一つのことに特化して詳しくなる、極めるといった人間の本能的な欲求。その源は「ヤミツキ」にある。その未知のパワーを科学の力で徹底解析。依存症などとは少し異なる健全な「ヤミツキ」のススメ。
気づいたら時間が‥‥
私たちが思う「やみつき」とはおそらく、一日に何回繰り返していたかを逐一自分でカウントできるような、そんななまやさしいものではない。むしろ逆に、「気づいたら時間があっというまに過ぎていた」という感触のほうが、よっぽど「やみつき」らしい。
実は、この「やみつき」になっていた自分に「気づく」という部分、これが、どれほどまでに自分が「やみつき」道一直線であるかを知る最初のポイントになるのではないかと思う。
人は自分自身のことを他人の視線で眺めることができる。そこには冷静さがある。
もし人がずっと眠り続けていたら、ずっと食べ続けていて平気だったとしたら、そうではないときの自分、言い換えれば、眠っていないときの自分や、食べていないときの自分は存在しないということになる。そうなるといかに従事時間が長く、また、繰り返しの頻度が高いと言っても「やみつき」とは言えないのだ。
つまり、人はときどきその対象や行動から離れて、冷静に自分自身を眺め、自分で自分に向かって「今日もまたコレにやみつきになってるね……」と思うことができる。そもそもそれができるなら、その冷静になっているあいだの自分は「やみつき」状態ではない。簡単なことだが、「やみつき」になっていない状態で、「やみつき」になっていたときを思い返し、考え直すからこそ、「やみつき」になっている自分に気づく。その過程・瞬間があるからこそ、「やみつき」が実感できる。 「気づき」はコントロールに通じる。「ちょっと行きすぎたようだから減らそう」と思うのも「気づき」、逆に「こんなことではまだ足りないから、もっと頑張ろう」と思うことも「気づき」だ。
そして、「気づく」自分がしっかり確立しているかどうかは、「やみつき」と病的な「依存症」を分ける決め手でもある。自分を「引きの画面で」見ることのできるもう一人の自分がいるから、「やみつき」を活かそうという意欲も生まれてくる。「自分にとって、満足できるための基準は少なくともだれかに勝ったときではない。自分が定めたものを達成したときに出てくるものです」とイチローは言う(児玉光雄、2004『イチロー思考』東邦出版)。
学生の頃はゲームに夢中でよく徹夜でゲームをやって学校では居眠りをする毎日を送っていたものだ。ヤミツキが行きすぎてほぼ依存症という状態だったかもしれない。学校が終わるとゲーセンに入り浸り夜は徹夜でシミュレーションゲームやRPGを延々プレイ。その熱狂を何か他のことに向けられたらよかったのにとか思ったりもするがその時はそれが僕にとって夢中になれるものだった。僕らの時代は格闘ゲームが全盛期で大会に出場したりもしていた。その頃の優勝賞品は非売品などのグッズだったりして賞金などはゼロ、今はプロゲーマーが生まれるほどゲームの世界も変わってきていてeスポーツなどという言葉が生まれゲーマーに優しい世の中に。
依存症との違い
依存症と言えば、かつてはアルコール、ニコチン、麻薬、覚せい剤といった「ドラッグ類」で起こるものとされていたが、このごろでは「ギャンブル依存」、「ゲーム依存」、「ネット依存」、「ケータイ依存」などなど、クスリを使わない「依存」も問題になってきた。もっとも、これらは本来の依存症ではないかもしれないが、そうなるとますます「やみつき」と「依存症」が似ているように思えてくる。
この問題は本書の中でこれまでに何度か考えてきた。楽しいか、楽しくないかが一つの決め手だという話をした。実際、依存症になってしまうと楽しくないのである。脳の中には非常に大ざっぱに言うと、ある種の「快感」を感じる神経があるらしいが、依存症になると、この神経の活動は鈍くなる。アルコール依存や「ギャンブル依存」の人が酒やパチンコに手を出すのは、楽しみのためではなく、強迫的な欲求をまぎらわせる一時しのぎにすぎない。
「楽しみ」は、第3章で見たように、感覚や運動、認識や人間関係など、私たちの精神活動を総動員して味わうものだ。そこには「これでなくてはダメだ」というような余裕のない強迫的な性質はない。ただ、「やみつき」もエスカレートしてきたら強迫的になってくるのではないかと思われるかもしれない。たしかに「楽しみ」は「やみつき」と依存症を分ける大事なヒントだが、それだけでは足りないようだ。
強迫観念に支配されたり、人の忠告を聞けなくなったら依存症かなとか思ったりします。タバコやアルコール、麻薬などの薬物から、ギャンブルやゲーム、ネット、スマホなど依存症は多岐にわたる。
依存症と呼ばれる害悪にならないように注意しながら「ヤミツキ」のもつプラスの部分を引き出して熱中してみると他の人には手の届かないところまでスキルを磨き上げたり、一芸に秀でることができたりとメリットも多い。「ヤミツキ」のちから信じてみませんか。
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