『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』のベストセラー化が記憶に新しい岸見一郎氏による、アドラー心理学の決定版。『アドラーに学ぶ 生きる勇気とは何か』(アルテ 発行)を改題・加筆修正し、電子書籍化したものです。交友や仕事、愛、誰もが避けて通れない人生の課題にどう向き合い、困難でつまずき、勇気を失ってしまった場合、どうやって勇気を回復したらよいのかをアドラーの言葉・カウンセリング例と共に解説。どんなに困難多き人生であっても、今日から幸福に生きるための考え方・行動指針を示してくれる一冊です。
ライフスタイルを考える
一度身につけたライフスタイルが不便で、不自由であることを知っていても人はそれを変えることがない。なぜなら変えることで、たちまち、次に起こることが何かわからなくなるからだ。慣れ親しんだライフスタイルを変えないでおこうという決心を不断に行っているとの言える。この考えを止めれば、変わることができるだろう。
勇気づけとは何か
人生の課題、具体的には交友の課題、仕事の課題、愛の課題を人は回避できないのだが、それに取り組むことができないと思い込み、これらの課題から逃げようとする。これが、人生の課題に立ち向かう勇気を欠いている状態で、「人生の課題に取り組むために勇気を高める」ことが、勇気づけである。
「この勇気づけは、誰も何でもなしとげることができるという個人心理学の確信においてなされる」(『生きる意味を求めて』)
褒めることにも弊害がある
ほめることの弊害は多々あるが、ほめられないと適切な行動をしなくなること、自分の行動の適否を他社の判断に委ねてしまうこと
叱られて育つ場合も、褒められて育つ場合も、評価を気にかけるようになり、そのことが、課題に直面する勇気をくじき、課題そのものから逃避したり、あるいは評価を得るためには手段を選ばないといったことが起こりうる。結果はともあれ、自分の判断で課題に取り組むことが大事だ。賞罰教育は競争をよぶことは明らかで、競争ではなく協力する能力の方が勇気を持って幸福に生きるために必要であるというのがアドラーの考えだ。
「私は自分にとって価値があると思う時にだけ、勇気を持てる」
解決が困難な課題にも、それに直面するためには、自分に価値があると思えることが必要だ。
自分の短所を長所にと考える
こんなところが嫌だから、自分のことが好きになれないというのではなく、好きにならないという決心がまずあって、そのように思うことを可能にする性格を自分の中に見つけようとしているのである。そして、自分のことをよく思わないのは、少なくとも積極的には、他社との関係をよくする努力をしないでおくためである。
自分自身を受け入れていないのに、どうして他者から好意を持たれることがあるだろうか。自分や他の人をよく思わないのは、対人関係を避けるためであり、対人関係という人生の課題に直面する勇気を欠いているからだ。人生の課題に立ち向かう勇気を持てれば、長所を見つけることは人生の方向性を見つけるきっかけになりうるだろう。
生きる勇気の回復
自信があり、人生の課題と対決するまでになった人は、焦燥したりしない
逆に言えば、自信のない人ほど焦るのであり、その焦燥を説明するために、時間が有限であることを持ち出す。現実がどうであれ、理想を見失わないこと、先のことを思い煩わない、わからないことについて悩まないというのが、今の幸福を見失わないために大切なことだ。
人生を同じことの繰り返しにしない。そのようにすることは、確かに冒険だが、失敗することがない安全圏に留まったり、人生の課題から逃げ出すことからは生きる喜びを得ることはできないだろう。今、ここにおいて楽しんでいいのであり、それどころか、今ここにおいてしか楽しめないということである。
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