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「勝つ」組織 集団スポーツの理論から学ぶビジネスチームビルディング|福富信也

組織を伸ばして育てるチームビルディング。組織づくりはビジネスの場に限ったものではありません。スポーツでも同じ。ミーティングや教育、リーダーの任命など組織づくりでの悩みどころをどう解決するかを解説。

4つの段階を知ることでチームを成長路線に乗せる

チームの成長や発展には4つの段階があるといわれています。第1段階は、チームが形成されたばかりでメンバー同士も様子をうかがい合う、比較的平穏な段階です。これを「フォーミング(形成期)」 といいます。第2段階は、お互いに慣れてきたことで個性やクセ、目標に対する意識のズレなどが表面化しはじめ、メンバーがぶつかり合う段階です。これを「ストーミング(混乱期)」 と呼びます。ストーミングではチームが一体感を失いやすく、パフォーマンスは下がることもあります。しかし、その混乱を乗り越え、徐々にチームとしてのやり方が確立される段階が「ノーミング(統一期)」 です。第四段階では、お互いの特徴も知り尽くし、チームとしてのやり方を追求し、完成度を高めていく時期で「パフォーミング(達成期)」 と言います。ただし、どのチームもこの成長曲線をたどれるわけではありません。最後に大きな成果を出すためには、ストーミングにポイントがあるのです。「偽りの平和」体質のチームは、ストーミングの時期がおとずれても、もめ事や食い違いから目を背け、何もなかったように振る舞います。せっかく、腹を割って本音を話せる絶好の機会にもかかわらず、避けて通ってしまうのです。これでは、永遠にノーミングやパフォーミングは迎えられません。こんなときこそ、2つの約束を軸とした「真の平和」体質のチームづくりが功を奏します。 食い違いや反対意見であっても前向きで建設的な伝え方を心掛け、仲間の意見にも耳を傾けて最善の方法を模索します。メンバー全員が問題と真摯に向き合い、様々な意見衝突を繰り返すストーミングは勇気が必要なステージです。そのため、多くのリーダーはストーミングが起こることを恐れ、リーダー自らが火消しに回ったり、問題を水面下へ押しやったりしてしまいますが、それはチームの成長機会を手放しているということです。ストーミングを正しく乗り越えたとき、その象徴として「俺たちのやり方」などという発言が増えてきます。つまり、ストーミングを通して、チームとしてのより良い方法が見つかり、規範を築き上げ、オリジナルの方法にたどり着いたことを意味しています。また、「このメンバーで勝ちたい」という思いを強くするきっかけにもなります。最後のパフォーミングの時期は、自分たちのやり方に磨きをかけ、オプションを増やし、完成度を高め、目標に対して全エネルギーを注げる状況に発展します。

チーム形成の4段階を知るとその段階ごとにやるべきことが見えてきます。特にパフォーミング(達成期)では技術に磨きをかけ、オプションを増やすことで選択肢の幅を持たせ完成度を高めます。そうすることで目標に邁進できる状態を作り出せます。

社員が自立するためにどんなアシストが必要か

上司が抱く部下への悩みとして「自分で判断できない」「自立していない」というのが圧倒的に多いのではないでしょうか。しかし、「自分で判断しなさい」「自立しなさい」と言う一方で、実際に若い社員が自分の判断に基づいて動いたら「何で勝手にやったんだ」と言いたくなることもときにはありませんか?部下としては、「せっかく自分で判断したのに……」と自信を失ってしまうことでしょう。そもそもチーム内に、社員が自分で判断するための「基準」は設けられているのでしょうか。もしも明確な基準がないならば、個人の価値観や好みで判断する以外に方法はありません。怒られた部下としては納得がいかないでしょう。基準とはチームとして大事にしている価値を示したものなので、その基準がなければ個人の判断に頼らざるを得ません。上司として、会社として、 明確な基準が部下の判断や自立をアシストします。ディズニーランドやディズニーシーの経営母体であるオリエンタルランドはキャストに対する明確な4つの行動基準があると、テレビ番組で紹介されていました。Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Show(ショー)、Efficiency(効率)。この4つは優先順位に基づいて定められていて、もし何かあった時に何を優先しなければならないかということが明確に示されています。あるキャストが地面にこぼれていた飲み物を拭くとき、手を使わずに足を使って拭いていました。足で拭くなんて行儀が悪い、と思われそうですが、この判断にはきちんと理由があったそうです。ディズニーランドを訪れるお客様の中には、どこにどんな施設があるのか、地図を見ながら歩く人も少なくありません。そんな中、もしもキャストがこぼれた飲み物を膝をついて手で拭いていたら、お客様は足元にキャストがいることに気づかず、つまずいて転倒してしまうかもしれない、という判断だったそうです。つまり「足で拭く」という作業は、優先順位が最上位である「お客様の安全」を第一に考え、行動基準に則って判断したキャストの行動だったそうです。もしも2番目に定められている「礼儀正しさ」が最優先であるならば、キャストは別の行動をしたでしょう。

ディズニーやスターバックスなどはサービスの方法について各自の裁量で行える範囲を設定していて、キャストやパートナー独自のサービスを行うよう指導しています。自分で判断する癖は小さなものから始め、だんだんより重要なものへとシフトしていくようにすればスムーズに行える。行動に優先順位をつけるとより自分の判断を行いやすい。

ビジネスとスポーツに共通する自立型組織を形成するためのヒントが詰まった書籍。集団スポーツ理論から学ぶビジネスチームビルディングとは?

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