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「今の自分」からはじめよう|田中 裕輔|破産の崖っぷちでも決して変えなかった信念の経営とは?

お客様にほっこり体験を提供する企業ででマッキンゼー史上最年少マネージャーの肩書きを作り上げた著者。破産目前で耐え切った経営の信念とは?

お客さまは気になる商品を店舗に取り寄せて、そこで試着して購入

ロコンドで扱う全ての商品を店頭で注文できるので、お客さまは気になる商品を店舗に取り寄せて、そこで試着して購入するかどうかを決めることもできる。これなら、店側も他の商品とのコーディネートを提案して、他の商品を売ることもできる。

ロコンドとしては、サイトを見るだけではなかなか買うかどうかを決められないお客さまでも、百貨店の店員さんにアドバイスをしてもらうことで、今まで買うのをためらっていたお客さまを取り込めることになる。  これは関わる人全てにウィンがあるインパクトなのだ。既に大丸松坂屋さんに導入していただき、靴売り場でサービスを始めている。

ロコンドでは、この取り組みを「地方活性化オムニ戦略」と位置づけている。オムニとはオムニチャネルのことで、実店舗やオンラインストアなど、あらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合することを意味する。

きっと、百貨店を元気にすることで、地方再生にもつながるのではないかと、僕は真剣に考えている。ネットだけで地方の問題を解決するのは難しいかもしれないが、百貨店というリアル店舗と組めば、再生のきっかけをつくれるのではないかと思う。

実はこのコンセプト自体はそれほど珍しくはない。 10 年ほど前から、こういうシステムを構築すれば地方の百貨店を再生できることは、この業界ではわかっていた。それを今まで実行したところがなかっただけである。  このシステムも他社がマネしようとすればできる。システムの開発自体はそれほど難しくはないだろう。

しかし、百貨店バイヤーのニーズを満たす品揃えを実現するのがまず難しいし、更に、物流オペレーションは想像以上に大変である。  百貨店の業界は独特な商法が成り立っている。

試着できないネットでの買い物と実店舗での買い物のハイブリッドみたいな会社。しかし、オンラインショップでの買い物がメインとなる僕のような人間は既に試着できなくてもサイズ感などは記載のデータで大体わかるので実店舗は既に必要ない。店を構えるというのはもう会社の力の誇示でしかないのではとすら思ってしまう。欲しい商品がオンラインショップにしかなければユーザーは自身を採寸してサイズを測ろうとするだろうし、そこまで試着にこだわる必要性は既にないかと。

「カリスマ性」なんていらない

僕はロコンドの経営者になってから、あちこちのメディアで取材を受けるようになった。そういった記事や動画などを見て、「田中さんのファンなんです!」と社員に応募してくる人も、たまにいる。

ありがたいとは思うが、僕はそういう人を採用したいとは思えない。

僕は社員にもよく、「絶対に僕に心酔するな。人ではなく、コトに心酔してほしい」と話している。

つまり、社員には「ユウスケさんが言うからやります」と受け身になってほしくないのだ。ロコンドの目指すビジョンや目の前の仕事に心酔して、「自分はこれをやりたい!」と一緒に走ってくれる社員であってほしいと考えている。

多くの日本の企業では社長の右腕となる人がいて、右腕は「社長はこう考えると思う」と社員に社長の想いを代弁する、という構図になっている。社長のカリスマ性が強ければ強いほど、そうなるだろう。  そうなってしまったら企業は衰退していくばかりではないかと思う。

なぜなら、社長がいなくなったらその会社は拠り所とするものを失い、迷走する可能性が大きいからである。現に大企業でそうなってしまっているところは多い。

何が一番、顧客満足度を高められるのか。何が一番会社の利益を最大化できるのか。何が一番競争力をつけられるのか。それを軸にして、みんなで対等に議論をするのが企業としての正しい姿であり、「社長は正しい」と神格化した時点で、それはできなくなってしまう。

だから、 経営者にはカリスマ性なんて必要ない。 ロコンドのミッションにほれ込むようなメンバーを集めるのが僕の使命なのだと考えている。

極論、僕がいつ死ぬかもわからないし、どこかで引退することにもなるだろう。そういうときに、事を共有している社員たちがいれば、ロコンドは 10 年後も 20年後も、いや、50年後も生き残るだろう。

そういう持続可能な企業をつくることがこれからの僕の課題になるだろう。

小さな成功企業だと一人のカリスマが会社を引っ張るケースが多いだろうが、長く会社を存続させるには一人に頼り切りはよくない。会社のミッションを全社員で共有し、実行に移す土台が必要。

会社を起こしたい人はこういった書籍を読んでみるのもいいだろうが、ビジネスをやる人にとっては当たり前のこと中心で当たり障りがなく平凡。期待して読むと肩透かしを喰らうかもしれません。王道の考え方を知りたい人には価値ある本。

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