様々な集まりで名刺をかき集めてもそれが有効な繋がりかどうかはそれを活用できるかで決まる。ただ集めた名刺の場合9割は無効なものとなってしまう。人付き合いが苦手な人のための、ネットを使った出会う技術。
大学生の事例
残念ながら、「好きなものごとがない」「毎週ブログ記事を書くネタがない」「1年もブログを続けられない」という学生が大半です。やる気も根気も必要なので、春先には100人近くいた受講生が、前後期1年を終える頃には 10 名前後に減ってしまうのです。寂しいことに、あまりの完走者の少なさに、前後期にわたってブログを書き続ける「ブログ起業論」は2014年度を最後に終了しました。今では私が敬愛する元気なビジネスパーソンのお話を聴くだけの「ベンチャービジネス論」に形を変えたのです。そんななかで受講生の平井佑樹さんは、2012年度の「ブログ起業論」完走者のひとりです。私の講義は商学部の3、4年生が対象で、平井さんは3年生のときに受講してくれました。受講時のコメントを読み返しますと「悩んだすえ、受講を決め(中略)実家が日本酒の酒蔵で、将来は継いで会社を大きくするのが自分の夢です」とあります。立ち上げたブログを見て知ったのですが、平井さんは、岩手県最古の酒蔵「菊の司酒造」の十六代目となる後継者でありました。しかし第一印象は、表情は硬く、ときには視線も口調も挑戦的。一言で言えば典型的な「素直でない学生」だったのです。そこで、私も平井さんは完走せず、きっと夏までに講義に出なくなるだろうと思っていました。ところが気がつけば、どの学生よりも熱心にブログ記事を発信し始めたのです。社会人ゲスト講師とも少しずつ交流し、蔵元が集うイベントのボランティアスタッフとしても活躍するうちに、みるみる表情も柔らかくなり、素直な人柄に変わりました。
ブログはオワコンだと言われて久しい。しかし趣味で続けるなら特に問題なく運用できるし、お小遣いを稼げる。特に読者に有益な情報を持っている人ならまだまだ稼げる。しかし最近はブロガーからYouTuberに移行する人が増えているというか、ブログ×SNS×YouTubeというスタイルがスタンダードに。発信するなら否応なしに動画の可能性を突きつけられる。動画は目で見て耳で聞くメディアなので色々と表現しやすい。映像表現に興味があるなら一度チャレンジしてみると良いだろう。僕は試しに自撮りで撮影してみたけど、あまりに滑舌が悪くカメラの向こうの人々に語りかけるにはちょっと問題があったので、自分が出てこないちょっとした動画で我慢。動画編集は未知の領域だったが意外とやってみると面白いのでお勧めです。
ブログとSNS
平井さんは社会人となった今でもブログやSNSを続けています。それらは「講義の課題」ではなく、平井さんにとっての「拡声器」になったのです。自分が物申したいときに、ブログやSNSを使い分けて自在に更新しているようです。ネット記事更新は、仕事の合間の 10 分ほどのスキマ時間で十分足りると言います。平井さんが、受講しているときに作成したブログは、「國酒道」という堅いタイトルで、誰もが知っている有名酒蔵の名酒や、日本酒の飲み方を紹介するものでした。読者のため中立公正にと考えつつ、後継者としての自信や覚悟が足りなかったのかもしれません。ところが現在のブログは見違えました。過去の記事も引き継ぎながら「俺の酒ログ」と改名して、家業のブランド「菊の司」を堂々とPRしています。タイトル画像にもプロフィールにも、優しい表情に変わった平井さんの笑顔が使われています。今年も、日本酒のイベントの打ち上げで、平井さんと歓談する好機がありましたが、ネット上の笑顔の通り、ひと皮むけた立派な後継者の姿を見て頼もしくなりました。心がけを変えれば、おつき合いも変わります。最近の記事を見れば、人気テレビ番組「酒場放浪記」の吉田類さんの取材も受けたと書いてあって嬉しい限りです。このまま情報発信を 10 年、 20 年と続ければ、きっと十六代目の平井六右衛門として、地元のみならず日本で、世界で、認められるようになるでしょう。私が目にした数多くの成功事例から、象徴的な3人の若者の事例をご紹介しました。いかがでしたでしょうか?これからご紹介する「心・技・体」の鍛え方、ネット時代のコミュニケーション手法を使って出会いの場を広げ、「すぐやる」「やり抜く」覚悟さえあれば、きっと新たな人生が展開することでしょう。それでは早速、トレーニングを始めましょう。
今、第一線で活躍しているブロガーやSNSの有名人は過去、地道に記事やツイートを定期的に繰り返してきた人。その積み上げが今の地位にあるわけで、その傾向はこれからも一緒。僕の場合はというと5桁稼ぐまでに3年かかりました(書評ブログは儲かりませんww)。その間には様々なトラブルもありました。そうやって少しずつ発信することが日常の習慣に。今は毎日投稿しないと気が済まないように。
SNSを積極的に運用すれば、フォロワーは自然と増えるように感じます。その繋がりを大事にすれば人生を変えてくれる出会いもあるかも。ネットで広がる知的コミュニケーションの恩恵をフルに享受しましょう。
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