話している最中に、ふと相手の表情が変わったことに気づき、「退屈しているのかしら?」「わたしの話が面白くないんだろうか?」と不安になり、自信を失う。人から大声で何か言われると、「何かミスしたのかしら」と叱られているような気になり、動悸が早くなる‥‥。「小さなことでクヨクヨする」のは性格ではなく、HSPという「気質」が原因である可能性が。危険に満ちた世界の中で、人類が2割の人に託した能力とも言えるでしょう。そんなHSPを詳しく紐解いていきましょう。
HSPとは?
HSPとは、(Hoghly Sensitive Person)の頭文字をとった言葉で、日本語に訳せば、「とても繊細な人」、一般的には「とても敏感な人」と言われています。どの社会にも15%から20%の割合で存在し、人類だけでなく猫や犬、昆虫など、あらゆる生物が生き延びるために必要な「気質」だと彼女は提唱しています。
5人に1人の割合で存在するHSP。僕もこれに該当するのではないかと思い、詳しく知るために本書を購入。僕の場合HSPである前に、統合失調症という特殊な疾患を持っていて、こちらは100人に1人と言われています。敏感であることは他の人が感じない「危険」を察知してそれらを避ける行動を本能で行なっているとも考えられます。「敏感さ」ゆえに、「うつ病」と思い込み精神科や心療内科を受診し、似た症状から「うつ病」と診断され薬をあ処方される人も少なくないでしょう。増え続けるストレスやいじめHSPが自分の気質と知らないまま悩み苦しむのは辛いものです。HSPのことをより多くの人に知ってもらうことがパワハラやモラハラが横行する社会では必要不可欠だと思います。
自分への否定的な評価が実際に聞こえる
電車の中で化粧をしている女性を見かけたことがあります。「ようやるわ、化粧は家出してくればいいのに」と思いながら、気になって目をそらせずにいると、その女性がこちらをチラと見て、「うるせえんだよ!」確かにそう聞こえたのです。私はびっくりして周囲を見回しましたが、皆何事もなかったように表情ひとつ変えていません。隣に座っていた妻を見ても、彼女も前を見て座ったままです。「ああ、また聞こえたな‥‥」と私は思いました。何度か、こういう経験をしています。口にされていない言葉、それも自分への否定的な評価が、実際に聞こえてくるのです。
常に相手の思惑を忖度する癖が付いている人にありがちな、幻聴とはまた違う現象。幻聴の場合、ひとりの時でも聞こえてきますし、内容も訳のわからないものが多いです。僕の場合、この両方のケースに当てはまります。ある時、仕事場で通勤に使っていた自転車がいたずらされ、ブレーキのケーブルを切られていた時があります。その帰り道、危険なので坂道を自転車を押して下ったところ、見ず知らずのおばさんに「そうよね〜」とまるでブレーキが壊れているのを知っているかのような言葉を浴びせられたことがあります。また統合失調症の症状としては、 発作が起きて電車に乗って帰宅中、誰かにつけられているような気がしたので、撒いてやろうと、電車を一回降りて乗り直すといった行動をとったことがあります。その時にも変なおばさんに「逃げてちゃって」みたいな言葉をかけられました。実際につけまわされていたのかどうかはわかりませんが、統合失調症の症状と合致するようです。
音楽を聴き余計な情報をシャットアウト
フィギュアスケーターの荒川静香さんは、2006年のトリノオリンピックで金メダルを取りましたが、勝負に出る前、自分の緊張を緩めるためにある方法を取りました。iPodで自分の好きな音楽だけを聴き、前の人の成績など余計な情報をシャットアウトしたのです。そのため、自分のパフォーマンスだけに集中でき、見事金メダルを獲得しました。
HSPの人の中には作業をしながら、音楽を聴けないという人もいます。電車などの人の多い場所が苦手という人には騒音をシャットアウトする「ノイズキャンセリングヘッドホン」を音楽をかけずに使用するというのも効果的です。僕の場合もともと音楽が好きで、外出の際は必ずワイアレスヘッドホンを耳に当て周りの雑音が聞こえてこないぐらいの音量でiPhoneに入っている曲を流しています。最近『Beats Studio3 Wireless オーバーイヤーヘッドホン』というノイズキャンセリングヘッドホンがAppleストアで発売されたのので少し気になっています。
「寛解」を目指すのではなく敏感さをコントロールして毎日を過ごす
うつ病は寛解、つまり病状の軽減を目指しますが、「チョー敏感な人」は、敏感さをコントロールして、うまく使うことでより深く、意義のある毎日を送れるのだということを頭に刻み込んでください。
精神医療は寛解を目指すものが多いですが、僕も統合失調症として、幻聴や心配、妄想とうまく折り合いをつけて、コントロールしていくことが求められると感じています。幻聴は、訳のわからないものから、誹謗中傷、その逆など様々。聴こえるものとして処理することで納得するしかなさそうです。
5人に1人いると言われるHSP。自分がそうでないかと思ったら読んでみると良いでしょう。対処の仕方や心構えのようなものがわかり、この症状とうまく付き合えるよう導いいてくれる書籍です。
【サブスク】 Kindle Unlimited
僕が利用している読書コミュニティサイト
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