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世界は大きな変革期を迎えているが、世界の未来は日本次第!?

世界は大きな変革期を迎えている。2014年に発生したクリミア問題、いわゆるイスラム国(自称)問題、ギリシャ問題で再び表面化した欧州の対立、原油価格下落をめぐる鬩ぎ合い、中韓の断末魔……。「ワンワールド化」するかと思えた世界は、再び対立と調和の世界へと変化を始めたのではないか。また現在、リーマン・ショック後の混乱により、世界は「金融主導型社会」から「実体経済主導型社会」へと変化しようとしている。この「実体経済」を支えるうえで肝になるのが、モノをつくる技術、人材、文化だろう。その点、日本は世界を主導できる立場にある。実際、本書において両著者は、多様な知見と分析により「グローバル経済は日本なしでは動かない」と断言する。本書は、「難しいだけで役に立たない経済学」の本ではない。超円高を乗り切った日本と日本企業が進むべき道、これからの世界と日本の見方、各問題に対する解決法など、「生きた知恵」が満載。

いよいよヤバイ韓国経済

サムスングループの持ち株会社と見られる第一毛織が上場しました。後継者である長男の李在鎔・サムスン電子副会長が支払うことになる総額六兆~七兆円に上る相続税対策だと見られています。いずれにしてもサムスン電子は、円安・ウォン高によって価格競争力が日本メーカーと逆転したことと、新型機の「ギャラクシーS5」が売れずに不良在庫を大量に抱えています。さらに、先に触れた小米や華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などの中国メーカーに下位マーケットを取られ、上位マーケットはアップルの「iPhone」に席巻されるという形のサンドイッチ状態に陥っています。華為技術のスマートフォン「X3」が韓国市場で話題になり、販売店に長蛇の列ができたという報道もあります。とくに最近、世界市場における韓国製品の競争力低下が著しく、携帯電話に限らず広い分野で中国企業にキャッチアップされはじめています。昨年十二月九日付けの韓国・中央日報電子版は「韓国主力産業8部門中6部門で中国に追い越される」と題し、スマートフォン、自動車、造船海洋、石油化学、精油、鉄鋼の六部門で、中国企業が韓国企業の世界シェアを上回ったことを報じています。

ギャラクシーS9とS9+のCMを今まで以上に流すことで起死回生を狙うサムスン。絞りを自動で変えてくれるカメラなどが注目の機種だが、Apple製品びいきな僕には刺さらない。ここにきてHUAWEIなどもライカのレンズのカメラを搭載するモデルのスマホを投入するなど、中国メーカーにも下位マーケットを取られる始末。いよいよ韓国国内は厳しい経済状況へ。スマホに限らず自動車など六部門で、中国企業が韓国企業の世界シェアを上回ることに。国の規模から考えてもこれからは韓国は厳しい立場に追いやられるのは必死。

サムスン電子に引き抜かれる日本企業の技術者もいるようだが、転職の際、手土産として持ってきた技術を手にしてしまったら、そのあとは保証があるわけでもなんでもない。そこで成功しなければ、転職先で不要になった社員は行き場がないという状態に(一度裏切って日本の技術を海外に流出させた経緯があるため)。

日本国内ではどうか?やはりスマホなんかを見ていると、外国企業に押されがちなのが見て取れる。かろうじて自動車産業が輸出の優位で潤っているが、自動車産業に従事する人全てが潤っているわけではなく孫請けのような部品納入業者は部品を買い叩かれている現状もある。フェアトレードの概念が国内でももっと浸透するべきだと思う。株式会社は株主のものであるというアメリカ的な考え方が蔓延しつつあるが、企業は従業員のものでもあることを経営者は理解するべきだ。

日本なしでは動かないグローバル経済

先進国を中心に広がる格差問題を引き起こすのはグローバリゼーションです。しかし、グローバリゼーションを抜きにした世界経済はありえません。その流れに逆らって、日本が反対の立場に舵を切ることはできないのです。

渡邉  グローバリゼーションの捉え方にも問題があるかと思います。たとえば本当の国際人かどうかを見極める意味で、戦後日本の復興と独立のためにGHQ(連合国総司令部)との折衝に奔走した白洲次郎を、グローバリストと認めない人はいないでしょう。

長谷川  白洲さんは敗戦国の存亡を背負って交渉にあたる使命感を持ってアメリカと対峙し、ミッションに成功しました。地に足が着いた「グローバリストの 鑑」です。いちばんの好例が皇室典範。厳密に解釈すれば、日本国憲法における男女平等の原則に反する皇室典範を、白洲さんはGHQにどうやって認めさせたのか。彼は、「アメリカの鉄道王の一族であるヴァンダービルト家にもファミリー・ローがある。皇室典範もまたファミリー・ローの一つであり、一般国民を律する憲法とは違う立場で見るべきだ」と訴えたのです。マッカーサーはヴァンダービルト家を知っていたので、ファミリー・ローの概念を理解し、皇室典範を受け入れたのです。

日本国内では流通網が網の目のように張り巡らされているため、僕たちはネットショッピングをストレスなく扱うことができる。国内ならどこの名産品であろうとも、首都圏の百貨店やアンテナショップで手に入れることができる。以前のように景気が良くないのは明らかだが、みんな使うところにはお金を使っているというのが今の日本の印象だ。

ビジネスは「B to B」から「B to G(企業と行政)」へそしてメルカリなどの「C to C」にまで広がりを見せている。そんな時代だからこそ世界の今を知っておくべき。まだまだ日本は世界の未来に一枚噛めると実感できる書籍。

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