゼンが力強く説得力を持つといわれます。要は、ピラミッドのまとめ部分を強調しながら言えばいいということです。

ほかにも、新しい取り組みを説明する時のPCSF「Problem(問題)-Change(変化)-Solution(解決策)-Future(未来)」などが紹介されている。これらフレームワークを覚えておくと話の組み立てに役立ちます。

話の内容を1分間で伝えることに慣れれば、断然、伝える力は上がっていきます。日常生活のひとコマでも、こうした伝える力は高いに越したことはないので、話が長いと人に指摘されたことがある人にはバイブルとなることでしょう。

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