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「 LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略」10年ごとに2〜3歳ペースで平均寿命が延びている

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年々平均寿命が延び、いずれは100年以上生きるのが当たり前の社会へ。いち早く長寿化が進んでいる日本は他の国のロールモデルとなれる。世界に教えられる立場にあるのだ。すでに日本の人々は、高齢者の介護や老後の資金計画など難しい問題に向き合い、対応し始めている。これからは、活力と生産性を維持して長い人生を送り、人生の途中で変身を遂げることの重要性を実証するという面でも世界のトップランナーになるべきだ。変化はもう始まっている。あなたはその変化に向けて準備し、適切に対応しなくてはならない。その手助けとなるのがこの書籍。

平均寿命は今後も伸びる

2007年に生まれた子どもの半数が107歳より長く生きると予想されているが、この数字はその後も伸び続けている。2014年に生まれた子どもの場合、その年齢は109歳だ。100年前の人が100歳まで生きる確率はごくわずかだった。いま8歳の子どもが100歳まで生きる確率はかなり高い。では、その中間世代はどうなのか?つまり、あなたはどうなのか?

現在の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳(2015年の統計)。端的に言えば、若い人ほど長く生きる可能性が高い。10年ごとに2〜3歳ペースで平均寿命が延びていることを考えると、2007年生まれの50%が到達する年齢が104歳なら、10年前の1997年生まれは101〜102歳でさらには、1987年生まれは98〜100歳で、1977年生まれは95〜98歳、1957年生まれは89〜94歳となる。僕は1974年生まれなので、特に大きな病気をしなければ95歳〜98歳ぐらいまで生きることに。

現在の平均寿命を元に大体老後にこれくらいかかると計算してもそれよりも15年も長く生きることに。国民年金部分は目減りし、企業年金もその頃にはだいぶ減っているだろう。65歳でリタイアし最終所得の50%の生活費で暮らしていくという計画も寿命が延びることでままならなくなる。100年ライフは世界規模に拡大し始めているのである。豊かな国がその時代の一足先に迎えるだけにすぎない。

三人の登場人物でこれからをシミュレート

  • ジャック 1945年生まれ
  • ジミー  1971年生まれ
  • ジェーン 1998年生まれ

[前提事項]

  1. 老後の生活資金:最終所得の50%
  2. 長期投資利益率:年平均3%
  3. 所得の上昇ペース:年平均4%
  4. 何歳で引退したいか:65歳

1945年に生まれたジャックは17歳で高校を卒業し、20歳で大学を出た。仕事を始めたのは先進国の黄金時代でエンジニアとして成功を収め62歳で引退。2015年70歳でこの世を去った。この場合42年の勤労期間に対し、引退期間が8年にとどまったためそれが好材料となった。勤労期間5年あまりで引退期間の1年分の資金を蓄えればいいことになる。ジャックは政府と企業の支援が充実してた上にゆっくりと時間をかけて貯蓄することもできた。

1971年に生まれたジミーは平均寿命が85歳。21歳で大学を卒業し、65歳(2036年)まで働いて引退するつもりでいる。そしてジャックと同様に老後の生活資金として最終所得の50%を毎年確保したいと考えている。ジャックと決定的に違うのは企業年金が受給できないこと。公的年金については最終所得の10%相当の年金が受給できるものとする。ジャックが65歳で引退するには毎年所得の4.3%を貯蓄に回せば良かったが、ジミーの場合17.2%も貯蓄に回さなくてはならない。必要な老後資金の確保はジャックに比べ厳しいものに。

1998年に生まれたジェーンは2016年に18歳の誕生日を迎え100年以上生きる可能性が高い。ジミーの世代よりも平均寿命が15年長いので65歳での引退を前提に人生を送るという生き方はお金の面から成り立たないことは明らかだ。引退後に最終所得の50%の生活資金を確保するには勤労期間に毎年所得の25%を貯蓄に回さなければならない。勤労期間を通してこの金額を毎年貯蓄することは不可能に近い。

こうしてみていくと65歳で引退というのが難しい時代に突入しているのがわかる。それに加えアメリカの代表的な株価指数であるS&P500を構成する企業の存続年数は平均67年で2013年この年数は15年に短縮しているというデータからも、せっかく苦労して入った大企業も倒産やリストラの可能性も考慮しなければならない。

柔軟性に富んだ「スマート・シティ」が台頭する

変わるのは、どういう企業で働くかという点だけではない。働く場所も変わる。いま私たちは、人類史上最も特筆すべき大移住を目撃している。それは、農村部から都市への人口移動である。2010年、世界全体の都市生活者の数は36億人だった。2050年には、それが63億人になると見られている。これは、毎週130万人が都市に移り住む計算だ。都市で暮らすこと、とりわけいわば「スマート・シティ(賢い都市)」に住むことを望む人が増えているのだ。この点は今後もおそらく変わらない。

一昔前までは都心の仕事場に郊外から通うというスタイルが一般的であったが、より通勤時間を減らして自分の時間を確保、通勤ストレスの緩和などをうたい都市部に高層マンション群が立ち並ぶようになってきた。そこには学校、コンビニやスーパーなど生活に欠かせないインフラまでもが内包され利便性が増している。

金融リテラシーの自己診断

Q1 あなたが銀行に100ドル預けていて、利息は年に2%だとする。預金を引き出さない場合、5年後にはいくらになっているか?

Q2 預金の利息が年に1%で、インフレ率が年2%だとする。1年後、あなたがその口座のお金で買えるものは増えるか、変わらないか、減るか?

Q3 「一つの企業の株式を購入することは、投資信託を買うより一般的に安全性が高い」ーこの主張は正しいか、間違っているか?

Q4 「15年物の住宅ローンはたいてい、30年物の住宅ローンに比べて月々の返済額は多いが、返済する利息の総額は少なくて済む」ーこの主張は正しいか、間違っているか?

Q5 金利が上昇したとき、債権の価格はどう変動するか?

この問いに全て正解できれば、あなたは金融リテラシーで上位4分の1に堂々と入れる。アメリカ人を対象とした調査では、全問正解した人はわずか15%にすぎない。Q1〜Q3なら、全て正解できる人も増えドイツでは50%、日本では25%の正答率だ。

金融リテラシーに関する5つの問いに関する答え

Q1 110ドルあまり。

Q2 減る。

Q3 間違い。

Q4 正しい。

Q5 下がる。

ちなみに僕はQ5がわかりませんでした。金融リテラシーで上位4分の1に入れず残念。お金にまつわる本をもっと読んでみようかな…。

それぞれの世代での働き方やライフプラン。100年生きると仮定すると様々な障壁を乗り越えなくてはならない。それが一番先に訪れるであろう日本では直近の課題として認識せねばならないことがわかる、ある意味ホラーよりも怖い書籍でした。

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