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実際にうつ病になった精神科医の闘病記録

      2017/12/12

うつ病を「心の風邪」などと言う、知ったかぶった知識人や専門の精神科医までがいるが、私の見解ではそれはごく軽症のうつ病であって、本当のうつ病は命をも奪いかねない深刻なものである。即ち軽症から重症まであるのだ。実際にうつ病に罹患した精神科医による闘病記録です。

手帳に記された「聴覚過敏」「最悪の状態」の文字

一月一〇日の手帳に「聴覚過敏」「最悪の状態」と記載されている。人の話し声、テレビの音、雨の音さえも耳に響いて悩まされた。気持ちが落ち込んで、いらいら、不安焦燥が私を苛んだ。これが私のうつ病の始まりである。食欲がなくなって、体重が四キロ減少した。家内が言った。「どうして食べないの?」「ああ、あまり喉を通らないんだ」「何か病院で嫌なことでもあったの?」「いや、別にそういうことはない」家内にあまり話したくはなかった。ことが終わったにもかかわらず、自分が不調であることをなんとなく知られたくなかった。自分の見栄がそうさせたのである。

精神科にかかると色々なショックを受ける。外来できている患者は比較的症状が軽いが、入院患者ともなるとかなり厳しそうな症状の人も多くいる。そこにはうつ病の患者や統合失調症の患者、それ以外も混ざって入院している。うつ病になった著者が奥さんに知られたくなかったというのは、同じ精神疾患患者としてわからないでもない。世間や他の人に精神疾患であることを悟られたくないという時期がある。僕自身、統合失調症発症時は、公的支援を受けると精神疾患患者のレッテルを貼られるのではないかと危惧し、患者が受けられる様々な支援を利用しなかった。闘病生活が長引きこれからは病気と共に歩んでいくんだという覚悟ができた時、初めてそういった支援を受けることに。

それでも家族は察知していた

家内は、私のこれらの生活歴や価値観をよく理解してくれた。家内ももともと音楽好きでもあるので私と一緒にクラシックコンサートに行くのである。私がうつ病になったことは、服薬を始めた時に自分で説明した。「とっくにわかっていたわよ、きっとそうだと思っていた。私が付き添うから第三者機関にかかってみない?そうした方がいいと思うの」家内は私自身がうつと気付く前から察知していたのだと思う。しかし彼女は一体どう私に接してよいものか、戸惑っているようであった。

うつ病に関する書籍は多く出版されている。少し前までよく言われていたのが、「頑張れ」と励ますのはすでに頑張ってどうにもならない患者にとって辛いだけなのでNGというもの。しかし書籍によっては、この奥さんのように、病院での受診をさりげなく促し、「頑張って病院へ行きましょう」的な励ましはOKだとする意見もある。うつ病は投薬と休養(僕の入院していた病院ではうつ病患者さんは、病院で何も頑張らなくていい状態で服薬を続け、比較的早い段階で退院する人が多かった。僕は3ヵ月みっちり入院でしたがww)。家族にうつ病の気配を察知したら、早い段階で、病院を受診することをお勧めします。投薬とカウンセリング、それに加え精神科にかかるメリットの一つに、自分だけが辛いんじゃないと思えること。自分と同じ精神疾患患者の多さをみて安心するというのがあります。

「死にたい」の文字

七月四日の日記の記載に「死にたい」の文字がある。うつ状態は一層顕著になっていった。八階のマンションのベランダの柵に足をかけたこともある。さすがにそれはすぐに思いとどまった。しかし同時期に、ARBアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬・ブロプレス、ACE アンジオテンシン変換酵素阻害薬・レニベース、Ca拮抗薬・アダラートなどノートに降圧剤の記載もある。勉強はしていたようである。しかし精神科医のくせによせばいいのに結局悪あがきばかりをしていたのである。一週間ひどいうつ状態が続いた。家内にも「調子悪いでしょ」と言われた。この頃は週替わりにうつを繰り返していた。

僕はうつ病ではないが、自殺未遂の経験が2度ある。どちらも酒に酔った勢いでのものだ。酒に酔い処方されていた向精神薬をまとめてのむオーバードーズとドアノブにベルトをかけての首吊り。オーバードーズの方は家族がすぐに気付き救急車で搬送、胃洗浄を行なっている際の医者たちの海外旅行の話が、そんな雑談しながらやるんじゃねぇと思ったことが印象的だった。首吊りの方は最初だんだん気持ちよくなって、記憶が走馬灯のように高速で蘇りその後、急に窒息で苦しくなる。あまりの苦しさのあまりもがいてドアノブからベルトが外れ一命をとりとめた。今では酒をやめこういった衝動的な行動をとることはなくなった。

自分自身やみじかな人がうつ病にかかる可能性はかなりの高確率。いざうつ病になったときのために、どのような症状が出たら危険かを知っておくと良い。そういった意味で読んでおくとためになる書籍である。文章の綴り方がやや気になるがやや気になるが‥‥

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