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〈疑う力〉の習慣術|和田 秀樹

文部科学省のゆとり教育政策のもと、日本の子供たちの学力低下が大きな問題となっている。では、詰め込み教育に戻ればいいのか?パラダイムが一変した現代社会を生き抜くためには、知識を修得するだけではなく〈疑う力〉を鍛えることが必要なのである。“疑う力”があれば、新しい発見をすることができる。リスクに備えることができる。対人関係がうまくいく。人生のビッグチャンスをつかむことができる。学校では教えてくれないノウハウを満載した和田式勉強法の最新バージョン。

北朝鮮情勢だって急展開もありうるかも

北朝鮮問題にしても、アメリカの政権が変わって、アメリカが北朝鮮の安い労働力に注目すれば、核放棄を約束させる代わりに、米中国交正常化のときのように、米朝国交正常化が日本の頭ごしに行われて、中国の一〇分の一の人件費で、GMやデルコンピュータの工場が北朝鮮にいくつもつくられるなんてこともあり得ない話ではない。こんなことは、かなり確率の低い妄想のように思われるかもしれないが、世の中に確実なものはないという発想に立つと、「絶対に」あり得ない話とは言えない。だからといって私は、自衛隊のイラク派遣をやめろとか、北朝鮮と早めに仲直りしろと言いたいわけではない。そうではなくて、その可能性を疑うことができるかどうかが大切だということだ。疑うことができたら、万が一のときの対処ができる。つまり、リスクヘッジができるということが言いたいのだ。

北朝鮮には安い労働力と豊富な資源がいまだ眠っているといった点で、もし核を放棄しアメリカと国交正常化したらありえないほど発展する可能性も秘めている。そういった可能性、希望的観測を持ってはいけない道理はない。あらゆる可能性を視野に入れて物事を考える必要がある。核開発がけしからんと言うのはごもっともだが、もし核放棄したなら今までの見方は180度変わってくるだろう。独裁政権でいまだに軍が大きな影響力を持っているので可能性は低いかもしれないがゼロではない。疑う力があればこうした可能性を常に考えることができる。テレビの報道を見ていると一方向の意見ばかり聞こえてくるが、鵜呑みにしているようではダメだ。テレビでは番組制作者の意図が反映されていてそのベクトルと違った発言をする専門家やコメンテーターは呼ばれなくなる。疑う力は多くの可能性を考えるだけでなくリスクに備えるといった点でも有効だ。

いじめ問題

小中学校で、いじめを発端にした凶悪事件が起こったときも、被害者を擁護し、加害者を非難する論調が一斉にメディアで流される。そんな報道の際に、コメンテーターたちが、「被害者の側にも非があったのではないか」というようなコメントをしようものなら、袋叩きに遭いかねないような状況だ。「被害者は一〇〇%かわいそうな子供で、加害者が一〇〇%悪い」という観点からのニュースばかりで、被害者の側に非があったのかどうかを調べて報道されることはない。政治家のスキャンダルでも同じだ。二〇〇四年の初めに、民主党の古賀潤一郎議員の学歴詐称問題が取り沙汰されたとき、福田康夫官房長官(当時) は「ウソつきは泥棒の始まりですからね」と鬼の首を取ったように発言し、世論も「政治家としてウソをつくことは大問題である」という流れになったが、果たしてこの問題はそれほど大きな問題なのかと私は思った。政治家でも、一般の人でも、ウソをつかない人のほうが少ないはずだ。ウソをつくことがいいことだと言いたいわけではなく、学歴詐称をした議員を、極悪非道の罪人のように扱う論調に疑問を感じたのである。法的な問題は裁判等で解決すればいいことだし、政治的道義的責任に関しても、きちんとした謝罪があれば、極悪非道の犯罪者のような扱いで世間が過剰な社会的制裁を与えることはいかがなものかと思う。

いじめられる側にも問題があるといったコメントをすれば袋叩きにあう世の中。被害者で自殺などで亡くなっている場合なおさらだ。僕は中学時代、部活でハブられ幽霊部員になった。バレーボールという競技が嫌いになったわけではないが、今考えるとハブられる要素満載の学生だった。部活で他校と練習試合に行く際、コンビニでの買い物の仕方が派手だったり、練習の一環である筋トレを真面目に行なわなかったりしてサボることも。こうした様々な要因がいじめにつながるわけだ。なんの理由もなくいじめの対象になることはあまりないのではないだろうか。ある学生は小学校時代からのガキ大将で、中学に入ると他の学校から来た人望が厚く喧嘩の強いやつにターゲットにされ、中学校生活は暗いものになってしまった。昔から弱いものいじめをするやつだったので、誰も同情しなかったが、学校全体で無視されていたのでさぞかし辛い中学生活だったろうと思う。

何事にも違った視点から物事を見る練習をした方が良い。様々な可能性を探ったり、問題解決能力がつくからだ。疑う習慣を身につければ、世間の風潮に惑わされることなく自分の意見を持つことができる大人となることだろう。

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