「やらなきゃいけないのになんにも終わらなかった……」がなくなる本｜菅原洋平

2023年7月12日

やらなきゃいけないことが山積しているのに気づけば時間が経っている。今日も何も終わらなかったと嘆いているあなたに。何から手をつけていいかわからない人のための何にも終わらなかったがなくなる本。

× 毎日まじめに実行する〇４日だけやってみる

小さな実験を始めたら、最初に変化を感じるのは４日後です。生体リズムの 3・5 日リズムから、今の行動に慣れて、新奇性の刺激が受け入れられる体制ができるタイミングが４日目なのです。ここで、小さな実験が大きな行動変容になります。

新しい行動が生まれると、繰り返すたびにその行動は上達していきます。そして、別の場面でも、先延ばしせずに手を動かすことができる現象が起こります。これは転移という現象で、これが起こると、日常のあらゆる場面で、今までの自分とは異なる行動をとっていることに気づけます。

一方、小さな実験をしていても、行動があまり変わらない時期もあるでしょう。行動を学習していく過程には、学習曲線と呼ばれるパフォーマンスの変化があります。

新しい行動が生まれたときは、その行動によって得られた新しい感覚によって、大きな変化が起こったような感じがします。

しかし、この感覚には順化（慣れること）も起こるため、行動をしていてもパフォーマンスは向上していないと感じるようになります。この段階のことをプラトー（plateau）と呼びます。

プラトーになると、どんどん行動が変化していた時期に比べて張り合いがなくなり、また先延ばしをするようになってしまうことがあります。プラトーは、感覚に順化したことで起こりますが、実際にはパフォーマンスは少しずつ向上していて、プラトーの時期を過ぎると、また大きく向上した感覚が得られるようになります。新しい行動が生まれる→プラトーという変化のない時期がくる→プラトーが過ぎると、またパフォーマンスが向上している実感が得られる。このように、私たちの脳と体が行動を学習していく経過をあらかじめ知っていれば、小さな実験を続けていくことができます。

毎日続ける習慣を持とうと意気込んで物事にあたるより、とりあえず4日だけでも試しにやってみることで続けられることがある。だいたい4日間でその後続けられるかどうかがわかるかと思います。この地点でまだモチベーションを保てていれば続くし、そうでなければ継続失敗。

× もっと驚きやわくわくが欲しい〇自分は何が報酬と感じるかを分析する

頑張った結果、特別手当が出た、上司から食事をご馳走になったなど、予想していなかった報酬を得ることもあるでしょう。

予想外の報酬を得ると、一時的になる気になります。ここで、次に自分に与える報酬を設定しているときにドーパミンが増えるようになります。「やりきったらこれができるようにしよう」と決めたタイミングで最もドーパミンが増えます。ところが、作業をやり切っていざ報酬を得ようというタイミングになるとドーパミンは増えません。

つまり、ドーパミンによるやる気は、あくまでも予想外の報酬を得たときに作用するのであって、そのやる気を自ら再現することはできないのです。

予想外の報酬をただの盛り上がりで終わらせないために、予想外の報酬を得たという事態を、客観的に振り返ってみましょう。

予想外の報酬を分析すると、自分にとって「何が」報酬になるのかが明確になります。普段褒められない人からただ褒められたことなのか、自分の行動について褒められたことなのか、自分の行動が他人の役に立ったことなのか。このように分析してみると、そもそも自分のモチベーションの源泉は何なのかがわかります。モチベーションの源泉がわかったら、それを満たす環境設定を意識していけば、やる気が起こりやすい環境をつくることができます。

やる気のコントロールのためにご褒美を設定する人がいるが僕的にはこれはあまり意味のないことのように思います。ご褒美をどのような条件で得られるよう設定するかにもよりますが、大抵は達成がそう難しくないところに設定しがちであまり意味がない。

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