古巣の新潮社にドリーマー社員(自分は正しいことをしていると自己陶酔に陥るタイプの正義漢。従来は朝日新聞社に多かったが、最近は新潮社、文藝春秋にも繁殖中?)が増えたがために「新潮45」が休刊。そんな惨状を憂える門田さん。飼い犬の「おしっこマット」用に通販で「新聞紙」を買ったら、同じ日付の朝日新聞が大量に届いたことで「押し紙」問題の裏事情を悟った髙橋さん。そのほか「9条改憲」「水道民営化」「移民問題」「働き方改革」「米中冷戦」「オウム」「五輪テロ」「大学不正入試問題」等々の「日本の論点」を、(本では)初顔合わせの論客がズバリと一刀両断。
倒閣運動家と化している新聞・テレビ記者
門田 「教育勅語発言 柴山文科相の見識疑う」(十月五日付朝日社説)、「柴山氏の教育勅語発言 早くも時代錯誤の登場だ」(同毎日社説)と、安倍叩きの材料としてさっそく活用し、全面攻撃に入りました。これらの記事を読めば、教育勅語復活を策す「トンでもない大臣が現われた」と読者は思うでしょう。でも、これは第一章でも指摘したように、相手の発言意図を捻じ曲げたり、一部を切り取ったりする「ストローマン手法」と呼ばれる、いつもの新聞のやり方なんです。
高橋 新聞は「紙面の制約」を理由に、テレビは「尺が足りない」を理由に、前後の文脈に関係なく発言部分を切り取って報道します。でも、今はネットで、誰でも記者会見を全部見られるから、そんな姑息な「印象操作」してもすぐにバレるでしょう。
新聞やテレビの記者たちは、叩く材料欲しさに、「失言」を引き出そうと必死だとちょっと極端なことが書かれているが、あながち間違っていないのかとも思う。しかし国の中枢で働くものが、失言を発してしまうのはやはり問題。意識が低いとしか言いようがない。失言をしてしまった場合、誤解を解くだけの説明を素早く行い謝罪する必要がある。そこで大臣の資質が試されるというもの。
リアリストが増えた
高橋 朝日などが喧伝する「若者の右傾化云々」もフェイクで、単にリアリストが増えただけの話です。アベノミクスで景気が良くなり就職率も最高になったんだから、彼らが安倍政権を支持するのは当然でしょう。
門田 安倍首相が五回連続で国政選挙の勝利を続けている理由に若者の支持があることは間違いありません。二〇一七年十月の総選挙では、二十九歳以下の四七%が比例で自民党に投票したことがマスコミの出口調査で判明しています。我々が学生時代のころには、社会党や共産党など革新野党支持が若者の主流だった。当時では、ありえなかった現象ですね。
安倍政権への支持を表明する人の多くが「参考にするメディア」を「SNS」「ネットニュース」とするのに対し、「新聞」と答えた層は支持率が低かった。要するに日頃どんなメディアで情報収集しているかでものの考え方が綺麗に分断されている。「SNS」「ネットニュース」を主に使う若者世代が安倍政権を支持するのはそういった理由からかもしれない。テレビや新聞は、日々政権の粗探しをしているようにさえ見え、それに乗っかって野党が次々に大臣に噛み付く現象は国会運営を中断させ議論がなされない残念な形になってしまっている。噛み付くなら政策で!
「過労死法案」と嘘で煽るから‥‥
門田 働き方改革法案でも、朝日、毎日などは偏った扇情記事を書いていました。
高橋 高プロ(高度プロフェッショナル制度)の話ですね。
門田 彼らは、野党と結託して、「過労死促進法案」と呼んでいました。この法案は、簡単に言えば、雇用契約の自由化で、規制緩和をやろうとした法案ですよね。それがなんで過労死促進法案になってしまうのか。朝日と毎日をずっと呼んでいる人は、情報が偏っているから、この法案ができると、「過労死につながる」と思ってしまう。読売と産経には、きちんと両方の意見が出ていました。過労死で亡くなったNHKの女性貴社のお母さんの批判の声や、過労死の家族の会の人の声もありましたが、自由化された場合にメリットを受ける人の話も、しっかり出ていました。両方の意見がきちんと報じられていたので、「なるほど」と思いましたね。
朝日と毎日は、一方的なことしか報じないという批判だが、一定数批判的な記事を読みたい層もいるのが事実。好んで朝日を読んでいる層のためのサービスのようなものだと捉えれば、読者に寄り添うのは部数を確保する戦略としては間違っていないのかも。ちなみの僕は親父の好みで朝日新聞を取っているが、新聞は新刊の広告と土曜日に掲載される書評欄しか読まない。メールで届く日経電子版の記事をアプリでたまに読むぐらいでそれ以外はほとんどテレビやfeedlyに集まってくるニュースとニュースアプリ。テレビは電源をつけておけば勝手に情報を垂れ流してくれるのでいまだに見ています。それ以外は能動的に興味のある情報を取りに行くことが多いです。気になったジャンルは書籍で体系的に学ぶようにしています。
特定の新聞を悪く言う場面も多く、気分を害する可能性があるため万人には進められないかも。冷静な目で彼らの言っていることにも一理あるという視座を持つことができる人にはおすすめです。
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