前を見ると先輩たちがずらりと並び後ろを振り返ると後輩たちが、左右には同期が。そんなぎゅうぎゅうな世の中で列はよっくり進んで行く、どれくらい経てば目的地に到達するのかも分からず、そもそも目的地さえぼやけてきている。そんな時、あなたはその列で待ち続けるか、それとも、自分の意思で一歩踏み出すか。社会生活を送っている以上、嫌なことは常時起こります。その時、どう対処するかで、人生が大きく変わっていく。めげたり、落ち込んだり、しらけたり、怒ったり、無視したりすることが多い中、心の中で笑って済ませると、ストレスなくうまくいくことも多い。心で笑って生きるためのヒントとなる書籍。作家の白岩玄氏、映画監督の松井大悟氏、芸人の芹沢ムネト氏、社会学者の古市憲寿氏、漫画家の清野とおる氏との対談形式となっております。
この時代の戦地はどこにあるのか
白岩 いま、男性の生き方を問い直す必要がある時代になったと思うんです。団塊の世代はもっと固定化されていたけど、価値観の多様性もあってか、僕らの世代にとって、誰もがイメージする男性像というものが成立しにくくなっている。
団塊の世代の価値観だと男は外で働いて稼ぎ、女性は家事や育児などをメインの仕事とするモデルで固定化されていたが、現在では男は外で働くだけではダメで、育児や家事にも積極的に関わっていくという男性像がメディアなどによっても発信され、だいぶ前だが〝主夫〟何て言葉も聞かれるようになった。家族単位にとどまらず、個人でも結婚しないで生活する男性も増え、一人暮らしの中で培った家事のスキルが半端なく奥さんいらないよね何て人も出てきた。まさに多様性の時代。
ストレスがない方を選ぶ
古市 そうですね。精神科医の熊谷晋一郎さんが「自立とは依存先を分散させることだ」って仰っているんですけど、本当にその通りだと思います。この社会で完全に一人で生きていくことなんて無理。僕の場合も、誰か特定の人やコミュニティだけに依存したくないんです。一つの価値観に凝り固まってしまうのも嫌ですしね。
僕のような基本引きこもりでも、髪を切りに美容院に行ったり(一言も喋らないが…)、半年ごとに歯医者に検診に行ったり、カフェに朝食をとりに行って読書したりと最低限の繋がりを持ち、ネット上での同じ趣味を持つ人々とゆるく繋がるといったことは依存の分散にあたるのだと思う。特にネット上には居心地の良いコミュニティが無数にあるので、リアルな付き合いが苦手な僕は助かっている。本当は美容院でお喋りしたり、カフェで店員さんと軽快なトークをしてみたいけど僕にはハードルが高い。結果、いつも美容院では「いつも通りで」、カフェでは注文を素早く済ませ後は無言でひたすら待つという日常だ。今の自分のままで居心地がいい場所を見つけ、それでもいいって人が現れたら付き合うことが自分にとっての豊かさにつながるのだと思う。
予測される日本の未来
人工知能が人間の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が起こるとされる2045年。今からでは想像もできない未来が想定されている。まず日本の人口は1億人を切っているそうだ。そのうち4割近くが65歳以上になっているらしい。そして日本のGDPは1%未満で推移している。ちなみにアメリカは2%前後、中国は4%前後らしい。その結果GDPは4位に転落。国と地方の借金は3000兆円とされる。政治や経済、年金や社会保障の問題、それに、予測される震災など、不安要素は山積み…。
この状況下で若者は希望を持てるか、この時僕は71歳、年金や社会保障はどうなっているか不安は尽きないが、若者が抱える不安とは比にならないだろう。各国の満13歳〜満29歳までの男女に対して内閣府が行った調査によると「40歳になった自分は幸せになっていると思いますか?」という質問に「そうは思わない」と答えたのは33.8%。他国では10%台だから日本は過度に不安を抱いているのかもしれない。
待っていてもいい、待つことを選んでもいい、まずは今ある列に並んでその場で最大限に学ぶのもあり。変わりたくても変われない、そんな時はエネルギーを貯めるのも一つの正解だ。時間は待ってくれないが自分の時間を、自分の生き方でいけばそれが自分の道となる。だから大変なことがあってもめげずに前へ進もう。
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