題名だけ読んで釣られて買ったらベンジャミン・フルフォード氏の本読むのいつの間にか3冊目だ。『植民地化する日本、帝国化する世界』『戦争は奴らが作ってる!』と続けて読んだが、僕の感想、氏の著作をエンタメとして読み内容は興味深いがすべて鵜呑みにはしないという考え方は変わらない。
欧米社会における「謀略論」
欧米社会ではこの本に書かれているような「謀略論」を語ると、「頭のおかしい人」と思われるそうだ。ここ日本では国際的謀略論は「都市伝説」のカテゴリーに入る。欧米ではこれは「アーバン・レジェンド」と言って「謀略論」とは明確にカテゴリーわけされている。「アーバン・レジェンド」は嘘か本当かわからないジョークに近いと思えばわかりやすいだろう。一方「謀略論」を語ると、すべての事件をフリーメイソンやユダヤ資本の仕業と考える社会人としてダメな人間という扱いを受けるという。「謀略論には真実が隠されている」過去の謀略論として語られてきた「事件」を精査しアメリカの自作自演テロ(メイン号事件、ルシタニア号撃沈事件、トンキン湾事件・真珠湾攻撃・アラモ砦の闘い)を暴こうという内容。
日本人を「反中親米」にしたアメリカ軍の罠
尖閣諸島や竹島における中国、韓国との領土問題この火種を仕込んだのがアメリカなのだと主張する著者。1972年、沖縄返還の際アメリカは尖閣諸島も日本に返還したのだから国連の場で、アメリカがはっきりと「尖閣は日本の領土である」と主張すれば終わる話だ。日本が対処する話ではないという。逆に言えばアメリカが「黙認」すれば台湾、中国共に「我が領土」として主張して良いこととなる。台湾や中国との関係が良好になるとこの火種が大きくなるよう水面下で工作する。竹島も同様で竹島割譲を要求してきた韓国に「竹島は日本の領土」と決めたのはアメリカだ。そこで韓国は竹島を1952年、武力占領する。これに対してアメリカは即座に韓国に対して占有をやめるよう働きかければよかったのだ。アメリカは韓国の動きを黙認、再奪取を要求する日本の動きをGHQの権限で抑えた。これにより日韓両国の間に「お互いに譲れない禍根」を残しいつでも好きな時に日韓を対立させる「スイッチ」をアメリカは手にしたのだと主張。
確かに領土問題は関係をこじらせる魔法のスイッチとなり得る。これを自由に利用できるアメリカという構図もあながち間違ってはいないと思うがどこまで真実か。読み手の解釈でいかようにもなる問題作です。
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