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都会に住んで、元気になろう|中谷 彰宏

都会に住んで、生まれ変わろう!―たとえ会社は変わらなくても、1時間かけて通勤していたのを会社まで歩けるところに引っ越したら、全く違うライフスタイルが手に入ります。「最先端の文化が身近にある」「出会いのチャンスがたくさん」など、都会はあなたを磨く刺激にあふれているのです。本書は「いったん着替えて、遊びに行こう」など快適“都会”生活のススメ。

刺激がある生活

都会には、刺激があります。今大学がどんどん地方に移転していますが、これは間違いです。勉強している時は、あらゆることを体験しなくてはいけないし、情報を集めなくてはなりません。それが刺激のないところに行ったらおしまいです。学校がつまらなくなったのは、小学校、中学校が閉じた空間になっていったからです。社会とのつながりを全部なくして、ワンパターンで固まった価値観になってしまったためです。早稲田大学は街なかにあるから早稲田大学であって、都会でない郊外に行ってしまったら、早稲田大学ではありません。青山学院大学は青山にないとつまらないのです。大学が地方に移転していくと偏差値が下がるのは、当たり前の話です。東大は本郷や駒場になければいけません。大学が街なかにあるのは、あらゆる刺激がそれだけ存在するからいいわけです。静かなところで勉強しようという発想はそもそも間違っています。静かでなければ勉強ができないような人は、勉強なんかしてはいけません。その大学なりが持っている気がそこにはあります。そもそもは道場があって、道場で文武両道で勉強しようと思ったから、駿河台に学校がたくさん集まったわけです。そこからまた本屋さんとか出版社が生まれていきました。そういう文化が集まってガチャガチャしているところでなければ、勉強はできません。それと同じで、静かだから、ゆっくり本が読めるかと言えば、そんなことはありません。本は、うるさいところのほうがよく読めます。静かなところでは中身が頭に入ってきません。

大学生活を楽しみたければ都会にある大学をお勧めします。キャンパスの広さを確保するため郊外へ移転するような大学はあまりお勧めできません。大学に通っていて受ける刺激の量が圧倒的に違うからです。勉強はどんな環境だってできますが、様々な刺激を受けるといった視点から見ると都会の大学に方が圧倒的に刺激が強い。好立地の大学は構内を出ても人に溢れていて刺激的です。若いうちにこうした体験をしているのとそうでないのとではのちの人生での価値観の違いに差が出て来ます。多くのものを許容できる人間になるでしょう。勉強以外の誘惑が多いのもまた良いところでもあります。騒がしい環境では勉強できないという人がいるが、そういう人は静かな場所に行っても勉強しません。

ステータスのあるところに住む

ロンドンでは、一流ホテルに泊まっているというだけで、店でツケがききます。店からホテルに請求が来て、ホテルからお客様に請求が来ます。それぐらい取引の上での信用度が高いのです。ミーティングも、一流ホテルだと、なかなかまとまらない話がまとまります。しょぼいホテルでは、まとまる話もまとまらなくなったりします。ホテルを街に置きかえると、ステイタスのある街に住んでいるほうが仕事のチャンスがより生まれることがわかります。チャンスが生まれても、成功するかどうかはわかりません。しかし、チャンスをつかむまでのほうが大切です。チャンスをつかんだら、あとは実力です。実力があってもチャンスをつかめない人がいます。それは住んでいるところの問題かもしれません。同じライターでも、一生 冴えないライターのまま終わる人もいれば、チャンスをつかんでギャラの高いライターになったり、作家に転身したりする人がいます。どこに住んでいるから信用できる、信用できないというのは偏見です。偏見は悪いことですが、世の中には偏見は確実に存在します。

世間に偏見があるならそれを逆手に取りましょう。ミーティングを一流ホテルで行えば、その人の信用度は上がるだろうし、商談もうまく運ぶことでしょう。便利のいいステータスの高い地域に住むのもまた良いかと思います。それがその地域にしては格安の家賃の物件だったとしても、「僕は〇〇に住んでいます」と胸を張って言えます。街の人気度ランキングで上位に入るところや、タワーマンションが多く立ち並ぶ地域に住んで見るのもいいかもしれません。そうした地域は再開発も進み暮らしに便利な場合もあります。まずは賃貸でその町に暮らしてみて、空気感を感じて刺激を受けてみる。その後で自分にとって便利かどうか自問してみると良いでしょう。

最近では郊外から都心回帰が進んでいるようです。共働きが増えたせいで1世帯の収入が上がっているせいもあるようです。住んでいる家の広さより、都心のアクセスのいいところの方が人気のようです。時間が有効に使えるという理由だったり、様々なサービス(配車サービスなど)が利用できる点などもあげられています。特に人気の地域ではお年寄りがおしゃれ。ジャージで外を歩く人なんてほとんどいません。これが郊外と都心の違いかと思います。どちらがあなたを元気にしますか?

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