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「個人化」の果ての「コミュニティ」志向とは?

現代日本の「絶望」と「希望」が見えてくる。 現代的危機からの転回の可能性をさぐる。 近現代日本のトータルな鳥瞰から見えてくる将来像。

ムラとしてのカイシャ

欧米型の企業組織の輸入から始まった日本の企業は、一九三〇年代後半以降に、そこから距離を置いた戦後型の企業組織への移行を果たしつつあったと言える。この企業体制の変換は三〇年代後半以降の準戦時体制下において企画院官僚を中心とした、いわゆる急進的新体制派による、資本主義的私益優先の体制から、国家目的=公益優先の体制への転換としてめざされたものである。だが、同時にこの転換は私的営利の追求と、出資者である株主の優位、生産要素としての経営者と従業員といった、戦後、高度成長期の日本企業固有の企業体制として広く普及をみる「日本的経営」の基本的要素を組み込んだ萌芽となる体制であったといえる。

こうした日本的経営は家族主義や集団主義などと形容されることも多く、企業活動を一族の「家業」と位置付けることに。労使が一体となって、「うちの会社」という帰属意識が強いのも特徴の一つ。キャリアアップのための転職が当たり前の欧米に比べ日本では終身雇用が一般的となっていったわけだが、近年それも崩れつつある。ならばどういった戦略が個々人に必要か考えなくてはならない。最近では副業をOKとする企業も増えており、働き方改革は徐々に浸透して来ているように感じる。それでも「うちの会社」に止まり続けることを希望するなら、それはそれでまた、戦略を必要とする。

僕は転職で失敗してドロップアウトした人間なので、言っておくが、多少の不満なら、酒でも飲んで発散して、今の会社にとどまることをオススメする。ベンチャーなど優秀な人材を必要とする企業では、素の状態での実力が試されるので、大企業に勤めていた人は、戸惑うことだろう。

マツリとは

日本語の「祭り」は、「月」にくづき(肉月)と「又」ゆう(右手という意味)、そして「示」の三つの部分から構成されており、「月」は「肉」を指し、「又」は右手でつかむこととされる。つまり、肉を手に取り、神にささげることとなり、「示」は神による吉凶の判定のお告げという意味である。「まつる」とは、そもそも「そなえる」の意味であるから、神に対して供え物をするというのが「祭り」の原義であるといえる。

僕は祭りが大嫌い。神輿とか担いで騒ぐ姿を見ると嫌悪感を覚えるし、ここぞとばかりに張り切る人たちを見てなんだか嫌な気分になる。そもそも神を信じない僕は祭りの存在意義にすら否定的だ。祭り好きの人はみんなでワイワイ騒げる場所があればいいのかもしれないが、そこまで熱狂する意味が僕にはわからない。

町内会とかも早く解体してほしい。SNSで自分にあったコミュニティを選べる時代に突入しているのに、ご近所づきあいとかいらないでしょ。マンションなどに住んでいると、ますます町内会とかいらない。マンション管理組合だけで十分事足りる。

終身雇用

年功賃金が、若者世代による中高年世代への贈与といった、世代間の「互酬性」を原理とするなら、途中で会社を辞めるということは、いわば元を取れないことを意味する。そこで、しっかり元を取って定年まで勤め上げることが可能となる制度的保障が必要となる。それが「終身雇用制度」である。

会社と添い遂げる覚悟をもった社員とは、企業にとってもありがたい戦力だ。しかし、会社に不満を持つ人が多いのも昨今の転職ブームを後押ししているような気がする。僕自身3度転職しているが、転職がうまくいく人の性格とそうでない人とで成功するかどうかの明暗が分かれるような気がする。僕は転職に不向きな性格だった。

弱者たちの行く末

弱者、すなわち、九〇年代の就職氷河期に大学を卒業したものの、正規の雇用に恵まれないまま非正規雇用に身を置いた多くの若者たちは現在四〇歳代に差し掛かっているが、経済的難局故に、その多くは未婚者である。そうしたいわゆるアンダークラスを「自己責任」の名のもとに放置し続ける現在の日本社会は「社会」の名に値しないであろう。社会としては死滅しているというのはそういう意味である。

僕が学生時代は卒業してもろくな職に就けないだろうと悲観し、フリーターになり大学を中退した。アルバイトから契約社員になり、1店舗任されるようになり、その後同業他社に正社員として転職。しかしそこで待っていたのは生え抜きからの嫌がらせ。今までアルバイトから地道にやってきたのだから、同じ会社で正社員を目指すべきだったと後悔するが時すでに遅し。

<快志向>が増える現在

<快志向>が増えている。つまり、現在この場の「身近な人たち」と「自由に楽しく」過ごしたいという現在思考が際立っていることが判明する。

若者が僕らの時代よりもライブやフェスなどのイベントに足を運ぶようになり、非日常を楽しむといった志向を持つ人が増えているようだ。CDはサブスクリプションサービスに淘汰され、アーティストはライブで物販などを通じて利益を上げるように。時代の流れでしょうか。

アラフォーの僕はすでに死滅した社会の人間。これからの社会に適合するのに四苦八苦しているが、新たなコミュニティーへの参加で孤独を紛らわすことを覚えました。個人化が進む中自分自身が発信することで繋がる世界だってある。そこに社会の再生の糸口が見える。

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僕が利用している読書コミュニティサイト

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