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「見える身体」から「心」を読み取る極意

      2017/12/04

警察の仕事は、テレビドラマやなんかでこうした部分ばかりクローズアップされることが多いので誤解を受けることも。しかし、多くの仕事と同じように、実際はほとんどの仕事は地味でしんどいものであり、警察の仕事についてもそれは当てはまります。

捜査一課長の仕事

犯人を逮捕しても一件落着というわけには行きません。取り調べの場で、自ら犯した罪をはっきりと認めさせなければならないからです。それには、犯人の心の動きをしっかり読んで、時には不幸な境遇に同情したり。時に強く出たりしながら、自らの罪を語る「自白」へと導いて行かなければなりません。これも根気と知力が必要となる作業です。ようやく罪を認めたとしても、犯罪者の多くはそれまでの人生でウソをつき続けてきた「ウソのプロ」です。白状したのもつかの間、すぐに前言を翻したり、裁判で「自白を強要された。冤罪だ」と180度真逆のことを言い始めることもしばしばあります。そういう犯罪者と対決するには、まさに24時間365日全身全霊を捧げて、犯罪捜査に打ち込まなければなりません。見た目のかっこよさや派手さへのあこがれだけではとうてい続かない仕事なのです。

僕らが普段見ている刑事ドラマなどでは容疑者への取り調べや犯人の自供を引き出すためのシーンは短い。2時間ドラマなどではストーリーの関係上多くの時間を割くことはできないので、取り調べ時間は実際のものよりかなり短い。こうした裏の僕らの見えないところで、自白を引き出すための攻防が24時間365日続いていると思うとつくづく大変な職業だと思う。せっかく自白を引き出しても裁判で覆されればまたそこで攻防が始まる。もし裁判で殺人犯や凶悪犯罪者に実刑判決が出ても、もう帰らぬ人となった被害者やその家族の心の傷はなかなか癒えるものではない。

科学技術の進歩による捜査の手法の変化

最近では科学技術の進歩によって、視覚が防犯カメラや現場写真に、聴覚がICレコーダーや盗聴器に、嗅覚が警察犬やガスクロ(ガスクロマトグラフィー)に、味覚がDNA鑑定に、触覚がX線に取って代わられています。

最近では何か事件が起こると、必ずと言っていいほど犯人の足取りを掴むため防犯カメラの解析が行われる。これは捜査員が張り付いて寝る間も惜しんで犯人の乗っていた車両が写っていないか、犯人が徒歩で逃げそれが証拠とならないか攻防が繰り広げられる。最新の人物を画像や歩き方の特徴などから特定するシステムなんかも導入されるところは増えれば逮捕率はますます上がるだろう。僕らの日常でも、車にドライブレコーダーが付いていればトラブルを回避できる。僕が車を買ってまもない頃の深夜赤信号で停車中、前に止まっていたタクシーがいきなりバックしてきて車に傷をつけられた。この時は泣き寝入りだったけど、ドライブレコーダーが付いていれば、タクシー側が100%悪いのは証明できたはず。

ウソを見抜く技術

犯罪者は平気でウソをつくものです。大勢の犯罪者に接してきた私の経験から言えることですが、ウソをつくという傾向はなかなか治らないと思っています。ウソをつくのが平気な人は、ウソが発覚してもシラを切り、突拍子もない理屈をこねて反論します。真剣な表情で怒るのです。そして、そのうちボロが出そうになると、「違うウソ」をつき始めます。こうして次から次へとウソをつくものですから、やがてどれがウソで、どれが本当のことか、自分でもわからなくなるのです。困ったものです。

ホシを前にして椅子に腰掛けるよう促した時、次のような反応を見せる。

  • 「すみません」と謝ったり、「どうも」「なんだよ」「しつこいな」などと言葉を発する。
  • 座る椅子を手にして位置を変えたり、座ったり立ち上がったりするなどの動作をする。
  • やたらと言い訳じみたことや意味不明なことをしゃべりまくり質問をはぐらかす。
  • 極端に足を広げたり、足を組んだりする。
  • 身体や足を揺する。
  • 半分ほど靴を脱いだり、履いたりする。
  • 指の関節を鳴らす。腕を組んで考え込んだりする。
  • 両手を前の方で合わせる。
  • 手を無造作に机の上に置いたり、指で何かを書いたりする。
  • 頬杖をついて、ふて腐れたような態度をとる。
  • 頭を抱え込んで反省しているような素振りを見せる。

見たもらえばわかるように、ほとんどの行為のは一般に人が椅子に腰掛ける時の行為と変わらないものばかり。この中からウソの兆しを読み取るのだ。この段階で平静を装っている場合、ウソをつく可能性が高いのだという。

犯人の自白を引き出すテクニック

犯人の口を開かせるには、まずはあいさつです。「おはよう」と声がけしたとき、「おはよう」と応じるのか、それとも鹿十(花札の鹿が横を向いている状態。「シカト(無視)」の語源)して無視するのか、犯人の反応はどちらかです。ここで犯人があいさつを返してこないようなら、次は雑談に持っていきます。季節の話や社会で起きていること、また郷里や幼少期の話などを胸襟を開かせるのです。

なかなか口を割らない犯人が健康状態を尋ね話題にしたことで、わだかまりが解け一気に別人のように自供するなんてことも。

項目ごとに【一課長の目】として要約された一文が載っているような作りとなっています。様々なケース、事件が載っていて、警察のリアルがわかる書籍。これから警察官になろうという若者はもちろん一般の方でも、観察眼を養うのに有効なテクニックが満載となっております。

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