ディズニーランドを題材にマクロ/ミクロ経済学さらに経営学など多様な視点から具体的な事例を体感し、経済学のおもしろさや研究することの楽しさを伝える。ディズニーの実際から経済学の基礎を学び、広げ、深めるための入門書。ディズニーランドという題材を使って経済学を体感するための教科書。大学で初めて経済学を学ぶ学生を対象にしており、経済学のおもしろさや研究することの楽しさを伝えます。
ゴミと割れ窓理論
ディズニーランドには道端に落ちているゴミが少ない。これは「割れ窓理論」を実践しているからだといわれている。「割れ窓理論」は米国の犯罪学者ケリング教授が唱えた説で、犯罪の起こる原因を説明したものである。この理論を応用してニューヨークの犯罪が激減したとされる(ケリング・コールズ,2004)。街の治安を保つためにはたった1つの「割れた窓」も放置してはいけないという理論だ。1つの割れた窓を放置すると、その近くの窓が割られる。割られる窓が増えるとビル全体が荒廃していく。それは街全体に悪影響を及ぼし、犯罪が増えるという連鎖が働くというものだ。
20年くらい前だと、犬のフンを処理せずほったらかしにするマナーの悪い飼い主や、タバコのポイ捨てなどは当たり前で、もっと過去に遡ると駅には痰壷などが設置してあり、痰を吐くという行為も日常的に行われていた。渋谷ハチ公前なんかは待ち合わせ中の人々がタバコをぽんぽん捨てるので凄まじい数のタバコの吸い殻が地面に落ちていたもんだ。今では早朝に清掃するので出勤時間帯になると綺麗になっているが、深夜は無法地帯のように今でも吸い殻で溢れていて嫌な気分にさせられる。ディズニーランドでも、清掃スタッフが常時お客の目につくように清掃活動をしているので、なんとなくポイ捨てがしづらい雰囲気を醸し出してゴミを減らしている。ポイ捨て禁止と張り紙を貼るより効果のある上手いやり方だと思う。
銀行預金と株価
銀行預金に預ける場合と、株式を買った場合の違いを比較してみよう。2015年のオリエンタルランドの株価は7000円で、400株以上持っていると株主優待としてパスポートが年間2枚もらえるので、280万円の資産を基準にして考える。手持ちに280万円の資金はあるとする。それを普通預金として銀行に預けると利子がつくが、現在は超低金利なので、預金の利子は0.02%である。1年間で560円の利子しかつかない。定期預金に預ければ多少は利子が高くなる。定期預金とは、一定期間預金の引き出しをしない条件のもとで解約する場合は手数料を取られるが、長期に預けておくと普通預金より利子が高くなる。300万円未満で10年間預けると利子は0.10%となり、1年間で2800円の利子がつく。いっぽう、オリエンタルランドに280万円投資すると、配当金が1株当たり35円もらえる。年間1万4000円で、これだけで預金利子よりも大きい。さらに株主優待券が付く。1年間で1デーパスポート2枚だ。2015年4月以降パスポートは6900円なので、1万3800円分得することになる。
しかし、いくら配当や株主優待による恩恵があるとはいえ、投資には常にリスクが伴う。株価が下がれば資産は目減りしていくしそれを指をくわえて見ていなければならないことも。当面動かすことのない、余剰資金で株式を運用するのが良いかと思います。間違っても、信用取り引きなどに手を出さないように。レバレッジをきかせて取引すると多くの利益を生む可能性もありますが、誘惑に駆られたら、株式投資でコンスタントに儲けている人は10人に1人程度だという真実を思い出しましょう。
高品質サービスによるリピーターの増加効果
ディズニーランドはリピーターが多いことで知られている。顧客満足度調査のうちロイヤルティ(将来の再利用の意向)のランキンングでは、上位に位置しリピーターの多さが伺える結果になっている。リピーターを増やす1つの原動力は質の高いサービスとなるが、そこで参考ななるのが「グッドマンの法則」である(ジョン・グッドマン,2013)。この法則は顧客がある商品やサービスに不満を持った時にどのような態度をとるかを説明したものだ。クレームにどう対処すれば良いかの指針を与えてくれる。
グッドマンの法則
- 不満を持つ顧客のうち、クレームを申し立てる人よりも、商品を二度と買わない、という行動に出る人の方が圧倒的に多い。
- 不満を解決できると、再購入する比率が高まる。
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身近なディズニーランドという題材で経済を勉強しようという、学生向けの副教材テキストのような書籍。小難しいことは一切なく経済学をこれから勉強しようかなという人にはうってつけの書籍となっております。
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