「一分間シリーズ」とシチュエーショナル・リーダーシップ®の生みの親で、著述家、大学教授、コンサルタント、ビジネストレーナーとしても世界的に知られる著者とマネジメント理論の大家、ウィリアム・オンケン・ジュニア。時間管理の第一人者、ハル・バローズの共著。
サルとは何か、「問題が起きました」と言って部下が相談に来るとき、必ずついてくるアレだ。「そういうときは用心したほうがいい。サルは部下の肩から、こっちの肩に飛び移ろうとするからね」とビルは言った。
サルは抹殺するか世話をするしかない。人のサルを預かれば、世話係を引き受けたことになる。その翌日、サルを預けたほうはあなたの顔を見て言うだろう。「昨日預けた例のサル(件)どうなってなす?」
こうしてあなたは人の仕事を代行する事になるのだ。
本著で度々出てくるこの「サル(件)」それをどうやって自分の元から預けてきた部下等に返していき、自分の時間を確保していくかについて事例を交えユーモラスに描いた作品。
サル(個々の案件)を部下に任せる
本気で人のためを思うなら、釣った魚を分けてやるのではなく、魚の釣り方を教えてやれということだ。部下の自立の機会を奪って、サルの世話を代わってやるのは余計なお世話でしかない。部下が自力で解決できることには手を出すなということだ。
序盤の文だが、これがこの本の骨格かと思う。後は物語になぞらえこれを実践していくプロセスが展開されていく。本来なら部下がやるべき仕事を引き受けると、そこに二つの役割が生じる。世話係と監督だ。こうやって増えたサルの世話に追われ自分自身の仕事が遅れるようになり、それが部下にブレーキをかけるようになり、他部署へのブレーキにもなる悪循環が生まれる。こうなってくると評判を聞きつけた上司がマメに報告を上げるようにせっついてきて、他のサルに構う暇はますますなくなる。こういった「上から降ってくるサル」や他部署の同僚の「横から跳んでくるサル」も元を正せば部下がよこす「下から登ってくるサル」の派生だ。
部下が自分たちでサルの群れ(プロジェクト全般)を管理し、その状況を時々チェックする程度になれば、プロジェクトの個々の案件(サル)に口を挟む必要はなくなる。自己主導型のマネジメントとなるのだ。
三つの時間をやりくりする
自分の仕事は自分で管理する方が気分もいいし、成果も上がる。ここまでで部下から手が離れた分、上司にあてる時間、ルーティンワークにあてる時間、自分にあてる時間の三つをやりくりする方法も書かれている。上司と部下の意見がいつも一緒なら、どちらか一方はいらない。上司の要望に賛成しかねる時は、上司の立場に立って考え「進言」する。上司に他のオプションを提示して、考えを変えるよう説得するのだ。最も価値ある時間は自由活動の時間で社内のニーズに沿って時間を使う。まずは部下にあてる時間を減らすことからはじめると良いとしている。
こういったビジネス書は働いてる時に読みたかった。仕事している時は時間をうまく取れずこういった本も一ヶ月に一冊読めばいい方だった。仕事を辞めて無職になってから読むようになったのは皮肉なもんだ。
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