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『破天荒フェニックス』田中修治

2008年2月。小さなデザイン会社を経営している田中修治(30歳)は、ひとつの賭けに打って出る。それは、誰もが倒産すると言い切ったメガネチェーン店「オンデーズ」の買収―。新社長として会社を生まれ変わらせ、世界進出を目指すという壮大な野望に燃えていたが、社長就任からわずか3か月目にして銀行から「死刑宣告」を突き付けられる。しかしこれは、この先降りかかる試練の序章に過ぎなかった…。

絶対に倒産すると言われたオンデーズの社長になった

「新店舗を出すのは、なにもこの1店舗だけじゃない。これはあくまでも始まりだよ。オンデーズは現在 60 店舗にも満たないが、1年後には100店舗を達成する。チェーン店として生き残っていくためのバイイング・パワーを持つためには最低100店舗までは店舗数を増やさないと絶対にダメなんだ!」新規出店に続いて、一気に100店舗にまで店舗を増やすという計画を突如聞かされた幹部たちは、更に困惑した表情を見せた。「前年は数軒しかオープンできていないのに、いきなり1年で四十数店舗って……」 「何考えてるんですか?そんな資金など逆立ちしたって出てこない!」幹部たちは次々に不安を口にした。僕は諭すように続けた。「新しいコンセプトのモデルを直営店で作ったら、そのノウハウを元にしてフランチャイズ展開をする。全国で加盟店を募って、店舗網を拡大するんだ。資金がない今のオンデーズが一気に売上を拡大して借入金の返済を楽にしていくにはそれしかない。ただし創業者の時に広げていた、いい加減なフランチャイズのやり方とは根本的に全てが違う。加盟店と本部、双方が、それぞれの役割分担をしっかりとして、戦略的に機能するかたちのパートナーシップ型のフランチャイズモデルを作るんだ!フランチャイズ展開を使って、早期に100店舗体制にする計画は、事前の再生計画として銀行にも提出して、理解は得ている。もう進んでいくしかないんだよ。その為にも、モデル店舗となるこの高田馬場店をオープンさせて成功させる必要があるんだ」

潰れそうな会社の再生を請け負った彼は、新店舗の成功を確信していた。その新店舗を足がかりに60店舗にも満たない現在の状況から1年後までに100店舗を達成するという。オンデーズの売り上げは20億。12ヵ月で割ると1億6000万円。1日換算すると530万円程度。それを現在の店舗数58で割るとざっくり9万円ぐらい1日の店舗の売り上げがそのくらいなのだからひとり当たりのもう1本メガネをうることができれば大いに売上高が上がることになる。無理な目標ではない。今の世の中ならSNSなどをうまく使えば1日1本多くメガネを売ることはさほど難しいこととは思えない。こうして再生の道筋が見えた。

店内のディスプレイを変更

店内には、天井まで届く特注の棚を入れ、メガネを圧倒的なボリューム感で並べた。店頭に並べた商品の数は1千本以上。20坪の店と変わらないので選ぶ楽しさは十分なはずだ。店舗の外壁に取り付けた巨大看板には「メガネ一式 5000円!」とデカデカと表示し、価格の安さもアピール。店内にはノリの良いEDM系のクラブミュージックを流した。物件の申し込みからオープンまでの期間は僅か1ヶ月半。再生の為の全体の事業構造の見直しも行いつつ、不眠不休で全てを同時進行させながら新店舗の準備を進めていった。

店内でEDMを流すなんてちょっと時代遅れというのは置いといて、店舗の外壁に取り付けた巨大看板の「メガネ一式 5000円!」はインパクト大だった。メガネを買ったことがあるヒトならわかるだろうが、好みのフレームを選んで、レンズも薄型のものを選ぶと軽く5万を超えてくる。それが量産型とはいえ5000円でとなれば食いつく人は多いだろう。メガネは高価なので一度買ったらそのメガネをかけ続ける人が多い。それを安価にすることで、2本目、3本目を買う余裕ができる。ファッションに合わせてフレームの色を変えたり形を変えたりといった使い方を提案できるように。メガネ屋が身近になった瞬間だ。

薄型レンズ0円の衝撃

薄型レンズ0円の開始以降、前年対比で売上120%超えは当たり前。中には180%アップの数字を叩き出す店舗も続出していった。お客様からもスタッフからも支持された手応えを僕は全身で感じ、新料金体系への移行が完全に成功したことを確信した。こうして僕たちオンデーズは、薄型レンズ追加料金0円という最大の武器を手に入れると共に、「シンプル プライス」というブランドコンセプトを改めてしっかりと打ち出して、ジェイムズの猛攻を凌ぎながら、力強い成長軌道へと乗っていったのだった。

最近では当たり前となった、薄型レンズ追加料金0円という価格。その影響は大きく前年を大きく上回る売り上げに。

絶対に倒産すると言われたメガネ屋を再生に導いた物語。物語調になっているので読みやすいビジネス本?になっています。小売をやっている人たちにはこの物語が刺さってくると思う。

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