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「iPS細胞が医療をここまで変える」を読んで最新の知見を得る

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山中伸弥博士がマウスiPS細胞の作製成功を発表したのは2006年。iPS細胞を用いた再生医療や薬の開発は日本がリードしてきたが、各国の追い上げも急激に進んでいる。世界的競争が激化する中、日本はリードを守れるのか。ハーバード、スタンフォード、ケンブリッジなど世界の研究の最前線の現場をレポート。目が離せないiPS細胞の最新の知見がここにある。

本書の概要

序章ではiPS細胞とはどのようなものなのかを詳しく解説。第1章では京都大学iPS細胞研究所(Center for iPS Cell Research and Application: CiRA=サイラ)の研究活動や研究支援体制。第2章と第3章では、アメリカやヨーロッパ、アジアでどのようなiPS細胞研究が行われているかを概観。著名な研究者を訪ねインタビューした内容をルポルタージュ形式でレポート。第4章では幾つかの代表的疾患について、iPS細胞を用いた最先端研究を紹介し、世界の情勢を含め研究の進捗状況をまとめてある。

聞きなれない言葉だがサイエンス・コミュニケーションて何?

現状では研究費のほとんどが、国民の税金である。納税者に対してどのような研究に対して資金を使ったのか、またどういう成果が出たのか、説明する責任がある。研究成果を論文として発表する以外にも研究成果の情報発信が必要で、そこで登場するのが、広報やサイエンス・コミュニケーションのスタッフだ。研究成果をわかりやすく説明する媒体や方法を考え、最近では、インターネット上で受けられる講義システム(MOOC)を利用して、サイエンス・コミュニケーションのスタッフが、研究者に変わってiPS細胞研究の概要を紹介し、iPS細胞をよく知らない人に向けてもより興味を持ってもらうきっかけ作りをしている。

日本人科学者が欧米に留学しなくなっている

研究は国際的な活動だ。最新の研究などについての情報交換や新たなコネクションが生まれることによる共同研究など。

「日本も科学者が集まり、アイディアを共有できるような場であるべきだ」そうでないと、日本は研究において後れをとってしまうことになるだろう。

日本がリーダーシップをとれるかどうかは、日本が研究者コミュ二ティにおいても国際化を進められるかどうかにかかっているとも言える。

脳の病気と神経発達障害

ヨーロッパを代表する大学とも言えるこのカロリンス研究所でも、iPS細胞研究は行われている。同研究所の准教授であるアンナ・フォーク博士の関心は「脳」。滑脳症やダウン症、統合失調症など様々な脳の病気と神経発達障害を研究しているという。統合失調症の研究が進めば、僕の「幻聴」も治る治療ができるかもしれないが、過剰な期待はしないでおくのが賢明だとこの本を読んで思った。

後半では、加齢黄斑変性、角膜の再生、視細胞の再生、パーキンソン病、脊髄損傷、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、アルツハイマー病、心臓病、筋ジストロフィー、軟骨の病気、FOP(進行性骨化性線維異形成症)、糖尿病、腎不全、肝臓の病気、血液の病気、がん等の研究には時間がかかるが、着実に研究が進んでいることを紹介している。

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