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「最近、心が休まらない」と思ったとき読む本|石原 加受子|日々の喜びを感じてシンプルになる生き方

日々の仕事や人間関係、将来への不安「早く早く」「~しなきゃ」「取り残されそうで恐い」そういった頑張りやなんかをときには緩めて日々の喜びを感じられる生き方を。心休まる時間を過ごすために。

一人でいるほうが楽

競争社会の中で、生き抜くのに疲れているという男性がいました。

「お前より、いまの女のほうがよっぽど勇ましいぜ」

と友だちに皮肉を言われたことがありますが、どんなに言われても、競い合うのが苦しくてたまりません。

男らしさという言葉に抵抗感を覚えます。

どうしてこんな社会で生きているのだろうかと、悔やむ気持ちが出てきます。

こんな社会に生まれてきたかったわけじゃない。自分が望んで生まれてきたわけじゃないのに……などと、考えてもしかたがないことばかり考えてしまうのです。

みんなは友だちが多いほうがいいと言うし、交友関係が広いことを自慢げにしている友だちもいます。でも、争ったり無理につき合ったり、そんなことが、彼には苦痛に思えてたまりません。

たまに友だちと一緒に遊ぶのはいいのですが、職場では、仕事以外のことであまり深くつき合いたくありません。職場でみんなが楽しそうにしているのが、彼には不思議でなりません。

友だちがいないわけではないのですが、彼自身が、彼らを友だちだと、胸を張って言えないのです。

彼らは彼のことを友だちだと言うでしょうが、彼自身はむしろ、「友だちと呼べる人は一人もいない」という感覚です。

誰でも親友がいたり、いない人でも親友を欲しがっているので、それほど欲しいと思わない自分のほうが正常ではないのかもしれないなと、自分の精神状態を疑ったりすることもあります。

父親が学生のころは、部活の仲間といつも一緒で、女性よりも結束の固い仲間というような濃いつき合いをしていたと言います。だからなのか、父親は、親友が誰もいない自分を、どこか奇妙な生き物のような目で見ている、そんな気がします。

でも本音を言うと、一人のほうが気が楽です。

学生の頃は部活だったり普段の授業だったり他人と一緒にいる自由な時間が社会人よりも多くあるので友達はいたが、社会人になって仕事仲間以外の友達がめっきり減ってしまいました。その上ただでさえ友達が少ないのに仕事を辞めた僕は本当に家族以外と喋るのはショップの店員さんぐらいになってしまいました。学生の頃あんなにおしゃべりだった僕も今では喋る機会も減ってしまい退化(笑)すっかりコミュ障に。元々そういう気質は持っていたのでしょうが寂しい気持ちはあります。

逃げるのも強さのうち

もう一度繰り返しますが、大事なのは、 「いまの感情」と「いま起こっていることに対して、どうしたいのか」

ということです。

前の項目で話した彼女の場合は、レストランに入って先輩同僚の姿を見たとき、怖いと感じました。これが彼女の「いまの感情」です。 「いま、怖いと感じた」彼女は、どうしたでしょうか。

すぐに、店を飛び出しています。

怖いと感じて、どうしたかったか。避けたかったら、店を出た。  彼女は「いまの感情」に寄り添って「店を出る」という行動をとりました。

彼女はすでに負けている気分で、「怖いから、逃げた」と言います。  確かに、人生を勝ち負けで捉えると、逃げた彼女は、負けています。

でも、ほんとうにそうでしょうか。

では、ここで「勝ち負けを争う人生」を、いっさい捨て去ってしまうと、「逃げたら負け」という捉え方は、どう解釈できるでしょうか。

それは、 「危険を避けた。危険を回避した。危険から自分を守った。危険から、自分を守ることができた」

というふうになるのではないでしょうか。  彼女は、自分を守る行動ができています。

このとき、 「ああ、私は、危険から、自分を守る行動ができたんだ」

と言うと、どんな気持ちになるでしょうか。  おそらく、ほっと安心することができるでしょう。

「私は、自分を守ることのできる人間なんだ」

という自信も生まれるかもしれません。

ところが、他者中心の意識にとらわれて勝ち負けを争っていると、自分が適切な対処ができているところさえも、否定してしまうのです。

ですから、「問題解決するために、いま、私はどうしたいか」という気持ちと「いまの感情」を何より尊重することを覚えておいてください。

いつの時代も逃げることは悪だと言った風潮があるが、僕はつらかったら全然逃げていいと思います。その空間が耐えられないとかやりたくない(特にやる必要も感じられない)タスクがあるとか社会には逃げ道をいく方が正解の場合が結構あります。逃げるのも選択肢の一つとしてカウントすることをお勧めします。

息苦しいと思ったらそれは「心のサイン」です。心を休めてあげる必要があるので、その方法と考え方をレクチャーします。

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