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『僕たちはもう帰りたい』さわぐちけいすけ

例えば…
・なぜ無意味な残業に付き合わされる?
・「板挟み」状態をどうすればいい?
・上司の無茶振りにどうやって対処する?
・なぜうちの会社は効率が悪いんだ?
・妻でも母でも社員でもない私の時間が欲しい
・何を最優先にすればいいんだろう?
・自分の居場所は本当にここなのだろうか?

「もう帰りたい」と願う理由も…年齢も…性別も…立場も全く異なる…これから始まるのはそんな人々のお話。

みんな早く帰りたいと思っている

自分のやるべき仕事は終わったのに、先輩や同僚の「もう帰るの?」という目線が気になり、ついつい付き合い残業をしてしまう‥‥そんなことってありますよね。でもその目線は、誰もが「早く帰りたい」と思っている何よりの証拠なのかもしれません。冷たい目線を感じて勝手に気まずくなる前に、「どうして帰れないのか、何が大変なのか」をコミュニケーションしてみる。会社という組織には、案外「なんだそうだったのか」と言えるようなすれ違いがたくさんあるのではないでしょうか。

確かに上司や同僚が残業していると目に見えない圧みたいなもので、なかなか帰りづらいものだ。でも上司や同僚と残業についてコミュニケーションをとったことはあるだろうか?意外とないのでは?みんな早く帰りたいと思っているという発想の転換で、コミュニケーションをとってみると、案外簡単に解決の糸口が見えてくるのではないだろうか。仕事の割り振りを考え直して、皆が同じくらいの仕事時間量に調整することだってできるだろう。お酒の席でもいいのでぜひ労働時間についての考え方や問題解決策についてコミュニケーションをとってみることをお勧めする。

策略を練るのもありかもしれない

仕事でしばしば発生する「板挟み状態」。上司とクライアントで意見が食い違ったり、部長と課長の言っていることが矛盾していたり‥‥。それらの間に入って「うまくやる」ことって本当に難しいですよね。もしそんな板挟み状態になってしまったら、その仕事の目的や達成したいこと、自分が正しいと思うことを冷静に考え直してみる。そして、それを達成するための「策略」を考えてみるのも一つの手なのかもしれません。自分の意見を通すための方法には、意見を感情のままぶつけるよりも効果的なものがたくさんあるのだと思います。

仕事において、板挟みになることはよくあること。僕も直属の上司と本部の意向が異なって板挟みになったことがあるが、その時は現場をよく知る直属の上司の意見を取り入れ、結果、数字を出すことで本部ともうまくやっていくことができました。自分が正しいと思うことで結果を出せれば自信にもつながるのでお勧めします。

「謝る」よりも大事な具体的な解決策

「残業はしないでほしい、でも成果も出してほしい」。上からの無茶ぶりに応えるために、身も心も削ってはいませんか?そして、その重さを自分だけで背負い、後輩にも上司にも家族にも謝ってばかり‥‥。似た状況にある人も多いのでは。売上と労働時間を気にしながら、家族も大事にするーー。全てを一人で抱えるには限界があります。そもそも、だからこそ部署や家族といったチームがあります。一人で抱え込むのではなく仲間を頼ったり、そのままの状況を打ち明けてみることから具体的な解決策が生まれるのかも。その中に「諦める」という選択肢もあっていいのでしょう。

日本では残業の文化が根付いているので、ここ最近の生産性を上げろという要求がなかなかの重しとなっている場合も。職場環境も僕が働いていた頃とは違い随分効率的になっている会社が多いのではないだろうか。ここでも問題解決策は仲間とのコミュニケーション。僕はこれが苦手でした。それが原因で統合失調症を患い会社を辞めざるを得なくなりました。

辞めるきっかけはそこら中に転がっている

非効率で理解できない会社のルールや仕組み。会社をよくするためにと思って出した効率化の提案も、古い考えを持つ上司にすぐ却下され、どんどん提案する気が失せてくる。そして、いつのまにか「無理なんだ」と諦めてしまう‥‥。もちろん諦めることも一つの手ですが、それではいつまで経っても自分が幸せになれません。上司は「あいつはどうせ辞めない」と思っているから本気で話を聞いてくれないのかも。「次に提案を却下されたら辞めてやる」というように、きっかけは待つものではなく、自分でつくるものなのでしょう。今居る場所だけが自分の居場所ではないことを忘れてはいけないのだと思います。

幾度となく日々の仕事に関して進言しても却下され続ければ、だんだん萎えてくるというのはわかる気がします。そんなネガティブな感情を同僚との飲みで愚痴ることで解消しようとする人も多いのでしょうが、会社の体質が変わらなければ諦めて迎合するのではなく、転職も視野に入れてみるのも良いでしょう。世の中には無数の会社があるので、自分に合った会社が見つかるかもしれません。

みんなが思っている「僕たちはもう帰りたい」という思いを面白おかしく漫画で描いた作品。職場あるあるが共感でき、しかも漫画なので読書が苦手な人にとっても読みやすいです。お酒を飲んで愚痴るのも良いですが、この本を読んだら僕だけじゃないんだという安心感が生まれます。

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