内閣府の『消費動向調査』によると、スマホの世帯普及率(67.4%)がガラケーを上回ったのは2015年。スマホが私たちの生活に浸透したのはここ数年と言える。私たちはスマホとともに、この先どこへ向かうのか。子育てアプリやアングラ化した「JKビジネス」、位置情報に管理されるサラリーマン、お小遣いサイトに振り回される主婦、成人向けアプリにハマる高齢者などの事例とともにスマホ漬けとなる人々を見ていこう。
ジョブズも子供にiPhoneやoPadを与えなかった
米アップル社を創業したスティーブ・ジョブズが、自分の子どもにiPhoneやoPadを使わせなかったのは有名な話だ。IT業界において「天才」と称された彼だが、親としてはアナログを貫き、子どもたちの利用を厳しく制限すべきと語っていたという。前述したように、日本では〇歳児〜五歳児の乳幼児のスマホ接触率が五八・八%と、およそ五人に三人の子供が利用している。こうした状況が具体的にどう影響していくのか、奈良県大和高田市立病院の小児科医・清益功浩医師は、「親子のコミュニケーションの変化が、子どもの社会性に影響を与える可能性は否定できない」と話す。
子守がわりに乳幼児にスマホを触らせ遊ばせる。これは子供をおとなしくさせる鉄板となっているが、親のスマホ依存とも言える。親のスマホ依存は深刻で五歳児ともなるとスマホに夢中な自分の親の気を引こうとして、ちょっかいを出したりしてスマホの利用を止めたい、自分に振り向かせたいと思うようになる。そんな子供の健気さに対しキレてしまう親もいるという。
無意識のうちに子供を放置してしまう親が怖い。赤ちゃんが泣いていてもLINEの着信があればそちらに気を取られる。タイムラインでやり取りする間は赤ちゃんは泣きっぱなし。親にしてみれば、好き好んで子供を無視したり、放置したりしているわけでもないだろうが、スマホに気を取られ知らず知らずのうちに子供から遠ざかるようになる。スマホ普及の弊害とも言えよう。
スクールカーストは徐々に古い概念に
真由子さんの高校には一軍(前出のランクに当たるもの)から三軍に分けられた学年LINEがある。彼女は一軍に所属するが、序列については先のスクールカーストの項目は当てはまらないという。むしろ「え?それって古い」と苦笑した。「まぁリアルだったら、気が強いとか仕切り屋さんが実権握るのはわかるんですけど、SNS通じた関係だとそういう人はかえって引かれちゃうと思いますね。出しゃばるとウザイって反応になるし、彼氏自慢とかリア充(現実生活が充実している人)はウケるどころか別のところでやってくれって感じです」ではどういうタイプの生徒がランクが高いのか。真由子さんによると、マメで親切、頭がいいという優等生タイプと、情報通でコミュ力(コミュニケーション能力)が高い人が上位に位置しやすい。聞き上手で上手く立ち回れるような人も評価され、真由子さんは自分をこのタイプだと考えている。
スマホが学校生活の中でもインフラ化している高校生たちの事情としては、LINEなどを介して一緒に宿題をやったり、テスト勉強したりするのが日常だったりするからだ。これは僕らアラフォー世代が学生の頃、ノートを貸したり、レポートを手伝ったりする優等生が重宝がられたのと同じ理由だ。案外その辺は実利主義というか。
情報通でコミュ力が高い人というのは現代ならでは。なんでもネットで検索して情報を引っ張ってくるのが得意な人は人気がある。ファッションや芸能ニュースに詳しかったり、画像加工や動画作成がうまかったり。聞き上手というのもコミュ力が高い人と共通するところだ。
ソーシャルゲームの落とし穴
ソーシャルゲームは単に「ゲームで遊ぶ」ことではない。ゲームを通じて仲間を作り、その仲間とゲーム以外の場所でも交流し、さらに新たな仲間を獲得しようとする。ひとりでスマホに向き合っているようでいて、実際には多くの人とコミュニケーションを取り、楽しさを共有しているのだ。とはいえ、そのつながりはいつも楽しいとは限らない。ゲーム会社間の競争やユーザーの要求が高まっていることを背景に、最近ではハイレベルなソーシャルゲームが続々と提供されている。難易度が増したゲームでは、スキルの高い参加者が集まってチームを組み、いわば団体戦で進行することも多い。そうしたチームの一部では、参加者に「ノルマ」が課される。各自が獲得するゲームポイントの目標数値が設定されていたり、チーム力を強化するため努力が求められるのだ。
このノルマを達成するために大量の時間を費やしたり、課金したり。本来楽しいはずのゲームが義務感によって支配されることも。僕らの時代の家庭用ゲーム機はハードとソフトを買ってしまえばそれ以降はお金がかからなかった。しかし現在では、課金という新たなスタイルができたことによって、お金さえかければ自分のキャラクターを強化できるように。アプリを開発した会社は一部の大量課金するユーザーによって支えられている。
ソシャゲで他人とチームを組み、SNSで多くの人と繋がり承認や評価(いいね!)など社会的報酬を得る。スマホとは一定の距離を置き、自身のコントロール化で旨味だけを利用するのが得策かと思います。
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