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「増やすより減らさない」老後のつくり方|平山賢一|デフレ時代の必勝資産運用術!

年金生活を目前に迎えた50代、60代の投資スタンスは減らさないこと。しかし支出をあまりに制限してしまうと面白みのない老後に。資産を守りながら投資運用で買う力を維持・拡大していくクレバーな生き方を敏腕ファンドマネージャーが指南。

「買うチカラ」とは何か

今、資産運用は「増やす」という時代ではありません。「減らさない」ということが最も重要になっています。その理由は大きくわけると三つあります。

ひとつ目は、リスクです。

運用資金の規模が大きくなると、それにともなって損失も大きくなります。たとえば、六〇代と四〇代の人が株式で資産運用をしていたとします。先ほども申し上げたように六〇代は金融資産が膨れ上がりますので、二〇〇〇万円を株式でもっているとします。四〇代は二〇〇万円程度としましょう。

株式というのは非常にリスキーな金融商品で、三〇パーセントの下落などが現実にあります。もしそのような事態が起きたらと想定してください。先ほどの投資額にあてはめると、四〇代の人は六〇万円。もちろん、これも痛いですが、六〇代の人の損失はなんと六〇〇万円にものぼってしまうのです。

このことからもわかるように、「六〇代」を越えて残りの人生設計をする(ライフプランニング)際に、リスクということが非常に重要になってくるのです。

経済が右肩上がりの高成長期が安定的に続く時代であれば、六〇代がリスクをとることも許されます。しかし、二一世紀は、これまで以上に経済も政治も不安定になってきており、金融市場の変動も大きくなっています。ある程度の資産を形成した後には、「増やす」ことよりも「減らさない」という姿勢にチェンジすることが非常に重要になってくるのです。

僕も株式投資を始めてみて分かったこと。ハイリスクハイリターンな投資対象を選ぶと平気で数十%の上下動があるので心臓の弱い人にはお勧めできないと言うこと。そんなリスクを分散してくれるのが毎月同じ額を投資するドルコスト平均法。これでリスクがいくらか減っていきます。退職金を一箇所にボーンと投じるのは自殺行為にもなりかねないので計画的に。資産運用も長期で行えば暴落、暴騰を経験することでしょう。そうした時に冷静でいられるメンタルを作るためにある程度経験が必要。

歴史的成功者に学ぶ

これまでお話ししてきたように、生活費を上回る給料などの収入があり、将来に備えて資金を蓄える現役世代と、生活費の一部を年金で賄い、不足分を金融資産の取り崩しで 補 塡 する年金世代では、運用方法には大きな違いがあります。

現役世代は、余裕があるのなら、「増やす」ということに軸足を置いた増やす資産運用を行ってもいいですが、年金世代は、「減らさない」ということを軸足に、「買うチカラ」の維持を目的とした資産運用を行わなくてはいけません。

資産運用の教科書などではあまり教えてくれませんが、実はこの〝目的〟というのが資産運用では非常に重要になってきます。

もし、収入が少なくなったとしても、生活に困らないような消費ができる金融資産を確保できれば問題ありません。極端に言えば、資産額は減っても「買うチカラ」が強くなっていれば、生活のための消費ができます。つまり、生き延びることができます。「買うチカラ」の維持とは、カネを増やすことが目的ではなく、カネを使うことを目的とした資産運用なのです。

日本の年金世代はこのような〝目的〟意識が希薄なのが特徴です。それは「失われた二〇年」のせいでもあります。デフレを長く味わった日本人は、目的を定めず、単にタンス預金していただけでも「買うチカラ」が大幅に増殖しました。これは単に幸運だっただけなのですが、この中途半端な成功体験が、インフレに対するセンサーを鈍らせてしまっているのです。

インフレのサイクル(コンドラチェフ・サイクル)は五〇年程度(もしくは三〇年程度)の長期にわたるため、社会人になってから老後に至るまでの間で、インフレのサイクルを見逃していることで、 「何のために資産運用をするのか」  という大事なこともごっそりと抜けてしまったと私は考えます。

カネを増やしたいのか。生きるための消費をする金融資産があればいいのか。この二つには大きな違いがあります。若いうちはどうしてもカネを増やすことばかりに目がいってしまいますが、資産の額面が増えたところで、不測の事態が起きればすべてがパア。それは年金世代だけにあてはまりません。誰しも老いはやってきます。生きている限り、今蓄えているものもいずれは老後資金にまわるのですから、これから老後に備える三〇代、四〇代もいつかは「買うチカラ」を身につけるべきなのです。

資産運用は若いうちからやるに限る。時間が味方してくれて複利の魔法があなたの不安を解消してくれます。大きな会社なら入社時からそうした教育もしてくれるが、そうでもない会社だと自分から資産運用について学ばないといけない。投資を後押ししてくれる制度(NISAやiDeCo)も活用すれば負担も少なく投資できます。自分の将来にたいする投資なのできちんと勉強しましょう。

老後に備えるための指南書。主に50代、60代の投資方針が書かれているが、若い人にも通ずることがあります。投資で失敗しないために知っておきたい知識。

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