エドガー・アラン・ポーを師に「統計探偵」が真実に迫る!統計データが浮かび上がらせる日本社会のナゾと不思議。統計データは人々の認識のズレや固定観念の落とし穴も明らかにする。日本の女性はなぜ、どんどんキレイになっているのか? 貧しい時代の代名詞、「エンゲル係数」はなぜいま上昇? 「日本階級社会化」説はなぜ間違いなのか?――などなど、統計探偵が日本社会の変化を統計データをもとに明らかにする。統計リテラシーがグッと上がる21のエピソード。思いがけない日本社会の本当の姿が浮かび上がってくる知的エンターテインメント。
いつから男子は淡白になったのか?
「草食男子」という言葉は、2006年10月にコラムニスト深澤真紀氏によってはじめて使われ、08〜09年には流行語となった。現在では、この用語が示す行動パターンは若い世代で一般化しており、恋愛に淡白な若者を見て「草食男子だなあ」と感じる年配者が私を含めて多くなっていると思う。いまや少子化の一要因として、この草食化を挙げる意見も簡単には否定できない説得力を持っているといえよう。
バブルの時代を経て、若者男子の草食化が2000年頃から本格的に進行し始めたことがデータから読み取れる。同じような軌跡を辿ったデータはないかと比較対象を探していると、たんぱく質の摂取量と相関関係があることに気づく。淡白になったのはたんぱく質が足りないからというダジャレのような結果に。実際のところどうなのかは微妙だが、筋トレする人を見てみると、筋肉を効率的につけるためにたんぱく質を摂取する人が多く、筋肉=肉食化という図式も当てはまりそうだ。
若者がなぜ草食化したのかという問いには、モデル体型を目指す男子が増えたことにも要因はあるような気がする。僕らが学生時代は、そこまで痩せることにこだわった男子は少なかったように思う。ファストファッションが若者たちのファッションに影響を与えるようになり、より安価で洋服を楽しめる世の中に。どうせオシャレするなら、モデルさんのようにスタイル良くというのが男性にも浸透してきたからではなかろうか。ただ痩せるだけから最近では筋トレをして、シックスパックを目指す男性も増えたため、結果テストステロンが分泌されより肉食化するなんてこともこれからは起こりそうだ。
日本人の栄養摂取は1972年の2,279kcalから2011年の1,840kcalへとおよそ2割も減少しているという。食の細い高齢者が増えたためとも見て取れるが、年齢別の動きを見てもやはり減少傾向なのだとか。僕も常時ダイエットしているので、1日の消費カロリーは1,769kcalを目安にレコーディングダイエットをしている。運動量少なめだとこのくらいがちょうど良いのだとか。
もし少子化が若者の草食化が原因とするのならば、まずは食生活の意識を変えないとダメそうだ。ジャンクフードばかり食べていないで肉や魚をしっかり摂る習慣を身につけさせて恋愛にも肉食傾向を強めになればと思います。
食生活以外でも、非正規雇用が増えたせいでお金のかかる恋愛に及び腰になってしまうといった側面もあると思う。女性と付き合うとデート代が捻出できないとかいう経済的な面から消極的になる男子も多いのでは。
2倍以上になった家計の通信費負担
地球規模でコンピューター、スマートフォン(スマホ)が普及し、インターネットを介してこれらの端末がつながり、世界中が急速にネット社会化しつつある。日本の経済や社会にも、さまざまなところで、社会のネット化による思いもかけない影響が表れている。ここではまず、最も分かりやすい影響として、家計における通信費の増大をめぐるナゾを究明しよう。最初に、通信費の変化を示すデータとしてよく引用される家計調査における通信費の割合の上昇を見てみよう。家計支出の「通信費」としては、固定電話料金や郵送料なども含まれているが、いまや携帯電話代(通信量と機器代を含め)が大きいことはいうまでもない。1990年代前半までは約2%だった通信費が2008年には4.7%と2倍以上になっている。
多くの場合スマホ本体の代金と、通信費によって通信費が増大しているのだ。僕の場合も例外ではなく、スマホと光回線、レンタルサーバー代で支出の14%も占めている。ネット環境がなくなったらほぼ存在価値なしという感じ。通信費の増大は、訳も分からず、携帯ショップの店員さんに言われるがままオプションをつけまくった高齢者によってもたらされる側面もある。家計を少しでも見直そうと思ったらまず格安スマホにするべきかも。
統計データからさまざまな問題を紐解いていく書籍。男子の草食化から始まり、徹底したデータチェックで日本の不思議に迫ります。読み手によってさまざまな側面を見せる統計データの取り扱いには注意が必要だと改めて思った。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
【本が好き】https://www.honzuki.jp/
【シミルボン】https://shimirubon.jp/