グローバル化やIT化が進展し、雇用環境が不安定化していくなか、日本国内だけで通用する能力では将来生きていけません。特に20代、30代のビジネスパーソンは、世界のどこでも通用する人材となるべく、今から何らかの打ち手を講じておくべきです。本書では、元外交官で現在はグローバル人材開発に携わる著者が、情報収集の方法からその読み解き方、日々の仕事の仕方や人間関係の作り方、さらには余暇の過ごし方まで、すぐに実践できることを具体的に紹介・提案します。ガラパゴス化したあなたを世界に通用する人材に変える「5+1」の習慣とは?
世界のことが分からない
日本国内のテレビや新聞などのマスメディアでは海外情報はいったいどの程度の比重を占めるでしょうか。米国のスタートアップ企業の新サービス情報やそのイノベーションの背景、海外企業同士の大型合併、中東の紛争‥‥。海外では大きく報道されていても、日本のマスメディアではあまり大きくは報道されないニュースはたくさんあります。日本で報道されるニュースは、主に以下の3つに分類できます。第一は、日本国内のニュースです。国内の政局や事件、スキャンダル、芸能人のゴシップ、日本企業の業績や新たな商品サービスの開始など、私たちが触れるマスメディア情報の多くがこれに属します。第二は、日本と海外が関係するニュースです。たとえば、日本外交関係や日本企業による海外企業の買収などがこれにあたります。第三は、日本が言及されない海外のニュースです。海外の大統領選挙、海外企業同士の買収などです。
日本のマスメディアによる報道だけを見ていたのでは、確実に情報格差が生まれる昨今。海外で新たなサービスが生まれてもニュースになるのは黒船として日本にやってきた時とかなりのタイムラグがある。AmazonやGoogle、Appleなどの新サービス、新商品については日本においても注目度が高いのでニュースになりやすいが、スタートアップ企業の新サービスや商品などについては、独自にアンテナを張っていないとその情報を捉えることはできない。そういった背景から、日本人は世界のことが分からないガラパゴス的な思考回路が生まれるのだと思う。
様々なマスメディアを検証したところ、8割から9割が日本中心、日本起点の情報であり、世界のごく一部でしかない日本の情報が大半を占めるなど、情報が非常に偏っているのが日本の現状だ。世界で通用する人材になるためには普段から、日本のマスメディアによるニュースだけでなく海外にも目を向けなくてはならない。世界中のどの国でもビジネス取引が生まれる時代にあっては、欧米の情報だけでなく、中東・アフリカ・中南米の情報にも注意を払う習慣をつけるとライバルに差をつけることができるだろう。
自分と違った立場のひとのSNS投稿を読む習慣
ソーシャルメディアは、自分と近い立場の人の情報に接する可能性を高めます。逆に言えば、自分と違った立場の人が何を考えて、普段どんな情報発信をしているのかを知ることは、情報の範囲を広げるとも言えます。
SNSは総じて、同じような立場や趣味嗜好を持った人と繋がりがち。僕もSNSは利用しているが、ツイッターはブログの告知のみで、Instagramが一番よく使うSNSだ。Facebookはいまいち使いこなせないと言うか、そのシステムが煩わしいので、だいぶまえに退会した。意識していないと同類の投稿ばかり見ることになり、それが心地よかったりするのがSNS。自分と違う人種の人間の投稿を見ることで「地頭力」が磨かれるのだと言う。
「インターネット時代だからこそ知識が重要」と言う認識が弱い
インターネットでほとんどの知識を得られるので知識を有することは意味がなくなったと言う意見をよく聞きます。これは日本だけでなく、世界中で言われていることです。単なる丸暗記は意味がないと言う程度意味であれば賛成です。しかし、知識は不要と言う意味であれば反対です。たとえば、イスラム原理主義者によるテロを考える際、イスラム教に関する知識がないと何も議論できないのは明白です。インターネットで短時間検索した程度では、正確、かつ深い知識を得ることはできません。原理主義的な考えを持つイスラム教との中でも、テロに走る人はごくごく一部です。そのことを知らないと、大きな偏見を持ってしまいかねません。
インターネットで多くの情報が得られる時代だからこそ、知識がますます重要になってくるのだと思います。様々な情報が錯綜する中でコアとなる知識を定着させるためにも、読書による体系的な情報収集が重要だと考えます。その際、そのジャンルで異端とされる書籍を読んでみるのもいいでしょう。自分と違う立場の著者の書籍を読むことも「地頭力」を鍛えるための良い習慣と言えるでしょう。
「地頭力」を鍛えるための習慣を身につけるため、どのようなことに目を向ければ良いのかが丁寧に描かれた書籍。良い習慣はあなたの10年後を大きく変える下地となります。『世界で通用する「地頭力」のつくり方』という題名ですが、その習慣はどれも日本国内にとどまっていても通用するものばかり。仕事や私生活でちょっと違った視点を持つことは重要だと感じる書籍でした。
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