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「ルポ 貧困女子」見えづらい女性の貧困を可視化する

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2000年代以降、20代、30代の若者の3人に1人以上が非正規雇用という状態が続いてきた。若者を取り巻く雇用状況の悪化はそれに伴う貧困化と同時に広く認識されるようになってきた。メディアは、彼らを「フリーター」「ニート」「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」「若者ホームレス」などと呼び取り上げたが、その中にアラフォー、非正規、シングル、子供なしの「貧困女子」たちは入っていない。本書では様々な理由で気付けば崖っぷちとなった彼女たちにスポット当てていく。

雇用の非正規化

一九九〇年代初め、若年女性の非正規雇用率は一〇%台だったが、その後急速に高まり、現在では四〇%台に達している。さらに男女別で見ると、二〇一二年、若年女性(二〇〜二九歳)の非正規雇用率は四二%であり、男性の二八%に比べ、一・五倍という高い比率になっている。また男女の賃金格差は非正規雇用においても大きく、男性二二二万円に対し、女性は一四七・五万円と男性の六割程度に留まっている。(国税庁「民間給与実態統計調査結果」二〇一四年)。

こうした統計も出揃っていながら、若年男性に比べ、女性の貧困や雇用問題はスポットライトが当たらなかった。女性の場合「性産業が受け皿になっているのではないか」などと語る人も多いが、女性の場合、路上にいると性被害に会う可能性が高いため、シェルターや母子寮などに入所しやすいという事実もある。しかし、統計的にも女性が男性よりも恵まれているということはなく、女性の貧困は見えづらいだけで、むしろ女性の方が貧困率が高く、困難な状況にある。

家族という危ういセーフティーネット

年収二〇〇万円未満の若年シングル男女(四〇歳未満、学生は除く)の住まいに関する調査を実施した(有効回答数一七六七人)。そのうち四人に三人(七七%)は親と同居していることが明らかになった。就労形態を見ると、正社員は八%に留まり、無職三九%、パート・アルバイト三八%、契約・派遣社員九%、自営業・自由業六%と続く。

この結果からも親との同居が表向きにはセーフティーネットとなっていることがわかる。男性の場合は無職で実家暮らしだと「親の家があるから働かないんだ」とか「いつまでパラサイトする気だ」などと批判されるが、女性の場合「花嫁修行」「家事手伝い」という都合のいい言葉で片付けられることで一層貧困の実態が分かりづらくなっている。僕自身、無職の実家暮らしなので家族というセーフティーネットに守られている形になるが批判にさらされて肩身の狭い思いをしなければならず、女性は「家事手伝い」という言葉があっていいよなと感じたことがある(お恥ずかしいww)。

ブラック企業まがいの雇用契約

研修期間を経て雇用契約書に署名する段階になって初めて、給与に固定残業代が含まれていることを知ったのだという。固定残業代とは残業代をあらかじめ設定し、それを上回った場合も支払わないというもの。人件費を安く抑え長時間労働の実態を隠蔽するブラック企業によくある手口だ。

大手コンビニチェーンを数件経営するオーナー社長。しかし、そこで店長にならないかと誘われ正社員になると365日いつでも呼び出されいくら働いても残業代が払われない雇用形態何てケースも。学生は就職希望する企業がブラック企業かどうかを事前に調べ上げる情報力まで求められる時代に。ブラック企業までいかなくとも、新人を使い潰す企業は案外多い。新卒の採用は多いが過酷な労働を課しそれを耐え抜いたものだけ生き残るシステムをとる企業など…

非正規という負の連鎖

二〇一六年一〇月から社会保険加入の対象となる労働時間が週三〇時間から週二〇時間に引き下げられる。このため、勤務を二〇時間以下にすることで社会保険逃れをしようとする悪質な雇用主が増えていると同センターは分析する。

僕の働いていた企業は非正規でも社会保険加入しており、残業代もしっかり出た。しかし、世間知らずだった僕は会社への不満を漏らすようになり次第に人間関係がうまく行かなくなる。そして、病気を発症。しばらく休めば(休職)との勧めもあったが、その時は現状に耐えられない状態まできていたので、退職する羽目になった。その後、2社に正社員採用されるもどちらも中途採用に厳しく当たってくる生え抜き達により長続きしなかった。会社を辞めようかと思っている人に一言、中途採用は採用枠も少なく即戦力を求められるので自信や実力がないなら、今の会社へ留まったほうがいいよ。勤めてる会社がブラック企業でなければ。

女性の分断

かつて女性誌で紹介されるサクセス・ストーリーの主人公は、独身で自立しているキャリアウーマンだった。もし結婚したとしても仕事を続け、収入はダブルで子供はいないDINKS(ダブル・インカム・ノー・キッズ)が理想的だとされていた。……なのに、いつのまにか、流れが変わってきた。現在のサクセス・ストーリーに登場するのは、キャリアと子育てを両立させている女性である。

時代によって変わりゆく理想の女性像、これは男性にも言えそうだ。少子化が騒がれる中、メディアなどでも高収入で結婚していて子育てにも前向きな男性がもてはやされる。たまに家事や育児を手伝う程度ですぐにイクメンの出来上がり。Instagramで子育て奮闘中的な写真をアップするとたちまちいいね!がたくさん付く。無職の統合失調症患者がもてはやされる時代は来ないだろうかww

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