一生懸命受験勉強し、一流大学を出て、大企業で定年を迎える――。
こういうライフサイクル・モデルはもはや通用しない。生涯学習が求められる時代である。外資系企業はもちろんのこと、日本の企業でも即戦力を求めるところが多くなり、資格の有無で待遇を決める企業も出てきた。
こうした社会的背景に加えて、老化を防ぎ、精神・肉体両面の健康を保つ上でも、勉強は重要だと和田秀樹は言う。「いまさら勉強なんかしても」と考えている人にとって、本書は社会人になってから学ぶことの重要性を理解させ、学習意欲を高める効果があるだろう。
できる人から学ぶ姿勢を
知識がいくらでもアウトソーシングできたり、ことばの翻訳や計算のようなテクニカルな問題はツールがクリアしてくれる時代になると、情報処理能力や問題解決能力や背景情報の理解が重要になってくることに加えて、わからないことを聞くとか、どこに聞きにいけばいいかを知っているという、情報処理のための情報収集能力のようなものが重視されることになる。
情報が氾濫する時代、知識を持たない人でも、比較的簡単に最新の知見を得る事ができる。そうした中でも、わからない事はできる人から聞く姿勢が大事になってくる。なんでもググれば回答が得られる時代だが、ググっても理解がその説明レベルに達していない場合がある。そうした場合は素直に聞く姿勢が大事になってくる。
できる人のノウハウをどうモノにするか
お金や時間を惜しまず、「できる」人間、あるいは「できる」人間のテクニックに近づくことだ。これは凄いとか、こういうふうになりたいというモデルがいれば、その人の著書やセミナーに自分から近づくことだ。私自身も経験していることだが、著書というのは、何とか売りたいと思うことや、自分をよくみせたいと思うこともあって、意外に正直に自分のもっているノウハウをさらけ出してしまうものだ。成功者の著書など、自分とは無縁だと決めてかからずに、多少なりとあやかりたいところがあれば、それを買って読んでみる価値はある。本一冊一〇〇〇円から二〇〇〇円という金額は、いくら不景気とはいえおそろしく安い投資である。評判のいいセミナーを聞きにいくという手もある。受験生の間では、有名講師の古文や数学や物理の講義を聞いてわかるようになってから、苦手と思っていた科目が飛躍的に伸びたなどという話はざらにある。こういうことは、他の世界にも必ずあるはずだ。たとえば司法試験の世界でも、私が非常に注目しているセミナーがある。ちょっとみただけでもカリキュラムはおそろしくよくできているし、理解させるテクニックもすばらしい。おそらく、パソコンの世界でも、起業家の世界でも、「これは目から鱗が落ちる」というセミナーは存在するはずだ。
ノウハウはネット上に無数に転がっている昨今、ネットでも無料の情報で知識を得る事は可能だが、有料の書籍などにも目を向けた方が良い。そのジャンルの知識を体系的に学習できるという点で書籍は今でも効力を持つと思います。書籍以外でも有料の情報を発信する人も多いのでそれらを購入するといったことも有効だろう。しかし、〇〇のノウハウ教えますといった情報商材の中には粗悪なものが多いのも事実。有名なブロガーやユーチューバーが販売しているものでも効果がない(情報が古い)ものも多く見受けられる。そのノウハウに関する情報で成功した人がいるかどうかも選択する際に注意した方が良い。
独創性幻想にとらわれないほうがいい
これまで、アメリカなどでは、さまざまな形で天才や独創性を育てる教育が試みられたが、現在のところ有意に有効であると証明された教育方法はみつかっていない。実際には、独創性を創り出したり、育てたりというより、むしろ、得意な分野についてはハイレベルなカリキュラムを与えるであるとか、ユニークな、時には風変わりなアイディアや意見を押しつぶさないだとか、あるいは一つの問題に対して可能な限りさまざまな形で答えを用意させるなどということによって、もともと独創的な人間の独創性を引き出したり、壊さないということに主眼がおかれている。私自身は、独創性幻想にあまりとらわれないほうが賢明だと考えている。すなわち、実際には人があまり考えないことを考えるだけで十分独創的だと考えている。つまり、たとえば、みんなが、これからは日本も、ITの時代だと考えている時に、これまで強かった製造業でやっていったほうが賢明ではないか、高齢者が多いという特性を活かして世界の高齢者産業のリーダーになれるのではないかとさまざまな可能性を打ち出すことができれば、それで十分に独創的なのである。
学校教育などでもこれからは独創性を育てるカリキュラムが組まれていくことだろう。しかしこの独創性の厄介なのは、そうした教育で身につくかどうか、懐疑的なところだろう。独創性は大事だが、それにとらわれすぎると、かえって逆効果になる場合も。
大人になってからの勉強は自由だ。資格試験にしてもなんにしても、自分の興味がある分野について勉強するわけだから効果は高いだろう。学生の頃に苦手だったりして頭に入らなかった勉強も好きこそ物の上手なれじゃないけれど、大人にとっては一つハードルが少ないように感じる。
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