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スマホばっかりやっているとバカになる?いいえ、違います!

大人は大抵ネットもスマホもよくわかっていません。わかっていないのに、文句は言う。挙げ句の果てには、町を挙げて的外れなネット・スマホ条例まで作って、もう手に余る。しかも自分の周りにはネット・スマホで困った時に相談できるような大人がいない。そんな大人をスマートに論破、納得させる、アドバイスできるそんな知識を提供する書籍。

「何時間もスマホばっかり!他にやることあるでしょ」と言われたら

あるセキュリティ企業が「若者のスマホ利用実態調査」というのをやったんですね。学生のスマホ利用時間をアンケートで調べたそうで、そしたら、「女子高生のスマホ利用時間が、一日七時間にも達していた」という驚き?の結果となり、それがニュースでも大きく報道されて、話題にもなりました。

しかし、僕らの高校生時代を考えてみると、学校帰りにレンタルショップにいってCDを借りてダビングした音楽をウォークマンで聴きながら登下校し、家に帰ったらゲーム機にかじりつき親に叱られるまでゲームに夢中に。友達と長電話で何時間も喋り、学校では漫画雑誌などを回し読み。これらが全てスマホで完結できるようになっただけで、費やしている時間は僕らが行なっていた遊びとそう変わらない。そう考えると7時間はちょっと多いようにも感じるが、平均的な高校生像とそう相違ない。勉強までスマホアプリで行う現代ではスマホの利用=有害という公式はもはや当てはまらないようにも思う。スマホ登場当時はLINEも漫画アプリもなかったが急速にスマホでできることが多くなり、今までスマホ以外のツールでバラバラに行なっていたことが、どんどんスマホに集約されている。「何時間もスマホばっかり!他にやることあるでしょ」と言われたら、「スマホで『遊んでいる』時間は一日に何時間?って聞いてくれないかな」と言い返せばいい。もちろん僕らがファミコンやプレステのやりすぎで怒られたように、スマホゲームにどハマりしたりYouTube動画ばかりエンドレスに見ていたなら怒られて当然ですがww

「何でもネットで調べちゃうけど、そんなの記憶に残らないよ」と言われたら

苦労して手に入れた記憶は、ネット検索よりも忘れにくい、かどうかは知りませんが、実は紙に印刷された情報の方が、電子端末で得た情報よりも記憶に残りやすい、という検証事例(あくまで実験の一例ですが)あって、実際、多くの学生が「紙の単語帳」をまだ使っていることから考えても、部分的にこれは当たっているのかもしれません。

どんなアホな疑問も検索すれば大抵答えにたどり着く。知りたいという欲求に素直に従えば、その欲求が満たされる時代の方が、情報にアクセスできなかった昔よりもいい時代ではないかと思う。経験したことのないことでも大抵の答えが導き出されてしまうので頭でっかちになってしまうデメリットはあるが、それでも疑問をわからないままにしなくて良いというのはなかなかすごいことだと思う。ネット検索でサクッと答えを導き出すと記憶に残らないのではという言説には「忘れたらまた検索して確認すればいい」と言い返してやれば良い。もちろん覚えているに越したことはないのだが。スマホの登場によりちょっとした買い物リストなども気軽にメモすればいつでも参照できるし、旅行先での風景や出来事も写真や動画で記録できる便利な世の中になった。「脳が退化する」と考えるか、「モバイル機器の進化と活用」ととるか視点を変えれば悪いことばかりではない。

「ネットに自分の情報を載せると、すごく危険だよね」と言われたら

顔写真からターゲットを物色し、学校名から「遠征できそうな地域か?」も確認してあとは無害で趣味の合う人間を装って近づき、仲良くなり、時間をかけて信用させ、何気ない会話の流れから、コッソリと個人情報を集める、そして‥‥情報が集まったところで一気に手のひらを返し本性を現す。これはソーシャルハッキングと呼ばれる、コミュニケーションをしながら情報を引き出す方法で、プロのネット犯罪者も使うテクニックです。

SNSに個人情報は載せていないつもりでも、リアルな友達意外と付き合うことで思わぬ犯罪に巻き込まれることも。僕のようなオッサンならいざ知らず、若者(特に女子)だと犯罪に巻き込まれる可能性は一気に高まる。エロい下心で近づこうとする人間の数は、オッサンに近づいて何かしてやろうと考える人間の数は比較にならない。何気なく撮ってあげた自宅付近の写真から自宅の場所を特定されることもままある。個人情報を載せてない、位置情報をオフにしている場合でも安心していると危険な場合もあるということだ。

「ネットのせいで陰湿なネットいじめが起こるんだよ」と言われたら

もし自分のまわりでいじめが起きていたら、どんな方法でもいいので、匿名でもいいので、いじめ被害者に、「私は味方だよ」「あんたが嫌いじゃないよ」とコッソリ伝えて欲しいのです。いじめ被害者は、それだけですごく嬉しくて、気持ちが楽になって、明日も一日頑張れるのです。

ネットのせいでいじめが頻発するわけではない。いつの時代も形は違えどいじめはあった。僕の場合はプロレスごっこという名の暴力だったわけだが、本人がいじめともなんとも思っていなかったのでなんのことはなかった。いじめる側をなんとかしようとするのではなく、被害者の救済の方がずっと大事ということだ。

ネットやスマホにまつわる大人たちの言い分をスマートにやり込めるための、またネットでの悩みを解決してくれる処方箋となる一冊。スマホやネットに疎いオッサンにも読んで欲しい書籍となっております。

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