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認知症の介護のために知っておきたい大切なこと パーソンセンタードケア入門|トム・キットウッド&キャスリーン・ブレディン

家族が認知症になったら?認知症ケアに関わる全ての人に贈る必読書。パーソンセンタードケアの入門書として最適。

認知症のあんな時、こんな時

よいケアとは、単に善意や一般にいうやさしさ、常識に基づくものではありません。これらは大切なものですが、十分なものではないのです。知力が衰えつつある人たちは、彼らの「現実」への理解に基づく「特別な感覚」をあなたのなかに育ててもらいたいのです。彼らの障害にとらわれることなく、その強みを見つけてほしいのです。「アルツハイマー病の犠牲者」としてではなく、完全な人間として扱ってほしいのです。あなたと、人と人との本当のふれあいをもちたいのです。ですから、わたしたちは自分が介護する人にどのように影響を与えているのか、また彼らが自分にどのように影響を与えているのかを理解しようと努めるべきです。

脳細胞の損失は知力の低下を招くかもしれませんが、きちんと注意と敬意を払わないことによって人格の崩壊を招いてしまうことになれば、それはわたしたちの失敗です。これは、わたしたちが相手にどう接するか(または無視してしまうか)によって相手の障害を実際に悪化させていたり、認知症を悪化させてさえいるということを意味するのでしょうか?

答えは「はい」です。自分の記憶が信頼できないと感じている人、またはなじみの作業がやりづらくなってきたと感じている人、よく知っているはずの場所で迷子になった人は誰でも、もろく、傷つきやすくなっていることでしょう。もはや何ひとつ、たしかなものはないと思えるでしょう。そんなときに無神経で思いやりのない扱いをされれば、不安な気持ちがいっそう強まってしまいます。わたしたちは、他人がちゃんと人間扱いしてくれないと幸せな気持ちが壊され、自分が何者なのか不安になってしまうとわかっています。知力が衰えつつある人は、支えや安心を必要としているまさにそのときに、たやすく傷つけられてしまうので、なおさらこのことがよくあてはまるのです。このことを認識するのは不安で気分を害することかもしれませんが、プラスの側面もあります。つまり、わたしたちには、彼らに手を差し伸べ、励まし、支えることで、脳損傷の影響を和らげることができるのです。

質の低いケアは、介護者が故意に残酷なことをしたり冷たくしようとした場合はほとんどなく、荷が重すぎたり、単に疲れきったときにやってしまうものです。効率的な身体介護と厳密な日課が最も重要とされた古い看護のなごりかもしれません。そこでは、患者のその他の必要性—特にその感情—は重要とは見なされませんでした。ときには、混乱した人の行動や抱えている困難さも、わたしたちにとって厄介なものに感じられます。すると考えずに反応してしまい、本当に必要なものを失ってしまうことになります。わたしたちは結局人間に過ぎませんし、学んでいく存在です。そうありたいと願うほど思いやりをもてないときや、うまくできないときもあるものです。自分の失敗を許し、自分が完璧ではないことを受け入れて、もっとよくできるように学ぶに越したことはありません。わたしたちがどのようにして、そしてなぜ、ときとして混乱した人から「大切なものを奪ってしまう」のかについて理解すればするほど、どうすればそれを「ふたたび与えることができる」かについてもまたわかるようになるでしょう。

ここでは、よくある状況とよいケアとよくないケアの10の実践例をあげておきます。「やっていいことといけないこと」を強調しようとして引用したのではありません。ただ、よくない実践によって、知力が衰えている人がどのように深く傷つき、弱められてしまうか、またはよい実践によってどのように彼らが価値を認められ回復するかを示そうとしたものです。

僕の祖母も認知症で一人暮らしでデイケアを活用していましたが、ヘルパーさんがいない間に馴染みのお店で砂糖を大量購入してお湯に溶かして飲んだり、タクシーを使って徘徊したり苦労も多かった。僕は孫なのでそこまでケアしていたわけではなく、週に何回かドライブに連れていく程度でした。タクシーで徘徊されるとバンバンお金が減るので僕にお小遣い渡してドライブにでも連れて行ってやる方がWin Win(笑)介護関連サービスをうまく利用しての介護でしたが最後はやはり病院にお世話になりました。家庭の中だけで介護するのは難しい問題に直面しがちなので、デイケアやグループホームなどのサービスも利用しながら。でないと介護する側が倒れてしまいます。

よいケアをしていくために

ケアは、仕事でするのであれ、または家族だからという理由で自主的にするのであれ、もっとも人間らしい仕事といえるでしょう。本当に真心をこめて取り組めるものです。心と身体、精神というそれぞれのわたしたちのあり方が関わってきます。これに十全に打ち込めば、得るところはとても大きいでしょう。介護をされる人とわたしたちが親しい関係にあれば、ケアは大きな痛みと悲しみを伴うでしょうが、そこにこそ大きな喜びもまたあるのです。

よい介護者のすばらしい技能には、それに見合った認識がなされていません。ケアの仕事には、やさしさと洞察、そしてとても限られた職業にのみ見受けられる現実的なノウハウとの特別な組み合わせが求められるのです。たとえば、会計士や技術者、または医師の仕事になぞらえることができるでしょう。ですから、あなたがもしケアが上手で満足感を覚えることができるならば、あなたはとても特別な人だといえます。わたしたちの世界はときにひどく暴力的で残酷で欲深く愚かなので、あなたのような人を本当に必要としているのです。あなたは本物の、全人的な人です。そんな人はなかなかいないと思うことがよくあります。あなたは人から人間性を引き出し、他の人と通わせようとしているのです。これこそが、わたしたちが現在与えることのできるもっとも貴重な癒しなのです。

ケアを行う上で家族が意識することはやさしさと洞察。人と人との関わり合いの中で介護していくのでどこまでが奉仕できる限界かわかった上でやらないと介護する側に無理が来てしまうので周りの人の手を借りながら。僕の祖母の時は嫁(僕の母親)の負担が多く愚痴が絶えませんでした(笑)それだけやってあげたい気持ちがあっても難しいことだと覚えておくとよいでしょう。

介護が必要な人が家族に出たら暇を見つけて読んでみることをお勧めします。自分が置かれている立場と同じケースを参考によりよい無理のないケアの助けになります。

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